NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

付き合ってあげてもいいかな 8巻 感想[百合作品]

こんにちは、伊吹柚子です。

 

百合作品の感想です。


付き合ってあげてもいいかな(8巻)

www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる

[出版] 裏少年サンデーコミックス

[あらすじ] 

何もなかった、ことにしたくない
冴子への気持ちに折り合いをつけつつある一方、
環との微妙な距離が気になっている、みわ。
触れたい。気持ちを伝えてしまいたい。
でも…自信がない。このままじゃだめなのに。

「ごめんね、
環ちゃんかわいいんだもん…」

新たな恋に、熱くなる指先と、唇。想い繋がる第8巻!(小学館より)

 

 

 

 

正直な気持ち言いますね。

 

ここまで長かった......!

 

当初からお話してる通り、私は8巻まで読み終えてから、このシリーズの感想記事もどきを書き続けてます。

そうなると、作品の分析ができる1巻2巻は相当の熱量で書くとしても、それ以降のみわは別れたり志帆にフラれたり闇落ちしたりで、冴子も優梨愛とわりと順調におだやかに恋愛を進めていくもんですから、分析も感想も大きく盛り上がらず、中途半端になってしまうんですよねぇ。

それでも、この8巻までたどり着いて、ようやく大盛り上がりできます。

はい、みわと環が存分に立てたフラグ、回収されます。

 

 

ですが、物語の冒頭は、冴子の優梨愛のおうちデートの続きです(前回はみわと環の激アツフラグ立てまくりのほうにばっかり目を向けていたので、ほとんど触れませんでしたが...)。

二人でお風呂に入って、妹と妹の彼氏と同じくらい冴子は大切な存在だと優梨愛が言ったり、高校ではいじめに近いようなからかいを受けて学校に行けなくなってしまったと優梨愛が明かしたり、セックスと呼べない代物でも十分に戯れに多幸感を感じたり。

まあとにかく、みわとの波乱の関係は何だったのだろうと思うくらい、関係が深く、充実してます。

それも、みわと優梨愛の本質的な違いはともかくとして、やはり、「愛」の有無が大きいのでしょうね。

 

 

さて、みわ、冴子、そして、いつの間に入部してたの?な環たち3人は、部活の合宿へ。

早速、料理中の戯れで、みわは環にデレデレですが。

一方で、告白まがいの言葉があったのに、何事もなく接してくる環にモヤったり。

他の女子といっしょに男子の部屋に遊びに行っちゃう環に更にモヤったり。

そんでもって、部屋でみんなと遊んでる環とすれ違って、目が合っても逸らしてみちゃったり。

相変わらずの、みわらしいムーブというか、気の持ちようというか。

 

ですが、そこはクールでハッキリ、行動力もある環。

目を逸らして去って行くみわを追いかけて、「ついて行っちゃおうかな~」と。

みわは思わず、どうせ好きに行動できるなら、男子の部屋に行かず、1年女子の集まる私の部屋に来て欲しかったと拗ねます。

すると、環は、

「わざとやったって言ったら、みわ先輩怒ります?」

「もう少し、察してくれてもいいんですよ...?」

と。

 

私は思いました。

1に、尊死するわ!と。

2に、これが冴子との違いかな~と。

2については、みわと上手く付き合うには、冴子も環もそうであるように、やはり行動力というか、ハッキリとした性格が必要なのだろうなと思うんですよね。ですが、その上で冴子になくて環にあるのは、こういうロマンチックな思わせぶりというか、「これが恋だ!」と言わんばかりの振る舞いというか、そういうものだと思います。それが良いとかどうかではなく、みわに合っている。

 

みわ、もうほとんど確信で、ドキドキ。

でも結局自室に行っても、冴子も合わせての3人の空間でちょっぴり残念。

冴子と環が盛り上がってて蚊帳の外なので、思わず寝ちゃうわけですが、ふと目が覚めると、環に頭をなでられている。みわ、思わず寝たふり。

それを良いことに環は、冴子と話しつつも寝たふりのみわに聞こえるように、彼氏と別れたから仮面浪人はやめると言ったり、実は今気になっているのは完(同じサークルの先輩男子)であると嘘をついてみたりして、みわを揺さぶります。

そして。

冴子がトイレに行った隙に、寝たふりみわに「バレてるぞ」宣告をし、驚いて飛び起きたみわに。

 

キスします。

 

 

はい。

 

もう分析みたいなことはせず、本当にただただ感想(感情)を書き連ねてます。

 

 

翌日、冴子にもこの環とのイチャつきはバレており、告白を勧められます。

その後、環と再会したみわは、その流れでまたひとイチャつきして。

合宿所の往来で昨日以来のキスをして、それを繰り返して。

ようやく。

 

みわ「好き。環ちゃん...」

 

告白する自信がなかったというみわに、環は、

 

環「だったらあたしから言ったげる。先輩好き。付き合って。あたしを彼女にして」

 

 

冒頭、冴子と優梨愛には相互の愛があるから上手くいっているという話をしましたが。

こちらも結局は、相互の愛が成立したことで、綺麗にカップル成立となったわけですね。

「当たり前じゃん」と言われそうですけど、再三申し上げているように、この作品はリアルラブコメディですから、そんな単純な話ではないんですよね。みわと冴子が上手くいかなかっただけで、両方に大した愛のないカップルなんてごまんと存在するでしょうし、それが長続きしていることもあるでしょう。

その中で、みわも冴子も、愛が大切だったという。理由はなんであれ、好きになる気持ちが大切だという。そういうことです。

みわが環に惚れた理由がもっぱら「可愛い」なのが先々ちょっと心配ですけど、まあ顔だけじゃなく中身も可愛いということなので、大丈夫でしょう。

 

 

さて、お互い、元カノに彼女ができたということで。

特に、愛をもらえずフッた側の冴子には、みわ以上に思うところがあるようですが、とりあえずはひとまず心に波風立たずに受け入れられそうだという。

そして、徐々に優梨愛からの求めに応じてもいいかな、なんて思ったり。

 

 

みわと環は、初デートへお出かけ。

それでも早速、自分のためだけに仮面浪人をやめてほしいとは言えないみわの難儀な性格で環を拗ねさせてしまいますが、そこはしっかり惚れてからの付き合いということで。

そんなみわだから好きになったんだ、と言う環。

 

そして、みわとの交際を隠してサークル内で振る舞うことに自信が持てない環は、決心して、仲間たちにみわとの交際を打ち明け。

1人から嫌悪感を示されるも(むしろ、1人しか居ないのがリアリティ追求型の作品にしては珍しいですが)、そこは環の性格が功を奏して解決し。

それでも心が疲れた環は、みわに甘えて、みわの家へ。

意識しちゃうみわをけしかけて......

 

そんな感じで、8巻は期待を残して終わりましたね。

 

 

私も何回も読んでしまうくらい、とにかくこの激アツなみわと環のラブストーリー。

冴子は「愛されたい」を満たしてくれる彼女を見つけ、みわは「愛せる」彼女を見つけて。

感情的にも構造的にも、もはやこれで完結では?という感じではあるんですけど。

やはり、みわと冴子の2人が軸なこの作品。

 

みわに対してアッサリとした態度をとる冴子に、みわがモヤっとしたり。

マッチングアプリにせよ環にせよ、みわが誰かと愛し合おうとすると、冴子にはどこか思うところがあったり。

優梨愛と邂逅し、そこで優梨愛と幸せそうにする冴子を初めて直接見て、みわがなんとも言えない反応を見せたり。

 

まだまだ、わからないなという感じですよね。

なにせ、「みわが冴子を愛する」というこの1ピースさえ成立してしまえば、動く歯車はあるわけですから。

私は現実世界での「よりを戻す」に良いイメージがないので、正直なんとも言えません。

ただ、現実世界では「相手が愛してくれなかったけど、愛してくれるようになったので、よりを戻しました」というのがあり得ないような気はしています。それこそ二次元であれば成立するかもですが。

 

何はともあれ、誰かが不幸になるような姿は見たくないですし、今はみわと環のイチャイチャを楽しみたいなって感じです。

 

 

今回は最後に、恋愛周りの今までの事象などをキャラ別に整理しておこうかなと思います。

 

①みわ

高校時代に志帆に片想い:恋愛とかよくわからない中、志帆と過ごす中で、その中身に惹かれて、同性愛を自認すると共に、志帆に恋する

冴子と付き合う:冴子に交際を提案される。恋心はないが好きな友達だから、という状態が続き、結果フラれる。

闇落ち:世間体を理由にフラれて、闇落ち。冴子とセフレ関係になって心を潰す始末。

環と付き合う:志帆に似ているというきっかけではあったが、大きな下心はなく世話を焼いた結果、惚れられアプローチされ、好きになってしまう。告白は自分からしたが、交際は環から。

 

②冴子

高校時代のトラウマ:同性愛を理由にいじめられる。

みわと付き合う:スタイル抜群の美人の同性愛者というみわのプロフィールを気に入ったところからのノリでの交際開始だったが、途中から本気で好きになってしまう。しかし、みわがいつまでも自分を好きになってくれないままなのに堪えられずフる。

優梨愛と付き合う:バイト仲間だった優梨愛のほうが先に惚れた形だが、自分の弱味を見せられて、しかも受け入れてくれる優梨愛にどこか心惹かれる部分があり、優梨愛のうっかり漏れた告白を受けて交際。

 

③志帆

高校時代にみわから惚れられる:志帆自体はノンケで、みわからの恋心にも気づいていなかった。それでも、恋心はないにせよ、みわにキスしてしまおうとするくらいの想いはあった。

みわから告白を受ける:同窓会で再会し、その後、居住する沖縄に来たみわから告白を受ける。付き合うことに生理的な抵抗はなくも、これまで実家で家族から虐げられてきたことも影響し、同性愛に向けられる世間の目に堪えられないという理由でフる。

 

④優梨愛

冴子とバイトで出会う:この頃はお互い、恋愛感情はもちろんない。

女性と付き合う:優梨愛自身はノンケだが、女性から告白され付き合う。生理的抵抗はなくも、相手の浮気で破局

冴子と付き合う:破局後、冴子とのやりとりの中で冴子の人間性に惚れ、後に告白。

 

⑤環

みわとサークルの新歓で出会う:環はノンケで彼氏持ち。このときは仮面浪人。

彼氏に振られる:フラれて泣いているところをみわに見つかり、みわの家で慰めて貰い、その流れでみわに興味を持つ。

みわに惹かれる:みわとの付き合いで人間性に惹かれていき、みわが同性愛者であると知ってから加速し、ついには、付き合ってもいいと告げるまでになる。

みわと付き合う:キスでけしかけてその気にさせ、みわから「好き」の言葉を引き出したところで、自分から交際を申し込む。

 

 

 

それと、時系列もいつも通り。

 

・冴子、優梨愛とおうちデート。本音で過去を語り合う。

・サークルの合宿へ。

・料理中に、みわと環がイチャつく。

・環が1年女子の集まるみわの部屋ではなく、他の女子と男子の部屋へ行ってしまったことに、みわが拗ねる。

・ほどなくしてすれ違ったみわに、環は「わざとやった」「(なぜそんなことをしたか)察して欲しい」という。

・結局環は、冴子とみわの部屋へ。冴子がいないタイミングで、環が突然、みわにキスをする。

・呆けていたみわだったが、翌日、感づいていた冴子から、環に告白するよう勧められる。

・環と会って二人きりになったみわは、再びキスをする流れで告白。告白に自信がないというみわに対し、環のほうから交際を申し込む。

・みわと環が付き合っていることを知った冴子。ひとまず自分の心に波風が立たないことを安心する。

・みわと環の初デート。環はみわのために仮面浪人をやめようとするが、みわは環自身のために選択するべきと言う。環は拗ねるが、みわのそんな性格が好きだから、と気を持ち直す。

・みわ、ライブで優梨愛と邂逅。冴子と優梨愛のツーショットを始めて見て、思うところあり。

・環、サークルメンバーに、みわとの交際をカミングアウト。1人から嫌悪感を示されるも、なんとか解決。

・環がみわの部屋へ。

 

 

 

以上。

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 報われないキャラを好きになってしまうタイプ