NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

付き合ってあげてもいいかな 1巻 感想[百合作品]

こんにちは、伊吹柚子です。

 

百合作品の感想です。


付き合ってあげてもいいかな(1巻)

www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる

[出版] 裏少年サンデーコミックス

[あらすじ] 

私に、彼女ができました。
超モテるのに「好きな人と両想いになったことがない」パッと見いい女のみわ。
大学入学を機に軽音サークルに入り、
絶対友達にならないタイプ!と思ったお調子者の冴子と急接近。
なんだかちょっと新しい扉が開いちゃう感じ…?

「せっかくだからあたしたち、付き合ってみない?」

軽音サークルの仲間たちと織りなす、ホンネの女子大生ガールズラブ!!(小学館より)

 

 

 

まず、私、このシリーズは既に8巻まで読みました!

その上で思うのが、「この作品、感想記事を書くのが非常に難しい!」ということです。

原因は、キャラクターやストーリー展開の妙なリアリティの高さです。

1巻ずつ区切るのか、展開ごとに区切るのか、それによって書き方が変わってくるんですよねー、、、

 

ガンバって、先々のネタバレ少なめで1巻ずつ書くことにします。

方針としては、ストーリー展開に合わせて書いていく感じで。

 

 

本作は、同性愛者の犬塚みわと、同じく同性愛者猿渡冴子をメインとした物語。

「そんなのあらすじ見ればわかるよ!」とお思いかもしれませんが、あえてそう書かないといけないんです。

なぜなら、ただ二人が付き合ってイチャコラするだけの百合漫画ではないということを、覚悟して読む必要があるからです。

これこそが、前述の「リアリティ」と関係してきます。

 

物語の基礎となる二人の関係は、1巻の開始1/3ほどで形成されますね。

みわと冴子は、大学入学してほどなく友人関係になり、軽音部に入部。最初の飲み会で良い雰囲気になると、同性愛者であることを相互にカミングアウト。元々みわがタイプだった冴子が交際を提案し、なんとなくな感じで交際開始。

こんな感じです。

ここがリアリティポイント①。お互い、特段「好き」という感情を高ぶらせて付き合ったわけではないんです。冴子は、「みわがタイプで、性欲を掻き立てられる。しかも偶然同性愛者だったから、こんなチャンスはない」という理由。みわは、「彼女が欲しかったし、冴子はいい人だから」という理由。同性愛者である点を除けば、大学生のあるあるみたいなスタートなんですよね。

そしてこれが、二人の性格や過去も合わさって、リアリティポイントであると共に、この物語の決定的な軸になってきます(これはもうネタバレと呼べそうですが)。

 

残りの2/3で、二人は軽音部のメンバーに関係バレしたり、デートしたり、セックスするしないで揉めたりしていきます。

そして、その中で二人のキャラクターも徐々に明らかになってきます。

みわは、純粋真面目むっつりめんどくさい、とでも形容できそうな感じのキャラクターですね。基本純粋で真面目な気遣い屋さんですが、そこをこじらせている節があります。純粋真面目な人にありがちだと思うのですが、不安症で悲観的。そして、性欲は十分なのに、いっぱしにセックスへの不安を抱いている。

冴子は、基本明るいキャラなんですが、明らかに中学時代の同性愛者いじめの被害を引き摺っているところがあります。なので、みわと付き合えたことは純粋に喜んでいても、みわの態度や行動に引っかかることがあると、確実にダメージを受けているんですよね。特に、(自分からなし崩し的な交際を成立させておきながら、)みわが本気で自分のことを愛してくれていないような振る舞いに、強い不安を覚えます。

この二人のキャラクター性が、リアリティポイント②ですね。物語を面白く運ぶための都合の良いキャラクター性を持っていないんです。どう考えても、この先上手くいく気がしない二人だなぁ、と思ってしまうほど、とにかくリアル。

特に、太字で強調させた部分には注目すべきですね。普通の恋愛モノであれば、「そんなに不安にさせちゃってごめんね。心から愛してるよ。云々」と発展して強固な恋愛関係を築く土台になるようなものですが、本作ではそうではありません。リアルの恋愛(そんなもの、私もよくわかってはいませんが)を思い浮かべてください。「かわいい、いい人そう、付き合ってみよう、ヤりたい」みたいな大学生の交際に、本格的な愛情と不安を持ち込むと、どうなるか。。。

 

 

 

1巻はこんな感じです。

この先の展開を知らない方からすれば、もっと色々書くことはあるでしょうし、感情的に感想を述べることもできるのでしょうが、8巻まで読んでいる私からしますと、どうしても、「物語の基礎としての1巻」として捉えて、感想どころでは無くなってしまうんですよね。

ちなみに、1巻を初めて読んだ時の私の感想としては、「こっから2人は愛を深めて、イチャイチャするんだろうなぁ。社会人百合編くらいまで行くかな?」でした。

残念。

 

 

この先、色んなイベントがあり、展開の理解が追いつかなくなるかもしれないので、いちおう1巻の内容まとめておきますね。

 

・入学直後、みわと冴子が出会う。冴子、性欲丸出しの出会い。

・軽音部入部前、みわと冴子は友人関係を築く。

・軽音部入部後、最初の飲み会に行く。飲み会後、交際スタート。

・交際直後、みわは、なし崩し的な交際を不安視。一方の冴子は、そんなみわの不安を不安視。加えて、早いところ関係を進めたい(セックスしたい)と考えている。

・軽音部メンバーに交際バレ。受け入れて貰える。

・交際一ヶ月後デート。冴子が関係進展をほのめかすも、真面目なみわはもっと機を熟したいと考えている。また、なし崩し的な交際スタートを始めた側の冴子だったが、みわが自分を本気で愛してくれているのかを気にするような節が見え始める。

・冴子の家でデートをし、冴子が襲うも、みわは怯える。

・先日のデートの件を経て、冴子がみわの性格を「めんどくさい」と思ってしまっていることが判明。

・この2件について、なんとなく仲直りし、冴子の誕生日に初セックス。

 

 

 

以上。

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 感想記事というより分析記事みたいだなと思う今日この頃