アメリカンファラオ(American Pharoah) まとめ
こんにちは、湊柚子です。
私が海外競馬に興味を持ったその年に、アメリカ競馬界に37年ぶりに現れた三冠馬がアメリカンファラオ(American Pharoah)です。
デビューから引退まで、集められる限りのデータや勝利レースの動画などを掲載しています。
【品種】サラブレッド
【性別】牡
【毛色】鹿毛
【生年月日】2012年2月2日
【血統】別欄参照
【調教師】ボブ・バファート(Bob Baffert)(米国)
【馬主】ザヤット・ステーブル(Zayat Stables)
【生産】ザヤット・ステーブル(Zayat Stables)
【総賞金】8,650,300 US$
【成績】11戦9勝
☆血統
☆戦績
☆勝利レース動画
デルマーフューチュリティ(G1)
フロントランナーステークス(G1)
レベルステークス(G2)
アーカンソーダービー(G1)
ケンタッキーダービー(G1)
プリークネスステークス(G1)
ベルモントステークス(G1)
ハスケル招待ステークス(G1)
ブリーダーズカップクラシック(G1)
☆アメリカンファラオの軌跡
昨年もジャスティファイというアメリカ三冠馬が誕生しましたが、アメリカンファラオはジャスティファイよりも間違いなく強い三冠馬だと思っています。また、37年という長い時を経て誕生した久々の三冠馬という意味でも、価値が高い馬です。
ちなみに、アメリカンファラオのファラオの綴りは、書き間違えがそのまま登録されたものです。
アメリカンファラオはデビュー戦こそ敗れはしたものの、次走のG1で初勝利となり、そこから破竹の4連勝でケンタッキーダービーへ向かいました。
これまでの相手が弱かったなどと言われはしたものの、G1競走3勝の実績によって1人気に推され、無敗馬ドルトムントらを完封して1冠目ケンタッキーダービーを制しました。着差こそ1馬身弱でしたが、余裕の内容。勝ちタイムは昨年のカリフォルニアクローム以上ではありましたが、特別速いタイムではありません。
中1週で挑んだプリークネスステークス。ケンタッキーダービーの2着3着が出走するも変わらずの1人気で、今度は不良馬場の中、2着に7馬身差つけての圧勝でした。
そして中2週で挑んだ3冠最終戦にして最大の南関、ベルモントステークス。1人気ではありましたが、2冠馬がことごとく敗れてきたこのレース、評価は絶対とは言えませんでした。しかしながらふたを開けると、完璧に逃げて、差し馬たちを5馬身以上突き放す圧勝劇。しかも勝ちタイムは、圧倒的なセクレタリアトを除くと、過去の名馬たちと同レベルの走破タイム。G1競走6勝目、そして37年ぶりの米3冠馬誕生を圧倒的内容で成し遂げました。
父パイオニアオブザナイルはサンタアニタダービーを勝利してケンタッキーダービーに挑むも、2着。続くプリークネスステークスは11着に大敗。種牡馬としてはまだまだ若手で、今回アメリカンファラオが父の雪辱を晴らすどころか、それ以上の偉業を達成したことで一躍種牡馬として高評価を受けることになりました。それはパイオニアオブザナイルの父エンパイアメーカーにとっても大変良いことです。
アメリカンファラオには、sidekick(相棒)が居ました。ポニーのSmokey(Registered Name:This Whiz Shines)です。輸送時、調教時でも支えとなり、この存在は関係者、ファンの間でも語られました。(引用:Pony Smokey a Loyal American Pharoah Sidekick)
3冠達成後初戦、ハスケル招待ステークス。
G1馬コンペティティヴエッジが逃げ、アメリカンファラオが追走する展開。3角あたりで3番手ミスタージョーダンが早くも脱落、そのあとにコンペティティヴエッジを交わしてアメリカンファラオが先頭、そのまま直線へ。先行集団の後方にいたアップスタート、後方2番手のキーンアイスがムチを振るい追い詰める中、アメリカンファラオはムチを入れることなく、差される危険は全くないままゴールイン。公開調教のようなG1でした。
BCクラシックに向けた1戦、トラヴァーズステークス。1人気が不調なレースで、アメリカンファラオもまんまとその呪いにのまれます。前走とは異なって、スタートから終始フロステッドに絡まれる流れで逃げることに。フロステッド陣営もアメリカンファラオを負かすつもりでの作戦。結果、フロステッド陣営の作戦は「アメリカンファラオに勝つこと」は叶わずも、「アメリカンファラオを負けさせる」ことに成功。フロステッドの作ったアメリカンファラオにとっての苦しい流れは、キーンアイスに活きました。キーンアイスは鋭い末脚が魅力、今回はいつもよりスムーズにポジションをアップ、直線前からすでにフロステッドに消耗させられたアメリカンファラオを差し切りました。
いつもよりも苦しい流れであったこと、キーンアイスにとって有利だったことなどもありますが、それにしても勝ちタイムは悪くないし、今までもアメリカンファラオはこのような流れでしっかり突き抜けていたのは事実ですので、力負けではないのでしょうが、BCクラシックに向けてどこまで仕上げられるかが課題になりました。
そして迎えたラストラン、BCクラシック。史上初のグランドスラム(同年の3冠競走+BCクラシック制覇)達成が懸かっていました。
最大のライバルとなるはずだったビホールダーが出走を取り消し、スタミナ切れを恐れる他馬に絡まれることなくすんなり逃げへ。いつも通り、どんなに後続に絡まれようと、徐々にスピードを上げ、直線へ。
ややエフィネックス以下に差を詰められかけるも、それは見せかけで、全く変わらないアメリカンファラオがそこにはいました。これぞアメリカ競馬、いや、アメリカの宝と言わしめる、いかにも「王者」の走りを見せ、6馬身半差の完勝、G1競走8勝目、そしてアメリカ競馬初の「グランドスラム」を達成。有終の美というには素晴らしすぎる終わりでした。
引退後は高額な種付け料を設定されるなど、引退後の期待も高まっていました。また、全妹はアメリカンクレオパトラと名付けられました。