NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。 紹介[百合作品]

こんにちは、湊柚子です。

 

百合作品の感想です。

 

親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。

[著者] コダマナオコ

[出版] 百合姫コミックス

[あらすじ]

子供の頃から、親の敷いたレール通りに生きてきた真知。上場企業に就職し、ようやく親からアレコレ言われなくなる…と思いきや、今度は「お見合いして結婚を! 」と迫られて爆発。後輩ジョシ・花と偽装結婚することに。昔告白された相手との同居生活は、 窮屈な様で、意外にも心地よくて…。表題作3話に加えて、幻の読切作品「無酸素恋愛」を加えた著者待望の作品集。(Amazonより)

 

※表題作のみの紹介になります。

 

男装で彼氏役をさせる百合はいくつかありますが、本作のように、女性として偽装結婚というのは、ありそうでなかったですね(少なくともメジャーではない)。とはいえ、一見すると、作者の欲望だけを詰め込んだ素人作品になりかねないような設定です。それでも、著者コダマナオコさんは、いくつかの作品を世に出している方なので、退屈な内容にはなっていません。

あらすじだけ見ると、単に「結婚相手がいるから」ということを武器にお見合いを断ろうという展開に見えますが、実際は、「同性愛者だと偽れば、お見合いは諦めてくれるかもしれない」という、異性愛主義社会を利用したものになっています。更に、渋谷区のパートナーシップ制度を利用するという徹底ぶりです。というのも、主人公・真知の親は、やたら世間体を気にする人たちで、真知の結婚相手にも相当の条件を求めてきます。ですから、完璧にお見合い結婚を諦めさせる必要があるというわけです。

以下は内容について更に触れる紹介です。

真知はノンケで、後輩女子の花は同性愛者。しかも、花は過去に一度真知に告白してフラれています。そんな中、真知が親からのプレッシャーに堪えかねているところを、花がすかさず同棲のチャンスとみて、(期限付きの)偽装結婚を持ちかけるというわけです。同棲して最初の頃は、花がアタックしたり「自分のことを好きなレズと同棲するのは怖くないのか」などと煽ったりしても、真知は怒ったりうんざりしたりするだけなのですが、花のひたむきな姿に、心境の変化が現れます。それは、真知の母親が花のことを異常者呼ばわりした時に、生まれて初めて母親にキレるなど、明確なものでした。

しかし、その後の「誰かと一緒に過ごすのも悪くない」という真知の発言がすれ違いを生むことになります。真知の真意は「花と過ごすのは悪くない」ということなのですが、花は「一緒に過ごしたい相手(男、彼氏候補)ができた」と解釈してしまいます(真知にゾッコンのわりにはネガティヴな解釈ですが、真知がノンケであるという意識のほうが上回っているので)。

この先の展開は、実際に読んでみてください。全体的にまとまった起承転結なので、意外な展開にはなりませんが、ハッピーエンドなので読んでほしいです。

 

読み終わってみると、「うるさい親に悩まされている先輩(♀)に偽装結婚を持ちかけてみた。」というタイトルの方が合ってるのでは?と思いましたが、それだと花が主人公になってしまいますね。個人的には主人公が百合ガールで、相手がノンケのほうが好きです。