楠芽吹は勇者である 感想
こんにちは、伊吹柚子です。
ノベルの感想です。
楠芽吹は勇者である
www.kadokawa.co.jp[著者] 朱白あおい [企画原案・構成]タカヒロ
[出版] アスキー・メディアワークス
[あらすじ]
人気TVアニメ『結城友奈は勇者である』1期と2期の間に起こった、もう1つの物語。かつて三好夏凜と勇者の座を争い敗北した、元勇者候補生・楠芽吹の自らの誇りをかけた戦いの軌跡。(KADOKAWAより)
今回も、『乃木若葉は勇者である』のノベル感想記事同様、「アニメは観たけどノベルは読むべきなのかな?」というような人の参考になれば良いと思って書きますね。
この『楠芽吹は勇者である』は、まさにあらすじの通りで、1期と2期の間を中心とした物語です。ただ、正確には、神世紀298年~神世紀301年のお話です。つまり、今回の主人公芽吹が小学校6年生の時から始まります。
ストーリー展開的には、
神世紀298年 芽吹や夕海子、夏凜が勇者候補生として、宇夫階神社に集められる。
神世紀300年春 夏凜が銀の後継者となる。
神世紀300年秋 ゴールドタワーに、芽吹、夕海子、雀、しずくたち32名が招集。
~神世紀301年 亜耶たち巫女以外の32名が防人としてお役目を果たす。
神世紀301年 亜耶たち6名を生け贄にする奉火祭が執り行われることが告げられる。
こんな感じです。大まかに書くと、アニメでよく描かれているなと思いますし、ノベル読まなくても良いのではないかと思われるかもしれません。
ですが、本作においても、やはりノベルは読むべきとお勧めします。
前回の『乃木若葉は勇者である』の記事とは違って、ノベルを読むべきだと思うポイントは1つだけ。
それは、「キャラクターたちについて知ることができる」ということです。
前回記事のポイント④と同じです。
ですが、あちらが「キャラクターたちの生活や戦いを通しての成長」に焦点を当てていた一方で、『楠芽吹は勇者である』については、「キャラクターたちの個性・背景を通してのストーリー」に焦点を当てています。
つまり、私は、『乃木若葉は勇者である』(以下、「のわゆ」)はキャラクターたちの生活や成長を見る作品で、『楠芽吹は勇者である』(以下、「本作」あるいは「くめゆ」)はキャラクターたちの個性・背景が中心の作品であると考えます。
ネタバレしすぎない程度で、具体的にアニメで描ききれなかった重要部分を見てみます。
①楠芽吹:なぜ勇者にこだわるのか、犠牲を嫌うのか、他のキャラとの関わり方
②弥勒夕海子:弥勒家にこだわる理由を含め、ノベルで彼女が目立つ箇所ほぼ全て
③加賀城雀:自尊心の低さなど、ほぼ全て
④山伏しずく:神樹館で銀たちと隣のクラスだったこと、別人格のことなど、ほぼ全て
⑤国土亜耶:他のキャラとの関わり方、生い立ちなど、ほぼ全て
ほとんど全てですね。キャラクターについての重要な部分が結構抜け落ちてます。
ですから、のわゆについては、キャラクターたちの大まかな個性はともかく、過程・成長の描写がアニメでは描ききれず、くめゆについては、キャラクターたちの個性・背景がほとんど描かれていないので、もはやストーリーそのものしかわからないという状態です。
従って、いずれにしても、アニメだけでなく、ノベルも読んで頂きたいのです。
まあ、これだけ区別しておきながら、千景は家庭環境などの背景を見ることが重要ですし、芽吹の成長はこのストーリーの核ではあるんですけどね。ただ、わかりやすいように区別させていただきました。それに、芽吹の成長はどのみちアニメでは描かれてないので...
それともう1つ。
これは『結城友奈は勇者である』シリーズ云々とか、作品云々とかとはあまり関係ないのですが、「キャラクターたちを正確に知ってもらいたい」というのがあります。
というのも、「芽吹は、神樹様や大赦、勇者というものに対して、敬意とか妙な特別視は全くしていない」ということが、アニメだけでは伝わりづらいんですよね。
なので、ノベルを読まないと、芽吹のアイデンティティみたいなものが、上手く理解されないのかなと思います。
あとは、ノベルを読むべきかどうかということではないですが、「なぜ、楠芽吹は『勇者』とされているのか?」という謎も、アニメじゃ全く触れられてないので、ノベル読まないと解決できませんね。
最後の最後に、単純な感想を。
・シリアスは少ない分、大幅な盛り上がりも少ない。
・亜耶、芽吹はむしろアニメのほうが可愛く見えた。奉火祭前のふたりのおでかけを逆輸入したいくらい。
・夕海子はアニメじゃ全然気になってなかったけど、ノベルで一気に好きになった。アニメでは感じにくかった芯の強さを感じられるし、芯が強いのに、キャラに全く堅苦しさがない。
ついでに、先月行った、くめゆの聖地の写真残しておきますね。
<宇夫階神社>神世紀298年に勇者候補生が集められ、訓練した場所。
以上。
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