NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

乃木若葉は勇者である 上下巻 感想

こんにちは、伊吹柚子です。

 

ノベルの感想です。


乃木若葉は勇者である(上下巻)

yushadearu.jp[著者] 朱白あおい [企画原案・構成]タカヒロ

[出版] アスキー・メディアワークス

[あらすじ](上巻)

人気TVアニメ『結城友奈は勇者である』の世界から、300年前。西暦から神世紀へと移行するすべての始まりの時代に生きた初代勇者の物語。『ゆゆゆ』ファン必読の一冊。(KADOKAWAより)

 

 

 

『乃木若葉は勇者である』(のわゆ)は、『結城友奈は勇者である』シリーズの前日譚。

バーテックス襲来のその日、つまりは、この物語の原点とも言えるストーリーを描きます。

 

活字が苦手で、アニメしか観ていない...。そんなものぐさな人、いませんか?

 

かくいう私もそうでした。アニメと、『鷲尾須美は勇者である』ノベルしか読んでいない状態です(それでいて、香川に聖地巡礼しちゃうんですけどね)。

3期でも『楠芽吹は勇者である』と『乃木若葉は勇者である』はある程度映像化されていますから、「別に無理して読まなくても良いんじゃないか?」なんて。

 

ですが、読んでみて思うのは、「読んでみないと、結城友奈は勇者であるの世界観をちゃんと把握するのは難しい」ということです。

結局、のわゆも、くめゆとゆゆゆを合わせての12話ですから、描ける内容には限界がありますよね。

なので、このノベルをしっかり読むことには、「なぜこのような世界が誕生したのか」を正確に十分に理解するには非常に意味があります。

 

今回は、未読の方に、「だったら読んだ方がいいかも?」と思ってもらえるような作品のポイントを書くつもりです。

 

 

 

【ポイント①】物語の起源を知ることができる

 

やはりこれは一番重要ですよね。特にこの手の非現実的作品においては、その起源が読み上げたった数十秒の文章で語られて終わることが多いと思います。

ですが、ゆゆゆにおいては、このわすゆノベルのおかげで、しっかりとその起源が描かれます。

それも、我々が生きた西暦2010年代がスタート地点という、ある種の驚きと親近感を湧かせる設定です。

そして、バーテックス襲来の日、その原因、経過がちゃんと描かれています。

残念ながら、大社(大赦の前身)成立の経緯や、神樹の発現描写などはあまり詳細ではありませんが、そこまで詰めすぎると、逆に神秘性が無くなるのかもしれません。

 

 

【ポイント②】世界観を知ることができる

 

これはポイント①とも重なる部分かもしれませんが、物語の起源だけでなく、そこからゆゆゆの神世紀300年に至るまでの流れが、乃木若葉たちの物語を通して形成され、ちゃんと繋がっていくので、その世界観を理解することができます。

例えば、勇者、勇者システム、神樹、バーテックス、四国とその周辺についてなど、アニメだけでは漠然とした理解しかできなかった部分について、ちゃんと知ることができますね。

言い換えれば、アニメシリーズの補完であるとも言えます。

個人的には、ゆゆゆ時代の「四国の外がウイルスのせいで滅びた」という設定、「四国の外が紅炎に包まれている」という設定がいまいちピンときていなかったので、のわゆを読んで解決できたのが良かったです。

アニメを観ていただけでは知ることの無かった世界観や設定について、知ることができるので、読んで欲しいです。

 

 

【ポイント③】結城友奈たちへの想いを深めることができる

 

わすゆ時代は、人類が初めてバーテックスに襲われた時代。当然、勇者システムは黎明期。皆さんが想像する以上の犠牲が生じます。

乃木若葉は、そういった犠牲と引き換えに、未来に希望を残します。

それゆえ、結城友奈たち(特に、友奈、園子、夏凜)が担うものの大きさを、アニメを観ている以上に実感することができると思います。

 

 

【ポイント④】キャラクターたちについて知ることができる

 

正直、アニメ3期を観ただけじゃ、のわゆのキャラクターを理解できたとは言い難いですよね。

かくいう私も、記憶に残っているのは千景の暴走と死くらいで、球子と杏は誰だかよく分からないまま死んでしまいましたし、若葉、友奈、ひなたもその人格をほとんど理解することができずに終わってしまったという感覚です。

恐らく、ノベルを読まずとも、若葉=勇ましいリーダー、ひなた=若葉の幼なじみの穏やかな巫女、友奈=結城友奈みたい、球子=元気、杏=球子と一緒の穏やかさん、くらいのことはアニメでも伝わってくるかと思われますし、実際、ノベルを読んでも、その通りです。

ですが、この作品において重要なのは、そういったキャラクターたちの個性そのものではなく、彼女たちがそこからどのような生活を送り、どのように戦い、どのように成長してきたかです。そこをしっかりと理解しないことには、のわゆを十分に楽しめたとは言えませんので、ノベルは読むべきだと思います。

現代日本の暗部の被害者みたいな千景の姿はノベルでも相変わらずなのはともかく、球子と杏の死は、アニメだけでは感じることのない悲痛さを味わうことになりますが...

 

 

 

これら4つのポイントから、ゆゆゆファンであれば、活字が苦手でも、耐えて読むべきなのかなと思います。

特に、①ゆゆゆの世界観(設定)を詳しく知りたい人、②大満開の章だけでわすゆを知った気になっている人は、読むべきです。

下巻の怒濤のシリアスに耐え抜いて、読みましょう!

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 描写としては一番淡々としていた杏の死が一番悲痛だった