NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

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統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

付き合ってあげてもいいかな 3巻 感想[百合作品]

こんにちは、伊吹柚子です。

 

百合作品の感想です。


付き合ってあげてもいいかな(3巻)

www.shogakukan.co.jp

[著者] たみふる

[出版] 裏少年サンデーコミックス

[あらすじ] 

すべてを知りたい、知られたくない。
全てを委ねてほしいみわと、
自分をさらけ出すことができない冴子。
互いにもどかしい気持ちを抱える恋人同士の二人。
そんな中、高校の同窓会を控え
初恋の先輩への想いが募るみわの心は複雑で……

「…抱きたいの。抱かせてほしい。…だめ…?」

恋に悩んだことのあるすべての人に贈る、
リアルラブストーリー第3巻!(小学館より)

 

 

 

今回も、読書感想文のような論文のような「感想」記事を書いていきます!

 

さて、3巻は、だいたい2パートに分けることができそうです。

1に、冴子の相反する感情。2に、みわと熊谷先輩の再会。

こんな感じで、分けて見ていこうと思います。

 

まず、1の「冴子の相反する感情」ですね。

これまでにも見てきた通り、冴子は「なし崩し的な交際なのに、やたら愛されているかを不安に思う」、「抱くのは好きだが抱かれるのは嫌い」、「嫉妬と束縛は嫌いだけど、みわの行動に対して、嫉妬から来る怒りや不安を覚える」という相反する感情を抱えていますが、今巻で、その相反はより深まっていきます。ただし、「抱くのは好きだが抱かれるは嫌い」という観点については、「抱かれるのは嫌いだが、みわには許してしまいそう」という、二重の相反になっていきますので、そこは誤解無きよう。

これらの相反する前の性格である「なし崩し的な交際をする」(=楽しければいい)、「抱かれるのは嫌い」、「嫉妬と束縛は嫌い」という点については、元々そういった性格ではありつつも、やはり中学時代のトラウマがそれを拗らせているというのは間違いないようですね。今巻でも、中学時代のアルバムをかたくなに見せなかったり、中学時代の同級生と会って吐き気を覚えるなどしています。

 

しかし、そこに対して、相反する感情を引き起こしてくるのが、みわというわけですね。

 

元々の性格+トラウマによって、基本的には「とりあえず楽しければ」、「抱かれてる自分は気持ち悪いから抱かれるのは嫌い」、「嫉妬と束縛は嫌い」というスタンスの冴子は、みわに抵抗しますけど、みわのことは、なぜかどうしても手放したくないので、みわの想いや行動にほだされて、流されそうになっています。

 

ただ結局、今巻時点では、抱かれるのはどうしても身体が許しませんでした。

一方で、嫉妬や束縛をしたくなる気持ちには勝てずにいます。

 

(これ、どう考えても、悪い方向にしか変化してないですよねぇ・・・)

 

前回もお話した通り、今後これらが重要となってくるのは間違いないです。

後はストーリー的には、これらの冴子の変化が、果たしてみわ相手特有のものなのか、それともパーソナリティすら変化してしまうのか(みわが相手じゃなくても発動するのか)、これにも注目です。

 

 

 

次に、2の「みわと熊谷先輩の再会」ですね。

熊谷先輩こと熊谷志帆は、みわの高校の同級生です。これまでのお話では、どうやら初恋の相手で、今度同窓会で久しぶりに会うことになる、というところまで明らかになっています。

 

そして、同窓会で、みわと志帆は再会します。

そこで明らかになった二人の過去は、なかなか一筋縄ではいかないものでしたね。

 

みわの場合、高校時代、志帆との出会いは、同性愛者としての目覚めと、志帆への想い、そして、志帆の状況を同時に背負うことになった過去でした。元々は誰かに恋することもなく、むしろ「恋愛は人生をコントロールされている気がする」と考えてきたみわでしたが、部活を通じて志帆とお近づきになり、親密になって行く中で、自分が女性に恋している、志帆に恋していることを自覚するわけですね。みわにとって、どれだけ特別な初恋だったかわかりますね。

志帆のことをやんわり独占しようと(冴子のことはあんまり束縛しなかったのに)、部室に入り浸り、その後も親密な時を過ごすわけですが、その中で、志帆の状況を知ってしまいました。

 

志帆は、学校では明るく振るまい、いろんなところに居場所を持っているようでしたが、実は、家庭では親にも妹にも劣等生扱いを受けており(暴力やネグレクトがないだけで、児相案件スレスレの虐待です。志帆は自死も考えていたレベルなので)、学校でも他人との深い関わりはもっていない現状だったわけですね。

そんな志帆が唯一一人落ち着ける根城としていたのが部室で、そこに入って志帆にくっついて、色々と関わってきたのがみわでした。みわの想いと志帆の想いは互いに影響を与え合い、二人して過ごし、遊ぶようになるわけです。

しかし、親密な関係を築きつつも、二人でカラオケに遊びに行ったことが志帆の親に発覚し、親の身勝手により、志帆の自由は完全に絶たれました。

 

とにかく、志帆にとってもみわにとっても、この世は凄く生きづらい。

そして、そんな二人が、お互いに、この出会いは大きな影響を与えた。

こういう関係なわけです。

 

結局、志帆は家族から逃げるように沖縄の大学へ進学し、みわは想いを告げることなく志帆とは別れることとなりました。

 

 

どうでしょうか。

冴子に対しては、「今はもう好きじゃない」的なことを言っていましたが、お互いに人生を変えるような関係だった初恋の相手に、みわが果たして本当に恋心を鎮めているのでしょうか。

この先の、重要なポイントです。

ちなみに、高校時代の思い出の中で、志帆は、みわにキスしてしまいそうになるシーンがありました。

果たしてこれが、どのような想いのもとにあるのか。恋なのか、それとも、みわだけが自分を救ってくれたという高揚感から来るのか。志帆自身もそれと向き合おうとしていますし、注目すべき点ですね。

 

 

 

さて、こんな感じで3巻を見てきましたが、いずれも重要な内容だったと思います。

なにせ、この2つの事象が同時に起きているわけですからね。穏やかじゃいられませんね。

3巻の終わりでは、みわと志帆が更に濃密な時間を過ごすようですが、果たしてどうなるのか。

そこが、見物ですね。

 

 

 

時系列、書いておきます。

 

・冴子の自宅でアルバムを見せて貰うが、中学時代のアルバムは見せて貰えないみわ。また、母親は冴子が同性愛者であることを知っている。

・ファストフードで食事中、冴子が同級生と遭遇。同級生の前では普通に振る舞ったが、同級生の去った後、吐き気を催す。

・みわの家。みわは冴子を抱きたいと伝えるも、冴子拒否。

・鶴田が正式にみわに振られる。

・みわが抱こうとするのを冴子がまたしても拒否するが、みわへの想いから、衝動的に次回許可を出す。

・冴子は抱かれる覚悟で挑むも、実行出来ず。その上、嫉妬心を抑えて、みわが志帆と再会するのを許可してしまう。

・みわ、同窓会で志帆と再会。~回想(一連の流れの後、自身の家庭環境に加え、みわにキスしてしまいそうになった罪悪感から、志帆がみわを遠ざけるようになったことも明らかに。)~

・同じ頃、冴子は、みわが志帆に会いに行ったことに嫉妬しながらも、バイト中。そこで、新人バイトの優梨愛と出会う。

・志帆から、みわを遠ざけたのは、嫌いになってからではないと釈明を受ける。その上、同じ大学に来て欲しかった、今日はみわと一緒にいるつもりであるなど、色々と誘惑を受ける。

 

 

 

 

 

以上。

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 実は志帆は2番目に好きなキャラ。1番目は未登場。