NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

2DK、Gペン、目覚まし時計。 3巻 紹介[百合作品]

こんにちは、湊柚子です。

百合作品の感想です。


2DK、Gペン、目覚まし時計。(3巻)

[著者] 大沢やよい

[出版] 百合姫コミックス

[あらすじ] 黒髪+巨乳+低身長というまさに「オタサーの姫」城山恋由姫17歳(19歳)は、並みいる壁サークルの人気作家を手玉に取る「壁サーの姫」。しかしそんな彼女には、ブスでデブでイジメられっ子という暗い過去があった…。それでも毎日マンガを描いていれば幸せだった。すっかり垢抜け(デビューし)た恋由姫が得たものと失ったもの。全てを失って絶望の淵に堕ちた彼女を救うものは。普段はぐーたらでのほほんとした藤村かえでは、意を決して恋由姫のもとへ走る――。(Amazonより)



かえで、"オタサーの姫"を救う。

2巻は大体が奈々美側の話で構成されていたのに対して、3巻は大体がかえで側の話です。かえでをライバル視する大学生の城山恋由姫が中心ですが、奈々美とかえでの関係もひっそりと変わります。

恋由姫は、典型的なオタサーの姫。現状からして典型的と言えるのですが、オタクとしての過去もわりと典型的ではないでしょうか(個人的なイメージ)。しかし、そういう大枠は典型的ではありながら、実質は典型的ではないのです。漫画への想いが熱すぎるゆえ、周囲の人間に裏切られ捨てられ、漫画以外を失ったことで、自分の価値を必死に高めようとした結果が、オタサーの姫としての姿。本人にそのつもりはないかもしれませんが、私にはそれがある種の「周囲への復讐」に思えます。ですから、それなりに付き合いのあるかえでもあくまで「蹴落とす」ライバルでしかなかった。
そんな中、かえでが雑誌掲載を勝ち取り、恋由姫が落ちます。更に、狙っていたサークルの男性の婚約発表。追い討ちをかけるように、高校時代に自分のことをバカにしていたクラスメイトに遭遇して再びバカにされる。これだけの仕打ちがあれば、恋由姫が全く漫画を描けなくなるのも仕方ないですが、そんな恋由姫を見捨てなかったのがかえで。引きこもり、すっかりかつての姿に堕ちた恋由姫のもとへ乗り込み、雑誌掲載する作品を恋由姫に読ませ、本当に大切なことに気づかせました。
かえでがこれまで恋由姫に救ってもらっていただけでなく、恋由姫もかえでに救われることになった。良い関係ですね。かえでと恋由姫の百合度はそんなに高くないですけど、奈々美とかえでの同居生活にもかなり影響力を持っていると思います。かえでの進歩があって、奈々美との関係も変わりますから。

恋由姫の回はフツーに良い話という感じで、百合的な視点で言えば、奈々美とかえでの外食の話。二人が過ごす場が外になったことで、奈々美は意外と知らないかえでの事実に、新たな刺激を受けた様子。かえでの外見に対するテンションが今までとは違います(好みじゃない→様々な感想、感情が湧いてくる)。しかも、電車の揺れによろけたかえでを支えた時などは、照れ顔。これはいよいよでしょうか。

以上のようにまとめてみると、かえでを見直す良いきっかけとなる回だったなと思います。とりあえず2巻で谷原侑子、3巻で城山恋由姫に触れたところで、4巻は本筋の奈々美×かえでの関係について分厚く描かれるのかと期待します。


次回は4巻です。実は、1-4巻までは既に読み終えているのですが、4巻では奈々美に負けず劣らずの良いオンナが登場します。奈々美だけでなく、私の心まで揺さぶられました。今すぐでも感想/紹介書きたいところですが、万全の体制で書きたいので、また後日。