NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

立花館To Lieあんぐる 7巻 感想[百合作品]

こんにちは、湊柚子です。

百合作品の感想です。


立花館To Lieあんぐる(7巻)

[著者] merryhachi

[出版] 百合姫コミックス

[あらすじ]
今年の夏も終わりが近づき、夏休みの宿題・進路の話・過激な下着…とイベント目白押し。って過激な下着! ? というのも、はなびが進学で立花館を 出て行ってしまうのでは…と焦るこのみが、一大決心!そして、二人の関係が大きく動き出す…。それを見つめるいおりの心境は…! ? と大きなイベント満載の最新刊だけど、なんと!merryhachi先生のデビュー前・初投稿作「Braver! 」も特別収録▼さらになんと! 描き下ろし42p「春の秩父温泉湯けむり旅行! 」も収録▼(一迅社より)



祝!!このみ、本格的に百合ガールになる

あらすじの通り、この7巻は確かに盛りだくさんでありますが、やはり基軸ははなびたちの三角関係に起きまして読んでいただきたい。ということになると、7巻はこのみの積極性に驚かされた回です。時間軸を合わせるために、先に秩父(おチチぶ)旅行のほうを振り返ります。
依子の幸運により、秩父へ旅行に行くことになった立花館ご一行。いつものように、玉の輿キャラのハッタリをかますそのあに天罰が下る(ハッタリではなく、優も玉の輿も両方好きなのかもしれませんが)など、いかにも立花館らしい。珍しくいおりに親近感が湧いたのは、ダムカード(秩父旅行中に貰った様子)。これについては妙な偶然がありました。私は基本的にダムカードは「ご自由にお取りください」スタイルでないと貰わないので、私が持ってるダムカードはたった2つ。それが、滝沢ダム藤原ダムです。滝沢ダムは、いおりがカードを貰った浦山ダムの兄弟分(いずれも秩父)ですし、藤原といえばこのみ・依子です。まあそんな個人的な話は別として、全体的には立花館らしく騒ぎながら、それでも基軸ははなびの誕生日前夜祭的なニュアンスにありました。
ここで、このみの出番、このみの変化その1です。そもそも、秩父旅行がはなびの誕生日前夜祭的なニュアンスが強くなったのは、はなびが小学校の時のトラウマ(女の子らしいカッコは似合わないと言われたこと)を思い出したせいで秩父旅行をあまり楽しめてないのではと心配して、みんながはなびを元気付けようとしたからです。そして、このみは秩父温泉にはなびを誘い二人っきりになります。もしかすると、ただはなびと一緒に温泉に入りたかっただけなのかもしれませんが、このみは、はなびがいかに女の子らしく可愛いかを力説するうちにスイッチが入り、はなびに迫ったのです。今までは、はなびのラッキースケベはあっても、このみのほうから肉体的に迫っていくことは考えられませんでしたからね。結局はいおり、優、依子に覗かれているのがバレて未遂に終わりましたが、とても安心しました。ここ最近、ちょっとずつの進歩はありながらも、ここまでこのみが積極的になることはなかったですから。
そして本編に戻りますと、今度はこのみの変化その2です。さっきのが肉体的であれば、こちらは精神的です。タンスの整理中、タンスの壁に穴を見つけたはなびが穴を覗くと、その先にはセクシー下着を身に纏ったこのみがおり、見ているうちに壁が抜け、ラッキースケベ被害発生。こんな感じで、話の導入、流れは極めて単純で、いつもの立花館らしい光景なんですよね。しかし、その先が違いました。このみのセクシー下着の格好を他の人に見てほしくないと思ったはなびは(セクシー下着をこのみの性的かつ愛情表現と捉え、それが他の人に向くことを恐れたという意味では、はなびの心が相当このみに向いているという点も要注目)、なぜそんなこのみらしくないセクシー下着を着ていたのかと問います。そして、それに対して、このみが一言。
「はなびお姉ちゃんに見てもらうために決まってんじゃん」
書き下ろしの秩父旅行での肉体的積極性を除けば、6巻までのこのみ像からコペルニクス的な回転で変化したことがわかります。「見てもらいたい」ではなく、「見てもらうために決まってる」んです。全ての他の選択肢を排除して、はなびへの真っ直ぐな想いの存在を強調しています。このような変化を強いたのは、いおりの存在というよりは、はなびが立花館を大学進学を期に去るという可能性です。はなびは、大学進学に際しての退去の可能性をやんわりと否定しつつも、そう否定することによってこのみの積極的なアピールを回避してしまいます(相変わらずこのみといおりへの態度を決めかねているので)。しかし、既に感情が出来上がっているこのみは、更なる行動によって、決定的な変化をもたらしました。それが、キスと告白。
「はなびお姉ちゃんのこと本気だから」
そして、それを目撃したいおり。
次回は相当の荒波になるでしょうね。
このみの変化について俯瞰したわけですが、個人的な感情としては、冒頭の通り、ガチ百合ガールこのみの爆誕に感動してます。本気の恋を覚えたこのみ、可愛いすぎます。
ただ、三角関係においては、現実がどうかは知りませんが、フィクションにおいては先手が負けやすい印象があるので、かなり不安です。このみの悲しむ姿は見たくないです。
全く触れませんでしたが、冒頭に1話、巻末にmerryhachiの初投稿作があります。詳しいことは書きませんが、ゆりゆりハッピーエンドが大好物の私からすると、ちょっといただけませんね。さすがに同様のエンディングが立花館に起こることはあり得ませんが、傾向としてこういう百合が好きなのだとすると、ますますこのみの行く先が不安になります。


カバー裏の背表紙が、6巻からオリジナルじゃなくなってるのですが、これはどういうことなんですかね。このみの髪留めシリーズとか好きなんですけどね。