NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

小百合さんの妹は天使 1-4巻 紹介[百合作品]

こんにちは、湊柚子です。

 

百合作品の感想です。


小百合さんの妹は天使(1-4巻)

[著者] 伊藤ハチ

[出版] KADOKAWA/メディアファクトリー(MFコミックス フラッパーシリーズ)

[あらすじ] 誰からも愛されない、選ばれないと心を閉ざして生きてきた地味な女の子、小百合さん。自分と違って可愛い妹の美琴と13年ぶりに再会するが、妹は天使になっていて…!? (1巻 Amazonより)

 

 

今やメジャーな姉妹百合も、作り込まれればここまで良くなるんだと思いましたね。

 

主人公の小林小百合は、両親の離婚をきっかけに、完全に心を閉ざしてひとりで生きてきた女性です。そんな彼女の元に、離婚の際に父親のほうに引き取られた妹の美琴が現れます。美琴が天使の姿になっていたことももちろん、それ以上に小百合を驚かせたのが、美琴からの愛の告白とキス。これが、この作品の始まりです。

この作品は、なんとなくイチャついているとか、恋愛の過程を描くとか、そういう感じではなく、美琴からガンガン来る愛のアタックを百合の軸としながら、二人を取り巻く新たな人間関係、そして美琴の天使の姿の謎について描く、比較的ストーリー性の高い作品ですね。

百合観としては、比較的ナチュラルな百合ですね。女性同士だから!と戸惑うことはあれど、それが壁になることはないですし、社会的評価(世間体)も問題になることはないです。どちらかと言うと、個人の内面に関わる部分でのやり取りのほうが多いです。

ストーリーのすべてに触れることはできないので、一番の中心となる小百合と美琴の関係に注目してみると、まあ姉妹愛と百合がうまく融合されているなと思いますね。恐らく、小百合は美琴を基本的には妹として愛していて、美琴は小百合を完全に一人の女性として愛しているというバランスが良いのでしょう。それに加えて、後半では小百合が美琴にちゃんと惹かれていくので、百合的な満足度も高いのです。美琴の小百合への愛し方が個人的には好きです。キス以上のことをガンガン要求しますし、小百合を狙っている(疑惑がある)人を徹底的にマークしますしが、かといって小百合を傷つけることはしない。この点もバランスが取れていると思います。

ただ、美琴が天使となって小百合のもとへ訪れるきっかけと、小百合への恋愛感情が結びつきにくいです。離れ離れになる前に小百合からもらった沢山の愛情(姉妹愛)が恋愛感情の基礎になっているのはわかりますが、離れ離れになってからしばらく会っていないのに、写真に映った小百合の姿を不意に目にしただけで、一気に性愛が湧いてくるというのはちょっと変かなと思います。離れ離れになった後もずっと小百合のことを想い続けていたとかなら、美琴の状況を考慮すれば、姉妹愛が性愛に変わるのはわかるのですが…。

 

 このように、多少の不足はあるものの、それ以外は本当に読み応えがありました。「ストーリー性は欲しいけど、重い・長い話は読むのがしんどい」、「ハッピーエンドが好き」という方にはオススメします。