NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

合格のための! やさしい三角関係入門 1~2巻 感想[百合作品]

こんにちは、伊吹柚子です。

 

百合作品の感想です。


合格のための! やさしい三角関係入門(1~2巻)

comic-walker.com

[著者] 缶乃

[出版] 電撃コミックスNEXT

[あらすじ] (1巻)

それはひとりでも、ふたりでもなく、私たち三人の物語――。

元バスケ部の中学3年生・真幸は、憧れの先輩・あきらが進学した桜智高校を目指して勉強中。
けれどテストのたびに赤点で涙を流す彼女にとって、進学校の桜智に合格するのは夢のまた夢。
その様子を見かねた真幸の母は、知人の娘だという桜智の学生・凛を真幸の家庭教師として家に呼ぶ。
真幸と凛はすぐに意気投合するが、実は真幸が憧れるあきらと凛には関係があって……!?

『あの娘にキスと白百合を』の缶乃が描く完全新作!
女の子だけの、新提案三角関係ラブストーリー!! (Amazonより)

 

 

 

納得いかない...!

 

正直なところ、この作品の感想を聞かれたら、これに尽きますね。

****************!WARNING!****************

重々承知していただきたいのは、批判するつもりは全くないということです。

と言うのも、この作品は打ち切りだったとの噂がありますから(たった2巻で終わってしまいましたしね)、下手すると、「打ち切りも相当」と言えるような作品だと勘違いされてしまうので。

***************************************

缶乃先生のイラストやストーリー構成力、キャラクターの魅力を考えると、やはりこの作品の終わり方に私はあまり納得がいっていないんですよね。

もちろん、タイトルからして三角関係になるのはわかりますし、皆さんお察しの通り、「双方向型三角関係」(A⇔B⇔C⇔A)になるのも致し方ないんです。

(※双方向型三角関係という言葉は、自分で考えました)

ただ、そうするには、明らかに2巻程度じゃ不十分だなと感じるんです。

 

ストーリーに沿って追っていくより、キャラクター分析を元に考えていくのがわかりやすいかなと思うので、キャラクターから見ていきます。

当然ですけど、事実以外は全部主観です。

 

<Girl1>

雪下真幸(Yukishita Mayuki)

物語の軸として描かれる。中3。純粋無邪気。

幼なじみで憧れの「花巻あきら」が好きで、いつかは告白したいと言っているが、描かれ方は、憧れの延長に近い。あきらと同じ高校に進学すると決意したが、学力不足ということで、母親が依頼した家庭教師が「望月凜」。

凜にも憧れた真幸は、あきらの理想の女性となるべく、凜にキスのやり方を教えて貰う。以降、勉強を教えて貰う傍ら、好きな人がいるにも関わらず事あるごとにキスを繰り返す関係を築き、あきら関係でも教示を貰う。

ポイントは、「あきらと凜の関係を知らない」「あきらと凜の気持ちを知らない」こと。

 

<Girl2>

望月凜(Mochiduki Rin)

三角関係の軸として描かれる。高1。裏表がありそうでない見た目そのままタイプ。

元々、友情恋愛に優劣をつけたくないタイプ(端的に言えば、「好きな人って一人じゃなくちゃダメなのかな」)だったが、中学時代に三角関係で苦しんだ(仲良し3人組の自分以外2人から好意を寄せられたことから関係が破綻した)ことで、益々恋愛を苦手とする。しかし、家庭教師として任された真幸と出会ったことが転機に。キスを教えてほしいとせがまれてキスをしたり、自分の苦しんだ経験を理解してもらえたことで、真幸を好きになってしまう。

一方で、あきらは高校のクラスメート。自分のことを理解してくれていると思っており、優劣はともかく、大切な友達と考えている。

ポイントは、「真幸の好きな人があきらだと知らない」「あきらが自分に好意を寄せていることを知らない」こと。

 

<Girl3>

花巻あきら(Hanamaki Akira

三角関係の最後のピース。高1。わりと独占欲高めなスポーツ少女。

真幸の幼なじみで、何かと世話を焼いてきた。

凜とは、高校で出会ったが、ほぼ一目惚れに近い。あきら自身は、恋愛を軽視しているわけではないが、あまりピンとくる人はいなかった。その一方、恋人にとって自分が何よりも一番でいてほしいという若干のヤンデレピュア思考で、凜を好きになってからは、なんとか凜の一番であろうとしている。

ポイントは、「凜がキスをした相手、かつ、好意を寄せている相手が真幸だと知らない」「真幸が自分に好意を寄せていることを知らない」こと。

 

 

こんな感じです。

つまり、恋愛感情は、真幸⇒あきら⇒凜⇒真幸という方向です。

これらの関係は、ラストパートまでに、次のような展開をたどります。

 

真幸⇔あきら:真幸はアタックする機会を逸するが、凜と真幸を引き離したいあきらの思惑が功を奏して、あきらとキスし、好意が伝わる。一方のあきらは、動揺はするが、気持ちに大きな変化はない。

あきら⇔凜:あきらは凜に告白するが、フラれる。このフッた理由がポイント。凜としては、「あきらと友達以上になってもいいが、それだと真幸の幸せが叶えられない」と考えている。

凜⇔真幸:凜は真幸への恋心を自覚するも、自分が付き合う云々には全く触れず、真幸が幸せになることばかりを考える。そんな中、真幸の好きな人があきらで、あきらが好きな人が自分だとわかり、逃亡。真幸は、あきらへの想いに変化はないが、凜との関係にドキドキする。

 

そして、結論は前述の通り、凜を見捨てるわけにはいかず、お互いを好き同士として扱い、双方向型三角関係を形成するエンディングです。凄いあっさり書きましたけど、ホントに、これだけなんですよね。

感想記事としては、ここまでの流れをもっと分厚く書くべきなんでしょうが、結論がこれなんで、キャラクター分析を分厚く書かせて頂きました。

 

いかがでしょうか。

分析やストーリー紹介を終えたところで、本題に戻りましょう。

私の納得いかない気分が伝わりましたでしょうか。

 

たぶん伝わらないと思うので、更にポイントを追加すると、

「凜はあくまで真幸の幸せを考えている」

「凜にはあきら以外の特筆すべき友人がいない」

ということです。

 

つまり、凜は、「結局真幸のことしか目に入っていないのでは?」と思うんですよね。

もちろん、「あきらと友達以上になってもいい」というのは嘘ではないでしょう。

ただそれは、「(恋愛感情を除けば)あきら以外の重要な存在がいない」ということを担保して生じる思考であって、あくまで凜の軸は「真幸の幸せを阻害する要素(=ここでは、あきらと恋人になること)は排除したい」ということなんですよね。

もっと言ってしまえば、この「あきらと友達以上になってもいい」という思考は、もはや、缶乃先生が三角関係を成立させるために与えたにすぎないものだと思うんです。

読んでみればわかりますが、凜って、明らかに真幸にしか恋愛感情を抱いていないんですから。

 

そして、双方向型三角関係に必要な逆方向の感情(真幸⇒凜⇒あきら⇒真幸)を見ても、今後の恋愛感情への発展を期待できそうなのが、真幸⇒凜くらいなんですよね。

特に、あきら⇒真幸に恋愛感情を見いだすのはかなり無理があります。

 

以上を踏まえて、改めて、いかがでしょうか。

私の納得いかない気分が伝わりましたでしょうか。

 

つまり、私としては、真幸と凜が両想いになって、あきらには身を引いて貰うのが一番では、と思ってしまうんですよね。

あるいは、あきらと真幸の関係だけは一方通行にしたままで、「あきら⇒凜⇔真幸⇒あきら」で良かったのではないかと思います。

 

 

私の納得いかない気分を理解していただけたかどうかは怪しいですが、ともかく、納得は言っていないということはしっかりお伝えしたかった次第です。

そして、そう思ってしまうのは、もちろんこの作品が素晴らしいからこそだということも、改めてご承知いただきたいです。

たぶん、ちゃんと話数稼げれば、あきら⇒真幸、真幸⇒凜ももっと深く描けたはずなので。

 

 

以上。

 

 

 

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伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 凜が報われるのが王道では?という個人的感情は否めない