付き合ってあげてもいいかな 8巻 感想[百合作品]
こんにちは、伊吹柚子です。
百合作品の感想です。
付き合ってあげてもいいかな(8巻)
www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる
[出版] 裏少年サンデーコミックス
[あらすじ]
何もなかった、ことにしたくない
冴子への気持ちに折り合いをつけつつある一方、
環との微妙な距離が気になっている、みわ。
触れたい。気持ちを伝えてしまいたい。
でも…自信がない。このままじゃだめなのに。
「ごめんね、
環ちゃんかわいいんだもん…」
新たな恋に、熱くなる指先と、唇。想い繋がる第8巻!(小学館より)
正直な気持ち言いますね。
ここまで長かった......!
当初からお話してる通り、私は8巻まで読み終えてから、このシリーズの感想記事もどきを書き続けてます。
そうなると、作品の分析ができる1巻2巻は相当の熱量で書くとしても、それ以降のみわは別れたり志帆にフラれたり闇落ちしたりで、冴子も優梨愛とわりと順調におだやかに恋愛を進めていくもんですから、分析も感想も大きく盛り上がらず、中途半端になってしまうんですよねぇ。
それでも、この8巻までたどり着いて、ようやく大盛り上がりできます。
はい、みわと環が存分に立てたフラグ、回収されます。
ですが、物語の冒頭は、冴子の優梨愛のおうちデートの続きです(前回はみわと環の激アツフラグ立てまくりのほうにばっかり目を向けていたので、ほとんど触れませんでしたが...)。
二人でお風呂に入って、妹と妹の彼氏と同じくらい冴子は大切な存在だと優梨愛が言ったり、高校ではいじめに近いようなからかいを受けて学校に行けなくなってしまったと優梨愛が明かしたり、セックスと呼べない代物でも十分に戯れに多幸感を感じたり。
まあとにかく、みわとの波乱の関係は何だったのだろうと思うくらい、関係が深く、充実してます。
それも、みわと優梨愛の本質的な違いはともかくとして、やはり、「愛」の有無が大きいのでしょうね。
さて、みわ、冴子、そして、いつの間に入部してたの?な環たち3人は、部活の合宿へ。
早速、料理中の戯れで、みわは環にデレデレですが。
一方で、告白まがいの言葉があったのに、何事もなく接してくる環にモヤったり。
他の女子といっしょに男子の部屋に遊びに行っちゃう環に更にモヤったり。
そんでもって、部屋でみんなと遊んでる環とすれ違って、目が合っても逸らしてみちゃったり。
相変わらずの、みわらしいムーブというか、気の持ちようというか。
ですが、そこはクールでハッキリ、行動力もある環。
目を逸らして去って行くみわを追いかけて、「ついて行っちゃおうかな~」と。
みわは思わず、どうせ好きに行動できるなら、男子の部屋に行かず、1年女子の集まる私の部屋に来て欲しかったと拗ねます。
すると、環は、
「わざとやったって言ったら、みわ先輩怒ります?」
「もう少し、察してくれてもいいんですよ...?」
と。
私は思いました。
1に、尊死するわ!と。
2に、これが冴子との違いかな~と。
2については、みわと上手く付き合うには、冴子も環もそうであるように、やはり行動力というか、ハッキリとした性格が必要なのだろうなと思うんですよね。ですが、その上で冴子になくて環にあるのは、こういうロマンチックな思わせぶりというか、「これが恋だ!」と言わんばかりの振る舞いというか、そういうものだと思います。それが良いとかどうかではなく、みわに合っている。
みわ、もうほとんど確信で、ドキドキ。
でも結局自室に行っても、冴子も合わせての3人の空間でちょっぴり残念。
冴子と環が盛り上がってて蚊帳の外なので、思わず寝ちゃうわけですが、ふと目が覚めると、環に頭をなでられている。みわ、思わず寝たふり。
それを良いことに環は、冴子と話しつつも寝たふりのみわに聞こえるように、彼氏と別れたから仮面浪人はやめると言ったり、実は今気になっているのは完(同じサークルの先輩男子)であると嘘をついてみたりして、みわを揺さぶります。
そして。
冴子がトイレに行った隙に、寝たふりみわに「バレてるぞ」宣告をし、驚いて飛び起きたみわに。
キスします。
はい。
もう分析みたいなことはせず、本当にただただ感想(感情)を書き連ねてます。
翌日、冴子にもこの環とのイチャつきはバレており、告白を勧められます。
その後、環と再会したみわは、その流れでまたひとイチャつきして。
合宿所の往来で昨日以来のキスをして、それを繰り返して。
ようやく。
みわ「好き。環ちゃん...」
告白する自信がなかったというみわに、環は、
環「だったらあたしから言ったげる。先輩好き。付き合って。あたしを彼女にして」
冒頭、冴子と優梨愛には相互の愛があるから上手くいっているという話をしましたが。
こちらも結局は、相互の愛が成立したことで、綺麗にカップル成立となったわけですね。
「当たり前じゃん」と言われそうですけど、再三申し上げているように、この作品はリアルラブコメディですから、そんな単純な話ではないんですよね。みわと冴子が上手くいかなかっただけで、両方に大した愛のないカップルなんてごまんと存在するでしょうし、それが長続きしていることもあるでしょう。
その中で、みわも冴子も、愛が大切だったという。理由はなんであれ、好きになる気持ちが大切だという。そういうことです。
みわが環に惚れた理由がもっぱら「可愛い」なのが先々ちょっと心配ですけど、まあ顔だけじゃなく中身も可愛いということなので、大丈夫でしょう。
さて、お互い、元カノに彼女ができたということで。
特に、愛をもらえずフッた側の冴子には、みわ以上に思うところがあるようですが、とりあえずはひとまず心に波風立たずに受け入れられそうだという。
そして、徐々に優梨愛からの求めに応じてもいいかな、なんて思ったり。
みわと環は、初デートへお出かけ。
それでも早速、自分のためだけに仮面浪人をやめてほしいとは言えないみわの難儀な性格で環を拗ねさせてしまいますが、そこはしっかり惚れてからの付き合いということで。
そんなみわだから好きになったんだ、と言う環。
そして、みわとの交際を隠してサークル内で振る舞うことに自信が持てない環は、決心して、仲間たちにみわとの交際を打ち明け。
1人から嫌悪感を示されるも(むしろ、1人しか居ないのがリアリティ追求型の作品にしては珍しいですが)、そこは環の性格が功を奏して解決し。
それでも心が疲れた環は、みわに甘えて、みわの家へ。
意識しちゃうみわをけしかけて......
そんな感じで、8巻は期待を残して終わりましたね。
私も何回も読んでしまうくらい、とにかくこの激アツなみわと環のラブストーリー。
冴子は「愛されたい」を満たしてくれる彼女を見つけ、みわは「愛せる」彼女を見つけて。
感情的にも構造的にも、もはやこれで完結では?という感じではあるんですけど。
やはり、みわと冴子の2人が軸なこの作品。
みわに対してアッサリとした態度をとる冴子に、みわがモヤっとしたり。
マッチングアプリにせよ環にせよ、みわが誰かと愛し合おうとすると、冴子にはどこか思うところがあったり。
優梨愛と邂逅し、そこで優梨愛と幸せそうにする冴子を初めて直接見て、みわがなんとも言えない反応を見せたり。
まだまだ、わからないなという感じですよね。
なにせ、「みわが冴子を愛する」というこの1ピースさえ成立してしまえば、動く歯車はあるわけですから。
私は現実世界での「よりを戻す」に良いイメージがないので、正直なんとも言えません。
ただ、現実世界では「相手が愛してくれなかったけど、愛してくれるようになったので、よりを戻しました」というのがあり得ないような気はしています。それこそ二次元であれば成立するかもですが。
何はともあれ、誰かが不幸になるような姿は見たくないですし、今はみわと環のイチャイチャを楽しみたいなって感じです。
今回は最後に、恋愛周りの今までの事象などをキャラ別に整理しておこうかなと思います。
①みわ
高校時代に志帆に片想い:恋愛とかよくわからない中、志帆と過ごす中で、その中身に惹かれて、同性愛を自認すると共に、志帆に恋する
冴子と付き合う:冴子に交際を提案される。恋心はないが好きな友達だから、という状態が続き、結果フラれる。
闇落ち:世間体を理由にフラれて、闇落ち。冴子とセフレ関係になって心を潰す始末。
環と付き合う:志帆に似ているというきっかけではあったが、大きな下心はなく世話を焼いた結果、惚れられアプローチされ、好きになってしまう。告白は自分からしたが、交際は環から。
②冴子
高校時代のトラウマ:同性愛を理由にいじめられる。
みわと付き合う:スタイル抜群の美人の同性愛者というみわのプロフィールを気に入ったところからのノリでの交際開始だったが、途中から本気で好きになってしまう。しかし、みわがいつまでも自分を好きになってくれないままなのに堪えられずフる。
優梨愛と付き合う:バイト仲間だった優梨愛のほうが先に惚れた形だが、自分の弱味を見せられて、しかも受け入れてくれる優梨愛にどこか心惹かれる部分があり、優梨愛のうっかり漏れた告白を受けて交際。
③志帆
高校時代にみわから惚れられる:志帆自体はノンケで、みわからの恋心にも気づいていなかった。それでも、恋心はないにせよ、みわにキスしてしまおうとするくらいの想いはあった。
みわから告白を受ける:同窓会で再会し、その後、居住する沖縄に来たみわから告白を受ける。付き合うことに生理的な抵抗はなくも、これまで実家で家族から虐げられてきたことも影響し、同性愛に向けられる世間の目に堪えられないという理由でフる。
④優梨愛
冴子とバイトで出会う:この頃はお互い、恋愛感情はもちろんない。
女性と付き合う:優梨愛自身はノンケだが、女性から告白され付き合う。生理的抵抗はなくも、相手の浮気で破局。
冴子と付き合う:破局後、冴子とのやりとりの中で冴子の人間性に惚れ、後に告白。
⑤環
みわとサークルの新歓で出会う:環はノンケで彼氏持ち。このときは仮面浪人。
彼氏に振られる:フラれて泣いているところをみわに見つかり、みわの家で慰めて貰い、その流れでみわに興味を持つ。
みわに惹かれる:みわとの付き合いで人間性に惹かれていき、みわが同性愛者であると知ってから加速し、ついには、付き合ってもいいと告げるまでになる。
みわと付き合う:キスでけしかけてその気にさせ、みわから「好き」の言葉を引き出したところで、自分から交際を申し込む。
それと、時系列もいつも通り。
・冴子、優梨愛とおうちデート。本音で過去を語り合う。
・サークルの合宿へ。
・料理中に、みわと環がイチャつく。
・環が1年女子の集まるみわの部屋ではなく、他の女子と男子の部屋へ行ってしまったことに、みわが拗ねる。
・ほどなくしてすれ違ったみわに、環は「わざとやった」「(なぜそんなことをしたか)察して欲しい」という。
・結局環は、冴子とみわの部屋へ。冴子がいないタイミングで、環が突然、みわにキスをする。
・呆けていたみわだったが、翌日、感づいていた冴子から、環に告白するよう勧められる。
・環と会って二人きりになったみわは、再びキスをする流れで告白。告白に自信がないというみわに対し、環のほうから交際を申し込む。
・みわと環が付き合っていることを知った冴子。ひとまず自分の心に波風が立たないことを安心する。
・みわと環の初デート。環はみわのために仮面浪人をやめようとするが、みわは環自身のために選択するべきと言う。環は拗ねるが、みわのそんな性格が好きだから、と気を持ち直す。
・みわ、ライブで優梨愛と邂逅。冴子と優梨愛のツーショットを始めて見て、思うところあり。
・環、サークルメンバーに、みわとの交際をカミングアウト。1人から嫌悪感を示されるも、なんとか解決。
・環がみわの部屋へ。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 報われないキャラを好きになってしまうタイプ
付き合ってあげてもいいかな 7巻 感想[百合作品]
こんにちは、伊吹柚子です。
百合作品の感想です。
付き合ってあげてもいいかな(7巻)
www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる
[出版] 裏少年サンデーコミックス
[あらすじ]
変わりたい。臆病な自分から。
すれ違っていた互いの気持ちを理解して、
ようやく執着を手放すことができたみわと冴子。
新たな恋の芽吹きを胸に、
枝分かれした道を一歩ずつ進んでいく――
「もう好きじゃないよ。
…って、あたしは思ってるけど。」
あなたじゃない人に心高鳴り救われる、新展開の第7巻!(小学館より)
一進一退しながらも、ドキドキな展開が進んでいく二組のカップル...
非常にワクワクしますよこの巻は!!!
ちなみに、私の脳内では勝手にCV.鈴木亜利沙さん(NEW GAME!!の紅葉役。環は低音ボイスらしいので、実際は違いそうですけど)で環の声が再生されてます。
そんな7巻は、やはり所々にみわと冴子の関係について散りばめられつつ、冴子と優梨愛の関係の進展、そして、みわと環の関係の進展が中心になります。
さて、前巻の最後で、街で泣いている環と遭遇したみわは、環をうちにお誘いします。
その描写、たったの14ページだったのですが、結構激アツでしたね。
環が彼氏にフラれた(=環はノンケさん)
→みわが過去の恋愛話をする(同性愛は伏せて)
→環、みわに興味津々でニッコニコ(年下はタイプじゃないみわも思わずたじろぐ可愛さ)
フラグしかないですわね~~~~
というのも束の間、みわはマッチングアプリで出会った女性と初対面。
3人もお相手候補がいて(男性店長はハナから有力候補ではないですが)、歪だな~って感じですけど、環と出会う前にマッチングしてたみたいなので、リアリティでは致し方なし。
心配になった冴子とバンドメンバーがこっそり監視してましたけど、どうやら上手くいった様子(ってことになってます)。
みわが遠くに別物になっていくような感覚を覚えつつも、冴子は、優梨愛とおうちデートへ。
いつものようにイチャイチャ~となって、いよいよか~となったら、優梨愛、まさかのセックス拒否。
優梨愛は自宅にあげるのも拒否でセックスも拒否。冴子もさすがにビビるけれど、なんと上手いことみわとの関係の反省を活かして、正直なところの気持ちを言い合うことに成功。結局、優梨愛が家もセックスも拒否したのは、特別な理由もなく、ただ不安だったり恥ずかしかったりというだけ。
(みわの時もこのくらいアッサリ解決できれば良かったのにね~なんて思いますけど、まあ、みわの場合はそもそも愛がなかったので...)
しかし、優梨愛さん、なんと冴子と同じタイプでした。「抱かれるのは無理っぽいけど、抱きたいな~」タイプ。3巻の時に、冴子の変化がみわ特有なのか、他の女の子相手でもそうなるのか問題提起しましたけど、さて、冴子は堪えて優梨愛に抱かせてあげようとするのでしょうか。
冴子が頭を悩ませるのと同時期に、みわもなぜか落ち込んでいるってことで、今度はみわのほうが環に恋愛相談。
みわのお悩み「アプリの女性からホテルに誘われ、断ったら音信不通になった~」
環「ヤリ目でしょうね~」
読者(いやむしろなんで気づかないんだみわ...)
これだけでも面白いやりとりですけど、ここに来て、みわがうっかり同性愛カミングアウト。
すると環は、同性愛者を攻撃する人たちのほうがおかしいのだと言わんばかりに受け止めただけでなく、みわに、「あたしのこと好きだったりします?」と尋ねます。
みわは慌てて否定。このときはまだマッチングアプリでフラれたばかりで、環とも関係が深まりきっているわけではないので、恐らく、本心での否定だとは思います。ですが。
環「なーんだ。好きじゃないんだ...」
こういう一つ一つのフラグというか、環のキャラクターが、この作品のファンを悶えさせてますよね。
そしてこれだけでは終わらず、また別の日、サークルがきっかけで2人カラオケへ。
存分に仲を深め。みわの心にもようやく、「(好きになっちゃったらどうするの)」と恋愛感情の芽が見え始め。
帰り道。くっついてくる環に。
みわ「あんまりくっつくのやめたほうが...もし私が勘違いしちゃったら困るでしょ」
環「ですねー。付き合うとかは考えられないですもん」
みわ(よかった。傷つく前に聞けて。もう不毛な恋はしたくないから)
文字面だけ見たら思わずガッカリしそうなシーンですけれど。
「フラグ」を理解しているオタクたちには、むしろワクワクの新しいフラグでしかないんですよね。
まだまだフラグ、終わりません。
それからなんとなーく環に避けられるようになった感じもありつつ、みわのバイト先で環と遭遇。
バイト仲間に「好きなタイプ」を聞かれたときに、みわが誤魔化して「黒髪短髪、身体は小さく、愛想は良くないけど可愛い」という実家の黒猫の特徴を言ったのを、環がこっそり聞いて。
後日、環がこれを自分だと勘違いして「他の人は嫌だけど、みわ先輩なら付き合っても良いと思った」とみわに告げるも、みわは「あれはウチの猫...」とネタバレして、羞恥の環は逃げ出して...
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
次巻、付き合いますね、これは。
これで付き合わなかったら小学生ですよこいつら。
この巻、残るページ、冴子と優梨愛のおうちデート(お互い「抱かれ嫌い」の中、お互い少しずつ歩み寄って、裸でイチャつくという、冴子のひとりヒロインなら熱々な展開)あるんですけど、ちょっとそこまで気が回りませんね。
作者さんとしては、どうなんでしょう。
あるいは、他のファンの方はどうなんでしょう。
私個人としては、みわの描かれ方が明らかにメインな感じがするんですよね。
ただ、みわの場合は「恋心」一本軸という感じなのに対し、冴子の場合は「過去のトラウマ」とか「抱かれるの嫌い」とか「弱味は見せたくない」とか乗り越えないといけないものが多く、冴子のほうがストーリー性を持たせやすいので、本来なら冴子のほうがメインになってきそうな気もするんですけどね。
みわには「激重めんどくさい」もありますけど、今のところは環に発動されずに、十分熱々な展開ですし、なんとも不思議です。
ここまでは新しい2組の進展についてだけ触れてきましたけど、冒頭でも言ったように作中で散りばめられている、この作品の軸である「みわと冴子の関係」も改めて見ておきます。
一番注目するのは、体育館で鶴田の恋愛を巡って、みわと冴子が代わる代わるで話すシーン。
みわは鶴田に対して、「冴子と付き合っているときに、もっとちゃんと話しをしておけばよかった。後悔している」と伝えましたね。冴子はたまたまそれを聞いてしまって、それでも聞いていないフリをしていましたが。
確かに、前巻で2人の関係はしっかり終わって元に戻ったわけですが、それも結局は、恋愛関係が破綻した構造について理解・納得し合えたというだけで、「後悔している」というような、(あるいは一番重要な)専ら感情面についての言及は今回が初めてですよね。これを聞いた冴子の気持ちというのが、どう動いていくのか。やはり先々の展開としては気になるところです。
時系列です。
・みわの自宅で、環が彼氏にフラれたことを知る。みわに慰められ、みわの恋愛遍歴を聞き、環は興味津々。
・みわ、マッチングアプリで知り合った女性とデート。
・冴子、優梨愛を家に呼んでおうちデート。生理を理由にセックスを拒否される。
・デートの帰り道、冴子が優梨愛の本心を聞くと、一線を引いているのではなく、自分の家が汚いから呼びたくない、生理だから恥ずかしいという、文字通りの理由で、決して裏がないことを知り安心する。しかし、同時に、優梨愛から、抱かせて欲しいと言われる。
・みわ、マッチングアプリの女性と音信不通になったことを環に相談。ヤリ目だったのだろうと一刀両断される。
・その流れで、みわは同性愛者であることをカミングアウトしてしまう。それを聞いた環は、拒否感を見せず、「私のことが好きなのか」と尋ねる。みわが否定すると、環はこっそりと残念がる。
・みわ、交際中に冴子とちゃんと話をしてこなかったことを後悔していると鶴田に告げる。冴子はそれをこっそりと聞いていた。
・みわ、環とカラオケへ。帰り道、くっついてくる環に「勘違いしちゃうと困るでしょ」と言うと、環は「確かに付き合うとかは考えられない」と返す。みわ、心の中で不毛な恋をせずに済んだと悲しくも安心する。
・環がみわから少し距離を置く中、みわのバイト先に環が偶然訪れる。
・後日、みわがバイト先の先輩に話した「好きなタイプ」を自分だと勘違いした環が、みわに告白まがいの言葉を漏らすが、勘違いだと知り、逃げ出す。
・冴子と優梨愛、おうちデートを重ねる。お互い「抱かれるのは嫌い」ということで、歩み寄って、暗闇で裸の同衾。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 攻略難易度高そうな環を落としたみわは魔性の女だと思う
付き合ってあげてもいいかな 6巻 感想[百合作品]
こんにちは、伊吹柚子です。
百合作品の感想です。
付き合ってあげてもいいかな(6巻)
www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる
[出版] 裏少年サンデーコミックス
[あらすじ]
フツーの友達に戻りたい。…だめ?
失恋の痛みに耐えきれず、冴子に縋るみわ。
ますます拗れる関係に、
冴子は困惑しながらも流されていく――。
「私たち もうとっくに…
元の友達になんて、
戻れないよ…」
弱い自分を曝け出せる場所はどこ?
迷いながらも進路をとる第6巻!(小学館より)
前回の通り、この巻は大まかに区切っての第二部、そして、新章第三部への繋ぎです。
冴子だけでなく、みわにも新たな道が見えてきます。
さて、前巻では、志帆にフラれて闇落ちしたみわから依存されて、加害的な支配欲を見せた冴子。ですが、優梨愛とのやりとりで自身の付き合い方を省みたことで、早々にみわを解放しようとします。
しかし、元々の性格も相まって、みわは、理由や形はどうであれ、冴子が心の穴を埋めてくれることに期待し、依存を続けるわけですね。その上、冴子のほうも、みわの闇落ちが志帆にフラれたことが原因だと知って(今更?って感じですが)、ずるずるとこの関係が続く感じになっていきました。
なんだか救いようのない関係になってますけど、改めて考えてみれば、交際時と比べても、みわは満たされない気持ちの埋め方が「かりそめの交際」から「事実上のセフレ関係」になっただけ、冴子もみわで性欲を満たしている状態には変わりないので、そういう点では、今までの関係と大差ないのかな、とか思います。まあ、そこに「愛」を求めるかどうか、という一番重要な点が欠落したから、ラブコメディとしては救いようのない関係と言えるのですけど。
そんな最中、冴子は、優梨愛、亀戸のバイト仲間3人で旅行に行きます。
亀戸から、今度の彼女は自分の弱味を見せれる人を選びなさいと言われたり。
優梨愛と二人きりで困難を乗り越えたり。
優梨愛に自分の弱味を察されて受け入れてもらったり。
ここまで来れば、やはり冴子にも思うところはあるわけで。
帰ってきた冴子は、みわとのセフレ関係に終止符を打とうとします。
よりを戻してでも冴子をつなぎ止めたいみわ。
肝心な愛がないでしょ?という冴子の指摘に反論できず、泣き落としにかかるみわ。
結局、今日限りと受け入れてしまう冴子。
キスを断固拒否しているように、明らかに優梨愛とのこの先を意識してるのに、みわのことを「やっかいな女さんだわ...」とならずに受け入れてしまうのは、やっぱりどのような形であれ、冴子にとってみわが特別なことの証拠だと思いますね。
過去の経験とみわの性格も相まって、ほとんど思い通りの交際を描けなかったはずの冴子です。
それでも、みわが寝落ちたと思っての去り際、「好きだよ、みわ。大好きだった」と呟いたように、交際のきっかけはどうであれ、みわを確実に好きになっていたわけです。
しかし、そんな読者には周知の事実も、自分のことで手一杯な当事者のみわにとっては、衝撃だったわけで。
実は寝落ちておらず、冴子のつぶやきを聞いていたみわは、翌日、言質をとったと言わんばかりに冴子に関係の再燃を迫ります。
当然、冴子としては、愛してくれなかったことを責めて反発するわけですが。
みわ「私はもっと知りたかったのに、見せてくれなかったの、冴子のほうじゃん...」
みわ「知らなかった。冴子が私のことを好きなんて...」
そして、
みわ「...いつ?好きになったの...」
冴子「知らないよ...よくわかんないけど、気づいたら、知らないうちに」
冴子「...そういうもんでしょ?好きになるって」
冴子「...相手にも、そんなふうに、好きになってもらいたいじゃん...わかるでしょ...」
みわ「わかりたくなかった~~~...」
ようやく、二人の関係が、一段落した瞬間でしたね。
ノリで付き合って、知らないうちに好きになって、すれ違って、わかれて、ずるずると引きずって。
遠回りはしたけれど、最後の最後まで、リアルラブコメディな二人の関係でした。
「一方はなんか好きになったけど、もう一方は好きにならなくて、だけど彼女が必要だから別れなかったけど、上手くいかずに別れた」。そんな悲しいリアルでしたが、変にずるずるを延々と引きずって闇落ち関係になったり、逆にあっさりとよりを戻したりするような結果にならないのが、この作品らしいかなと思います。
ただ、「よりを戻さないこと」自体がリアルかと言われればそうでもないので、今回、お互いがこれまでの関係をしっかりと理解できたことが、あるいは布石となる可能性は、考えておくべきでしょうね。
そんなこんなで本当の意味で二人の関係が終わり、順当に冴子と優梨愛が交際を始めましたね。
それも重要ではあるんですが。
ダブルヒロインながら、どうもやはりみわにスポットの当たるこの作品。
冴子の打算的勧めもあって、バイト先の店長の男性をあてがわれる中。
サークルの新歓で、運命的な出会いをします。
このシリーズを最新刊まで読んでいる人や、原作を知っている人にとってはひっそりと人気なあの子。
獅子尾環(たまき)と出会います。
見た目は志帆に似ていて、性格もどこかクールな風を感じる環。
仮面浪人を決めていて、話しかけてくるみわと冴子には嫌々対応するのですが。
下心も多分にありつつ、履修登録など学生生活の助けになりたいとアプローチしてくるみわに、次第に心を開きます。
読者目線で見ても非常にオタク受けしそうな可愛さをもっているこの環ですから、志帆に似ている部分を加味しても、明らかにみわとの関係が進んで行きそうな雰囲気ですよね。というか、みわ自身、初っぱなから志帆の妹じゃないかと勘ぐったりして、年下はタイプじゃないとか言いながら興味津々ですしね。
終盤パートでは、まず、冴子と優梨愛のデートシーン。
なれそめは、優梨愛がバイトをやめる日に、冴子の前で「(冴子に)告白しとけばよかったなぁ」とうっかりつぶやいてしまったというベッタベタなもの。
デートも、二人夜の公園でイチャイチャとベッタベタ。
ベッタベタでも、これはリアルですよねぇ(後者体験談)。
ですが、どうやら、冴子はここでも何やらひと悶着ありそう。
優梨愛がおうち拒否。おうちに入れたくない、と。
うーん、スムーズに行きませんねまたしても。
一方でみわは、突如現れた「付き合うかもしれない」謎の女性、店長、そして環の3人の存在で揺らぐ中。
街でたまたま見かけた、泣いている環の話を聞くべく、環を自宅に連れ込むようですね。
「謎の女性唐突すぎる!このまま環ルートじゃないんかい!環連れ込んで早速手籠めにしたれ!」という一部ファンの声が聞こえてきそうです(by 一部ファン)。
役者は揃ったというところで、いよいよ次巻から第三部とも呼べる新たな物語が始まります。
冴子と優梨愛は良い関係を築くのか、みわは誰を選び、そして付き合えるのか。
非常に楽しみですね。
今回も時系列まとめておきますね。
・セフレにしようとしたことを冴子が謝るも、みわは、理由はなんでもいいから冴子に依存しようとする。
・冴子、みわが志帆にフラれたことを知る。
・冴子、バイト仲間との旅行を経て、自分がみわに弱味を見せれなかったことを知る。
・冴子、旅行中、優梨愛に弱味を見せることができ、関係も深まる。
・旅行から帰った冴子が、改めてみわとのセフレ関係を絶とうとするも、泣き落としされ、絶てず。プレイ後の去り際、寝ているみわに、「好きだった」と呟くが、みわは寝ておらず、聞いてしまう。
・翌日、みわから「好きならよりを戻して」「本心を見せてくれなかったのは冴子のほう」と責められる。
・その流れで、「冴子は自然とみわを好きになっていったが、みわはそうではなかった。それが冴子にとって堪えられなかった」という状況が二人で共有され、本当の意味で二人の関係が終わる(友人に戻る)。
・冴子と優梨愛が付き合っていることが判明(読者に向けて)。
・みわの新たな恋人候補として、バイト先の店長の男性が挙がる。
・バイトの新歓サークルで、志帆似の仮面浪人生の獅子尾環と出会う。最初は嫌々対応されるも、みわの献身に心を開き始める。
・新歓サークルの終わり後、冴子と優梨愛はデート。馴れ初めが読者に向けて明らかにされ、二人もデートを楽しむが、優梨愛は自宅に冴子をあげることを拒否。
・みわに「付き合うかもしれない」謎の女性がいることが明らかになる。
・みわ、バイト帰りに街で泣いている環と会う。話を聞くために、家に誘う。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 8巻の感想記事書くまでは9巻はお預け中(購入済み)
結城友奈は勇者である 聖地巡礼2022 Part2 in 香川県観音寺市,坂出市,宇多津町,丸亀市(&京都府)
こんにちは、伊吹柚子です。
えー、私は先週、香川県に「結城友奈は勇者である」の聖地巡礼に行ってきたという記事を書かせて頂いたのですが、なんと、またしても香川へ聖地巡礼に行ってしまいました!
というのも、私、前回の聖地巡礼で完全に観音寺市の魅力にとりつかれてしまったのです。
それでも、また別の機会に行けば良いだけだと思いますよね。
ですが、ご承知の通り、この「結城友奈は勇者である」というシリーズは、大満開の章(3期)を以て、戦いのもととなる神樹と外敵を失っています。となると、今後、シリーズの新たな展開がなされる可能性は低く、ひいては、今回のスタンプラリーのような官民コラボレーション企画が先々行われる可能性は薄いと考えられます。
ということで、無理矢理にでも、スタンプラリー期間中にもう1回来たいなと思った次第です。
スタンプラリーの概要については、前回紹介したので割愛します。
今回は、鷲尾須美の章・勇者の章(2期)、大満開の章(3期)を中心に、前回訪れなかった場所を多く訪れましたよ。
相変わらず聖地巡礼「旅行記」になってるので、そこはご承知くださいね。
【1日目(8月30日)】
今回は、実家から香川へ直行ということで、29日24時に出発。道中のお供は今回も勇者部活動報告です。
途中仮眠を挟みつつ、眠気と疲労頭痛(愚かなことに、前日12kmほど散歩をした上、不眠で眠れず)に悩まされながら、予定よりだいぶ早く、10時間後に与島PAに上陸です。
実は今回、台風を避ける意図もあってかなり強引に出発日を早めたんですが、その甲斐もあって、香川に雨雲は見えません(結局、台風は逸れたようですが)。
それではまず、イネスことイオン坂出店へ向かいます。
駐車券の無い有料駐車場という謎システムに悩まされながら車を停め、写真を撮ります。
店内を撮るのは憚られたので、外観のみですよ。ですが、ここに、少しでも銀の存在感を感じられたので良かったです。イネスといえば勇者の章、そして、銀ですから。
続いては、瀬戸大橋記念公園へ。
与島PAよりも綺麗に瀬戸大橋全体を望める、良い場所ですね。
1期、園子との邂逅シーン。記念館の上ですね。
こちらは、1期で暴走した風を、友奈と夏凜が阻止するシーンを意識したアングルです。人がいなかったのが幸いです。
こちらは、記念館より瀬戸大橋側に位置するマリンドーム。歴代勇者の墓があるところです。一応、大満開の章を意識して撮影してますけど、この箇所はもちろん、シリーズ全体に影響のある場所ですね。
宇多津町に移動して、次はゴールドタワー。
こちらは、大赦施設ということで、大満開の章「楠芽吹は勇者である」に関係が深いところですね。アニメと同じアングルを撮るには、結構な労力とお金が必要ですね。私は外からこのアングルで写真を撮るのが精一杯。時間もないので...
お次は、同じく宇多津町、「楠芽吹は勇者である」から、宇夫階(うぶしな)神社です。
新たな勇者を選ぶべく、勇者候補生の夏凜や芽吹がしのぎを削った箇所ですね。
大満開の章前半、「楠芽吹は勇者である」では印象的な箇所です。
その後、夏凜は銀の後を継ぐわけですが...
結果的には、夏凜が選ばれて良かったと思いますね。
さて、観音寺市外の聖地巡礼はこれにて一段落し、前回と同じく、総合コミュニティセンターに向かいます。
総合コミュニティセンターにてスタンプラリー台紙とレンタサイクルを受け取り、スタンプを押して、いざ、市内聖地巡礼へ。
まずは、観音寺港。
前回も訪れはしましたが、前回は1期メインだったので、今回は勇者の章で友奈と夏凜がイチャついた場所ということで、再訪。船は居らず、穏やかです。
台風の影響がなければ、次の日、伊吹島を訪ねようと思っていたので、フェリーの出発時間、運賃、観光方法などをチェックしておきました。
次は、新琴弾橋。
前回も通りましたし、勇者の章でも一瞬映るだけなんですが、やはり観音寺市の象徴的な橋のひとつだと思うので、一応ちゃんと写真撮りました。
お次は、観音寺小公園。
こちらも勇者の章で一瞬映るだけですが、寛永通宝は観音寺市の象徴なので。
次はハイスタッフホール。
勇者の章で出てきた旧銀行跡地をお目当てに来たのですが、どうやら既に取り壊されたようで、更地はあるものの、建物は見当たりません。
諦めて、スタンプを押すだけにします。ただ、建物内には、ゆゆゆのピアノがありました。どうやら、ミュージックセンターオオサカヤさんが作成されたものだそうです。
途中、クラフトなかつかと観音寺郵便局に寄ってスタンプラリーのシールをゲットし、次なるは大正橋プラザです。
大正橋プラザ自体はスタンプラリー設置場所なので何回も来ていますが、今回は勇者の章にちらっと映っているということで、スタンプを押しつつ、アニメと同じアングル撮影に挑戦。どちらも、右手奥に大正橋プラザが位置しています。
さて、本来であれば、大満開の章最終話で樹がライブをしている観音寺駅南口に行く予定だったのですが、すっかり失念しており、撮影できませんでした。愚か...
ということで、大正橋プラザを後にし、白栄堂でシールと和菓子・観音寺を、オオサカヤでシールとゆゆゆグッズを購入し、観音寺中学校の撮影もしながら、総合コミュニティセンターに戻ります。
レンタサイクルを返却し、お隣の世界のコイン館でシールをゲットした後、車にて、スタンプラリー設置箇所であるちょうさ会館と道の駅とよはまへ。
写真はいずれも、道の駅とよはまです。
前回香川へ来たときは、いずれも閉館日だったので、今回が初めての訪問です。
ちょうさ会館も聖地巡礼の勇者向けに装飾を施されたりしていたのですが、道の駅とよはまは凄い熱量でした。
グッズ販売の充実度もさることながら、誕生日イベントを開催したり(この日はたまたま園子の誕生日イベントでした)、装飾を施したり、恐らく非公式のスタンプカードを作成したり、抽選でゆゆゆグッズが当たったり。香川で一番ゆゆゆ熱の高い場所だなと感じました。聖地巡礼に来るなら、聖地ではないですが、訪れるべき場所ですよ。スタンプカードは「有効期限なし」を念押しされましたので(笑)
私は、ゆゆゆのコラボ切手を購入し、抽選はハズレ賞のうどん県ステッカーでした。
時は17時。この日はつるやが休みだったので、スタンプラリーの最後は、萩の湯です。
萩の湯は、地元の人が多く集う銭湯ですけれど、こうやってゆゆゆとのコラボに貢献してくれている場所ですね。スタンプを押すだけの訪問でしたが、快く案内してくださりました。
今更ですけど、各所で使われているこのコラボラッピングの友奈、最高のイラストをチョイスしたと思いませんか?昨今の「萌えイラストは性的搾取だ」というような風潮にも該当することのない健全イラスト、それでいて友奈の可愛さを100%引き出している。これなら、受け入れてくれる地元の人も多いだろうなという気がします(美森のぼた餅は凶暴で不健全扱いされるかも...?)。
穏やかな気持ちになりつつ、本日最後の予定はまねきねこ観音寺店の勇者部ルーム。事前に電話予約して、18時半からとりました。
18時半になる前に、つるやの代わりになるうどん屋を探したのですが、どこも閉店、廃業、あるいはセルフ形式。注文すれば出てくる普通のお店はどこにも見つからずでした。
そんな感じでお腹を空かせつつ、18時半になったので、まねきねこ観音寺店へ。
外観からして、お出迎え体制です。店舗をあげての応援が伝わってきます。
入り口に入ると、さっそく友奈がお出迎え。スイッチをつけようとすると勇者部五箇条。なんとも芸が細かい!
とにかくありとあらゆるところに、勇者部5人の存在を感じられるお部屋ですね。
サインもしっかり展示されていましたが、いたずらされないか心配。。。
歌ってみました。
ただ、JOYSOUNDなので、ゆゆゆ楽曲の映像はなし。LIVE DAMなら、ホシトハナとハナコトバにP'sライブ映像がついてて盛り上がるんですけどね。
ということで、1日目はこれにて終わりです。
車に戻ったら、夕食用に買っていたハンバーグのタレがシートにこぼれているという悲劇がありましたが、まあそれは聖地巡礼には関係ないので......
【2日目(8月31日)】
お天気は晴れ。ということで、本日の目的は、伊吹島です。
出港は11時20分。それまでに、市内をちょっと回ろうと思います。
まずは琴弾八幡宮展望台へ。
こちらも何回か訪れていますけれど、勇者の章に登場したということで、今回はそちらのアングルを意識して撮影です。
そして、残る時間は、総合コミュニティセンターでレンタサイクルを借り、市内を回ります。
観音寺港で、予め往復チケットを購入しておきました。写真に写っている船ではないですよ。
フレッシュショップトマト観音寺店。大満開の章で一瞬映っただけですが。
店内では、シールの配布やグッズ販売があります。ただ、地元の人でごった返しているので、撮影とかはお気を付けて。
そんなこんなで11:20を迎え、乗船します。
「NEW IBUKI ll」という船らしいです。総トン数113。
地元の人が大半を占める船ということで、2階には人が居らず、みなさん1階の室内でくつろいでます。
出発から25分、伊吹島に到着です!
到着すると、島民や出稼ぎの本土民と思われる方が次々と原付で島内に散らばっていったのが非常に印象的でした。聖地巡礼含む観光客の方は、3,4組ほどしかいなかったように思います。
最後の写真は、コラボポスターで、夏凜が映っていた箇所ですね。
この島は、三好さんが半数以上を占めるということで、夏凜(三好夏凜)が選ばれたのでしょうね。
滞在可能時間は、次の出発13:30までの2時間足らず。どこから回るべきかもわからず、とりあえず、聖地である伊吹八幡神社に向かいます。
厳しい坂と暑さに堪えながらなんとか到着。道中の表札や石碑を見ても、三好姓の多さを感じます。
肝心の神楽殿は、すでにありませんでした。再建中?でしょうか。
初めての離島ということもあり、独特の雰囲気を楽しみながら、歩きます。
猫の島ですけど、猫とはなかなかすれ違えず、なんなら島民ともすれ違えません。
ひとり、静かに歩みを進めました。
廃屋や廃品も多い印象ですね。
もう一箇所、勇者の章で登場する箇所へ向かいます。
島外からも見える大きな鉄塔のある箇所ですね。
聖地から少し歩みを進めると、眼下には、工場が広がります。こちらに稼ぎに来られる方が多いようですね。
道中で見つけました。文化にも明るくないので、ここが何なのかわかりません。
忠霊とか結界とか滅私奉公とか忠勇義烈とか、ゆゆゆの聖地らしい言葉が並んでいることが確かです。
Wikipediaによれば、島民500人ほどということなので、子どもがいてもおかしくはないのですが、いくら夏休み中ということを加味しても、1人の子どもの声も聞こえてこないので、なんとも不思議な気持ちです。
でも、こういう場所に生まれ育つのは悪くないなと思います。
小中学校前。右手に、この島らしからぬ新しめのアパートがあったのが印象的です。
ようやく猫とすれ違いました。
真浦港に戻ってまいりました。
いりこを買ったり、工場地帯を見ながら、出港を待ちます。
真浦港のすぐ近くに廃車が並んでいるのも、印象的でした。
13:30。出港です。
観光客向けの島ではないですが、独特の雰囲気が素敵な島でした。
13:55、観音寺港に到着し、世界のコイン館へ向かいます。
おみやげを購入し、今回の旅、観音寺市最後の場所へ。
おいしかったよ、ごちそうさま!
ということで、つるやで肉ぶっかけうどん。これが観音寺市の〆です。
そして、香川旅最後の場所、丸亀城へ向かいました。
一応、大満開の章の聖地ということで来ていますが、実質的には、「乃木若葉は勇者である」の聖地ですね。西暦2015年にバーテックスが襲来して以降、四国勇者の拠点となった場所です。
【3日目(9月1日)】(おまけ)
帰路の経由地として京都・二条城前に宿泊したので、二条城へ。
乃木家の御殿のモデルとなった場所ですね。
これで、本当の本当に、聖地巡礼旅は終わりです。
いかがだったでしょうか。
私としては、疲労困憊な弾丸旅でも来て良かったと思いますし、聖地巡礼のみならず、伊吹島に行けたのも非常に貴重な経験だったと思います。老年になったら、住んでも良いかなぁなんて思ったり。そして今回も、観音寺の町を離れるのは非常に名残惜しい気持ちを抱きました。
「結城友奈は勇者である」シリーズとしては、旅行中に、ゆゆゆいのサービス終了を知りました。冒頭で、シリーズの展開は望めないという話をしましたが、唯一の砦であったソーシャルゲームが終了してしまい、どうやら本当に終わってしまいそうです。こんなことを憶測で言ってはいけないと思いますし、当然の摂理なのでしょうが、元祖メインキャストの5人も、みながそれぞれ違う道を歩んでおり(特に照井さんは囲碁、黒沢さんは舞台女優)、作品にどれほど熱意が残っているのかという問題もあります。キャリアのスタート地点や代表作もみなさんそれぞれ別作品ですしね。
ということで、全体的には、寂しさを残しつつ。それでも、良い経験ができました。
諸行無常、あるいは不易流行ということで、この先、観音寺市然り、「結城友奈は勇者である」然り、このままを維持して変わらず在るということはないのでしょう。
それでも、できる限り長く、みなにとって素晴らしい時間が続くことを祈ります。
あ、あと、9月3日に訪問してたら、岸監督に会える可能性があったみたいですね。なんとも惜しい。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) ペンネームの伊吹と伊吹島は全く無関係です。
結城友奈は勇者である 聖地巡礼2022 in 香川県観音寺市
こんにちは。伊吹柚子です。
私、この度、「結城友奈は勇者である」の聖地巡礼に行って参りました!
...実は、正直なところ、元々は1泊2日の京都旅行の予定だったのですが、
「関東からせっかく京都まで旅行に行くなら、もっと遠方に寄ろう」
→「四国とか行ってみたいな...香川とかどうだろう」
→「香川と言えば、ゆゆゆの聖地じゃないか!」
→「スタンプラリーやってる!聖地巡礼にはピッタリのタイミングだ!」
こんな感じに聖地巡礼を含めての3泊4日(2日目と3日目が香川)の旅行に変更になったという経緯で、訪れています。
3泊4日の旅行全体の流れは聖地巡礼とは関係ない部分もあるので、さほど触れはしませんが、関東~京都~香川~愛知~静岡~関東の移動で、4日間で34時間半、1923kmを走破しました。
さて、今回のスタンプラリーについては、コロナで延期されていたものを2年越しに実施したものらしいですね。
概要については、一応リンクを貼り付けておきます。
『結城友奈は勇者である』と本市のコラボスタンプラリーの開催が決定! - 観音寺市ホームページ
「結城友奈は勇者である」コラボスタンプラリーの日程を発表! - 観音寺市ホームページ
「結城友奈は勇者である」コラボスタンプラリー協力店MAP及び休館対応について - 観音寺市ホームページ
ですが、恐らくリンク切れになると思うので、本記事でも紹介しますね。
開催期間は8月5日~9月4日の1ヶ月間。7箇所のスタンプ設置場所のうち、つるや以外の6箇所どこかでスタンプラリー台紙を受け取ります。その後、対象となる6キャラ(勇者部員)について、スタンプを押すか、あるいは協力店でシールを貰って貼るシステムです(スタンプ・シール混在可)。どこで誰のスタンプが押せるかはわかりますが、どこで誰のシールが貰えるかは不明でした。スタンプラリー台紙を完成させると、ゆゆゆのオリジナル缶バッジがもらえます。
スタンプ設置場所、協力店はこんな感じでした。
観音寺市総合コミュニティセンターや大正橋プラザではレンタサイクルを500円(使用後に問題がなければ返金される保証料300円含む)で借りられます。スケジュールに余裕があるのなら、これが便利です。駐車場少ないですからね。
ちなみに、私の場合は、ろくに下調べもしていなかったので、休館対応をどこでやっているのかと、シールを貰えること自体を、すっかり失念していました。ただ、不幸中の幸いで、これがきっかけで地元の人とお話をするきっかけができたことは後述します。
それでは、聖地巡礼を中心とした観音寺市観光について、書いていきます。
聖地紹介というよりは、聖地巡礼旅行記という感じになるので、感想多めな上に雑多ですけど、お許しくださいね!
※今回は、1期を元にした聖地巡礼です。
【1日目(8月22日)】
この日、天橋立を観光しつつ、京都から香川へ移動しました。
人生初、念願の瀬戸大橋にたどり着いたのは、14時頃。
橋の上で写真を撮る場所はなかったので、与島PAへ。
本州と四国を結ぶというだけあって、非常に壮観ですね。
ただそれよりも気になるのは、天候。香川県側に、真っ黒な雲が見えました。
元々天気予報では14時~19時まで雨予報でしたので、聖地巡礼に響くのではと恐れていました。
そんな感じで、再び瀬戸大橋を渡り、四国本土に。
15時頃、観音寺市に到着しました。心配された雨ですが、丸亀は土砂降りだったものの、観音寺は幸い曇りでした。
まずは、周辺に聖地が多く、スタンプラリー台紙を貰える観音寺市総合コミュニティセンターへ。
早速、受付の女性から、台紙とマップ(裏面に協力店一覧)を頂きました。
友奈のスタンプを押し、置いてあったまちあるきパンフレットをもらい、館内の写真を撮影。
館内は、あまり広くはないものの、ゆゆゆで溢れていました。ファンとしては、これだけでも気持ちが非常に高まります。今回はスタンプラリー期間中ですけど、普段はどうなんでしょう?
受付の手前にあったノート(5枚目写真右側に見切れている)に、観光客が沢山コメントを残していたので、私もコメントを残しましたよ(yuzu ibuki名義)。ほとんどがゆゆゆの聖地巡礼の方だったと思います。
天気予報をまだ信じていたので、館内の写真撮影もそこそこに、雨が降る前に聖地巡礼スタートです。
車を道の駅に置かせてもらい、アキバで買ったわすゆバッグと傘を持ち、徒歩で向かいます。
まずは、三架橋。三架橋と、財田川の周囲が聖地になってます。
ここらへんが、1話オープニングのアングルに似ています。
有明浜近くに讃州中学のモデルとなった観音寺市立観音寺中学校があるので、この下流側が友奈や美森、夏凜の通学路になっているわけですね。
こちらは、4話でカラオケ帰りの犬吠埼姉妹が通った際のアングル。
上流側はこんな感じです。1話で犬吠埼姉妹が通ったアングルですね。ただ、アニメに登場するような看板は、どうやら既に無いようです。
ところで、犬吠埼姉妹のマンションのモデルになった場所は、有明浜南側の琴弾回廊近くにあるので、犬吠埼姉妹は通学ではここを通りません。
三架橋の北側、八幡交差点にありました。アニメにも登場します。
八幡交差点より、上流側を撮影。歩きながら一瞬だけ撮れました。勇者部HPにも使われているアングルです。
三架橋より下流側にあるのが、琴弾橋です。
2枚目、右手にある簡易裁判所のところに、友奈と美森の実家があるようですが、モデルの家はありません。なんとも薄暗い感じの簡易裁判所があるだけです。
簡易裁判所より北側北側の3枚目の箇所も、アニメで使われたアングルです。
こちらは、琴弾橋より下流にある、新琴弾橋です。
ゆゆゆの聖地ではないですけれど、スタンプラリーや移動でなんだかんだで良く通りました。
次に、徒歩で、観音寺中学校へ向かいました。
観音寺中は、琴弾公園の東側道路を通り抜けた先にあります。
校庭が見えてきました。吹奏楽部らしき音が聞こえてきます。
学校の北側に、ありました。讃州中学と完全一致ですね。物語に吸い込まれたような感覚を覚えるアングルです。
周囲は非常に穏やかで落ち着いており、作中の学生の賑やかさは感じられません。夏休みで学生がいないのだから、当たり前かもしれませんが。。。
さて、さすがに成人男性が中学校を撮影しまくるのは気が引けるので、そそくさとその場を後にします。
すると、琴弾公園の近くを通るところで、どこからか、「結城友奈です」「三好さん」という声が聞こえてきました。
そこで、ふと、友奈の観光案内音声が流れるコラボをやっていることを思い出しました。
ただ、この時はスタンプラリーを焦っていたので、まずはスタンプラリーの完成を優先させます。
ということで、車で、大正橋プラザに向かいました。
16時半頃到着で、すでに閉館準備を始めてました。
この日は、こちらでハイスタッフホールの休館対応をしていたので、樹と夏凜の2つのスタンプを押しました。ついでに、保存用にまちあるきパンフレットをもう1枚。
そして、改めて敷地内を見ると、いろんなところにゆゆゆが。展示物は結構色あせてますね。でも、自販機友奈は健在です。可愛すぎませんか?
それと、「ゆゆぶ」という冊子が置かれていました。「これ、非売品かなぁ。買えないかなぁ。」なんて思いながらじっくり見てたら、なんと同人誌でした。買えますよ。私はこの記事を書きながら存在を思い出し、そのままメロブで即購入です。
本格的に大正橋プラザが閉まったところで、夏凜のマンションのモデルとなっているデアイム観音寺に向かったのですが、車を止める場所が無く、この日は断念。総合コミュニティセンターに戻ります。
この日はハイスタッフホールだけでなく、道の駅とよはま(園子スタンプ)とちょうさ会館(美森スタンプ)も休館中ということだったので、総合コミュニティセンターで尋ねると、コミュニティセンター海の家で押せるとのこと。ということで、車で海の家に向かい、美森と園子のスタンプを押しました(特にゆゆゆらしさはないので、写真は撮ってません)。
まあ、正確には、事前情報から「コミュニティセンター海の家」を「総合コミュニティセンター」と混同して、総合コミュニティセンターで休館対応中のスタンプが押せると思って戻っただけなんですけどね。。。
そんなこんなで、17時に閉館してしまう場所(つまり、つるや以外)でのスタンプは押し終えたので、前述の友奈の音声案内を聞きに行きました。
ただ、「琴弾展望台」というのがどこを指すのかわからなかったので、とりあえず、車で、琴弾八幡宮の近くの展望台へ行きました。
ビンゴです。見つけました。
恥ずかしながら、銭形砂絵の存在を知らなかったので、「なんだこれは!」と思いながら、友奈の音声を聞きました。ぱるにゃす(結城友奈役の照井春佳さん)の声は、相変わらず心に響きます。
この音声、勇者部五箇条バッグを持っていたお仲間が録音していましたよ。録音後に話しかけようと思いましたが、あまり話しかけられたくなさそうだったので、話しかけるのは諦めました。この日は人が多かったので、私も翌日、人が居ない朝に録音しに来ようと決めました。
琴弾八幡宮にも来ました。ただ、出てくるのはもっぱら麓なので、本殿はさらっと見ましたよ。祓詞(はらえのことば)は、ゆゆゆを思わせるようなものですよね。
あと、人に慣れているような猫さんが、4,5匹いましたよ。
ホテルのチェックイン時間も迫る中、この日最後の行き先は、つるやです。
店内に入ると、スタンプも見当たらず、注文方法もわかりません。地元の方が数人いました。
店員らしき方に、「ここ座っていいですか?」と尋ねて座り、注文を受けます。
結果的には、聖地巡礼やスタンプラリー関連の施設・店舗の中で、唯一つるやだけが、聖地巡礼には向いてないなぁと思いました。明らかに、注文方法含め、全てを知っている地元民向けという感じでした。まあ仕方ないことですけどね。
注文したのはもちろん、肉ぶっかけうどん。肉は軟らかく、麺にはコシがあります。美味しいです。ただ、残念なことに、薄味派の私には、ダシが効きすぎていましたね~。つまりは、普通の味覚な一般の方にはもっと美味しく感じられるということですよ。
会計後、店員さんに尋ねると、玄関にスタンプがあるとのことだったので、玄関で美森のスタンプを押しました。ここでも、前述の通り、ここだけが聖地巡礼に向いてないなと感じました。というのも、台が小さく、スタンプが押しにくいったらありゃしない。。。
というわけで、この日は全てのスタンプを押し、三架橋周辺のある程度の聖地巡礼を終えました。
2日目は総合コミュニティセンターでスタンプラリーの景品交換を行い、レンタサイクルを借りて、残りの聖地巡礼をすることにします。
近くのマックスバリュで適当に夜食のカップ麺と刺身を買ってホテルに向かい、この日は終わりです。
......とはなりません!
なぜなら、ホテルに向かう途中、まねきねこを見つけてしまったからです。
まねきねこと言えば、4話。
樹のために勇者部が集まって歌の練習をした、あの、まねきねこです。立派な聖地です。
ということで、ホテルで荷物を降ろし、まねきねこ観音寺店を訪れました。
突如の思いつきなので、勇者専用席と取ることも無く(そもそも利用方法がわからない)、ただただ普通の部屋で、ゆゆゆの楽曲を歌う聖地巡礼です。
P'sライブ映像付きのハナコトバとホシトハナを歌いましたけど、映像に感動して、歌どころではなかったです。長妻樹里さんみたいな人と結婚したいなぁ...
ということで、1時間半を歌い終え、今度こそ、1日目終了です。
【2日目(8月23日)】
2日目。今日で香川とお別れということが、まるでゆゆゆとのお別れのように感じられ、悪夢にうなされての朝。9時にチェックアウトし、この日はまず、展望台に向かいます。
展望台にたどり着くと、平日早めの時間にもかかわらず、30代くらいのカップルが。
やたらと騒ぐカップルで、友奈の案内音声が録音できないなぁと思いながら、待つこと10分ほど。
彼らが去った後、こんな感じのこぢんまりとした展望台で、友奈の声を堪能しながら、海と銭形砂絵を眺めます。最高のひとときです。
録音した音声は、一応YouTubeにアップロードしましたが、聴けなくなった時のために、文字にも起こしておきますね。
************************************
みなさん、こんにちは。讃州中学勇者部・結城友奈が、観光案内させて頂きます!
前方に広がる海は、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)。目の前の島は伊吹島(いぶきじま)で、いりこの島で有名です。伊吹島は、住民の半分が三好(みよし)姓だそうで、私の友達にも、三好さんがいます。
眼下に見える巨大な砂絵は、名物・銭形砂絵。江戸時代に、讃岐の藩主を歓迎するため、村人が、一夜にして作り上げたと言われています。すごーい!
その大きさは、東西122メートル、南北90メートル、周囲が345メートル、おっきいです!
毎年春と秋に、数百人のボランティアによって、その形を整えています。この砂絵を見れば、健康で長生きし、お金に不自由しないと言い伝えられており、夜は緑色や黄金色にライトアップされ、昼間とはまた違った、とーっても幻想的な砂絵を見ることができます!
この銭形砂絵の奥に広がる海岸は、日本の渚100選に選ばれている有明浜で、夏には、海水浴客で賑わいます。
また、この琴弾山の中腹には、四国八十八ヶ所霊場・第六十八番札所・神恵院(じんねいん)と、第六十九番札所・観音寺(かんのんじ)があり、四国霊場の中では唯一の、一寺二霊場となっています。
銭形の町、観音寺。四季折々の風情が味わえる、琴弾公園に、ぜひぜひ、またお越しください!
ありがとうございました!
************************************
さて、録音も叶ったので、いよいよ、スタンプラリーの景品交換のため、総合コミュニティセンターに向かいます。
どちらも後日、自宅撮影ですが、完成したスタンプラリー台紙を見せ、缶バッジゲットです!可愛い缶バッジですよね。しかも、中心に「KAN-ONJI CITY」と書かれているので、聖地巡礼で手に入れたのだと実感できます。
さて、これで満足し、残りの聖地巡礼をすべくレンタサイクルを...と思ったのですが。
前日は急いでて気づきませんでしたが、なんと、公式グッズを購入できるではないですか!
そこで、すぐさま、次々と購入させていただきました。途中で商品を変えたり(のわゆTシャツから、友奈Tシャツに変更した)、サイズを見せてもらったりと、色々ご迷惑おかけしましたorz
ということで、グッズを購入した後、レンタサイクルを借ります。
まず向かった先は、有明浜です。
2枚目の奥に見えるのが伊吹島です。
この有明浜は、アニメのEDや、夏凜の訓練場所としてよく見る場所ですよね。
工事中のため、正式な入り口?は入れず。
次に向かったのは、琴弾八幡宮。
前日は本殿しか見ていなかったので、ようやくアニメ本編と同じようなアングルで撮れました。
友奈と美森の、出会った頃の回想に使われてた印象ですね。
美森とすれば、本殿に行きたいのでしょうけど、車椅子ではキツいですよねぇ。階段はもちろん、展望台への道路も、狭く坂がキツいですから、アニメで介助してくれていた送迎車にでも頼まない限り、本殿には行けなそうです。まあ、勇者になった後なら、大赦に言えば一発で叶えてくれるとは思いますけど。
お次は、観音寺港周辺。1期ではあまり使われていませんので、部活中に通った蒲鉾工場付近へ。
見つけました。どうやら、讃岐蒲鉾という会社のようです。探した甲斐もあって、わりとアニメに近いアングルで撮れたと思います。
ただですね、私はここで、レンタサイクルの自転車の前輪ブレーキを破壊してしまいました。普通にブレーキハンドルを握っただけなんですが、どうやら劣化が進行していたらしく、キュッと握ったら、あっさりはじけ飛びました。どうしよう...
破壊してしまったブレーキについてどう謝ろうか考えながら次に向かったのは、前日に撮影を断念した、夏凜のマンションのモデル、森の木ハイツです。
いやもう、そのまんまですね。これが夕方や夜だったら、尚更夏凜を感じられたと思いますね。
何を隠そう、私は夏凜推しなので、この光景はワクワクしました。
とはいえ、普通のマンションなので、あまり写真を撮りまくるわけにはいきませんので、次なる場所へ移動します。
移動途中、大正橋プラザに寄って、改めて写真撮影。
友奈、可愛すぎますよ(2回目)
観音寺駅。大正橋プラザの近くにあります。ここも聖地ですけど、アニメと同じアングルは探さず。
寄り道しながら次に向かったのは、犬吠埼姉妹のマンションがある、琴弾回廊周辺の防波堤です。
琴弾回廊の北側の通路です。
犬吠埼姉妹のマンションのモデルとなるような建物はありませんが、風が暴走した際に夏凜が座っていた防波堤はちゃんとあります。
余談ですが、ここは非常に狭く、最初、蒲鉾工場に行く前に寄ったのですが、見つけられませんでした(他の方の聖地巡礼サイトを参考にしながら、発見しました)。
さて、これで、聖地巡礼は完了です。個人的にどうしても見たかった場所は、ちゃんと見られることができたので、ご満悦です。
もうすでに出発予定時間である12時を過ぎていたのですが、滅多に来れない香川ということもあって、ゆゆゆグッズがあるという、梧桐庵(ごどうあん)に行こうと思ったのですが、現金しか使えない可能性も考慮し、レンタサイクルを返却してから、車でコンビニにお金を下ろしに行くことにしました。
総合コミュニティセンターに戻り、レンタサイクルを返却。ブレーキを壊してしまったことを伝えると、「これは仕方ない」というようなことを仰り、保証料をしっかりと返却してくださいました。とても申し訳ない気持ちです。
保証料を受け取り、館内にあったサインの近影を改めて撮影し、車に戻ろうとすると、館内にいた一人の女性に呼び止められました。
「スタンプラリーの台紙もらった?」「パンフレットもらった?」とのことだったので、もらった旨を伝えると、「シールは?」と尋ねられました。
冒頭の通り、私はシールの存在を失念していたので、「シールは忘れてました...」と言うと、なんと親切に、どこで誰のシールがもらえるかを教えてくださいました。手始めに、隣にあった「世界のコイン館」にて、女性の手引きもあって、風のシールを貰います。
どうやらこの女性は地元の方らしく、息子さんにゆゆゆの存在を教えてもらい、自身もスタンプラリーに参加したり、グッズを購入したりしているようです。園子以外のキャラクター名はおぼろげながらも(樹を、「緑の子」と呼んでいた。どうやら現地では園子が一番人気らしく、園子だけは名前を覚えている模様)、地元を舞台にしているゆゆゆを楽しんでいるようでした。前回以前のスタンプラリーやグッズのことも知っており、ずいぶん楽しんでおられるようです。
こういう出会いも、旅の楽しみですよね。
去り際に、まちあるきパンフレットをくださりました(既に2枚持っていますけど、断るわけにはいきません)。
せっかくこの方に教えてもらったので、出発予定時間は既にオーバーしてますが、シール集めもすることにしました。
その前に、コンビニで現金を下ろし、梧桐庵に向かいます。
この日は定休日だったのですが、納経所に行ってシールをもらいに行くと、なんと、わざわざ梧桐庵の中を見せてくださいました。
ありとあらゆるところにゆゆゆグッズがあり、勇者専用席なんてのもありました。気の済むまで写真撮影して良いという旨が書かれており、聖地巡礼を大切にされているのが伝わってきます。
感謝の意を表してグッズを購入し、夏凜のシールをもらいました。先の女性からは、夏凜のシールがどこで貰えるかを聞きそびれてしまったので、ラッキーです。
巡礼御記にもコメントを残させてもらったのですが、間違って、伊吹柚子(Yuzu Ibuki)ではなく、昔の、湊柚子(Yuzu Minato)名義で書いた気がします。
さて、先の女性によれば、シールの配布場所は、
・友奈:観音寺郵便局、大黒屋
・美森:白栄堂
・樹:ミュージックセンターオオサカヤ
・園子:白川写真店、クラフトなかつか、味処一亭
とのことだったので、まずは、近くにある「ミュージックセンターオオサカヤ」と「白栄堂」に行くことにしました。
どちらも、すんなりシールを受け取れました。先の女性曰く、白栄堂は入り口がわかりにくく店員さんも無愛想だとのことだったのですが、個人的には、どちらも問題ないように感じましたよ。白栄堂では、土産に「観音寺」という和菓子を買いました。
残るは2枚。ハイスタッフホールの近くの駐車場に止め、「観音寺郵便局」と「クラフトなかつか」へ向かいます。
こちらも同じく、すんなりシールを受け取ることができました。
先にクラフトなかつかへ行ったのですが、店員さんに、「暑いのに皆さんよく頑張るねぇ」と言われました。よっぽど多くの人がもらいに来るようですね。
写真は、観音寺郵便局です。大正橋プラザと同じく、ゆゆゆ自販機がありました。
ということで、なんとかすべて集め終え、追加の予定も終了です。
最後に、世界のコイン館でグッズを買って、いよいよ観音寺市ともお別れです。
後日、自宅にて撮影したこれらが、購入した品です。およそ22000円だったと思います。1枚目が、ゆゆゆグッズです。
右上にあるのが、ミュージックセンターオオサカヤとのコラボで、各キャラと観光地がコラボしたピック型キーホルダーです。
右側左下にあるのが、協力店のひとつ、「宝石・時計・メガネの野原」とのコラボで、メガネ拭きです。
そして左側にあるのが、協力店のひとつ、「GLASS ART STUDIO 創作工房どい」とのコラボで、グラスです。
特に、この創作工房どい(土井さん)。ちょうど、私がグッズを購入していた際に、納品の女性が来られており、品定めしていた私に、色々とお話をしてくれました。どうやら、土井さんの奥様のようです。
この方によれば、ゆゆゆコラボのおかげで、グラスの製造は追いつかないほど繁盛しているらしく、また、聖地巡礼に来た若い人とお話できるのが嬉しいとのことでした。そう言ってもらえると、聖地巡礼でお邪魔しているこちら側としても嬉しい限りですよね。
まさに一期一会ということもあって、この土井さんのグラスを3点購入したところ、なんと、銭形ストラップを無料で付けてくださいました。去り際には、「また観音寺に来てね」と。
本当に、観音寺に来て良かったなと思います。
最後の最後に、外観をパシャリ。
つるやでうどんを食べてから観音寺を去ろうと思ったのですが、この日は定休日。
この世界のコイン館を以て、聖地巡礼旅を終えました。
以上、いかがだったでしょうか。
旅の総括としては、本当に、観音寺市は良いところだなと感じました。もちろん雰囲気や観光スポットもそうですけれど、ゆゆゆや聖地巡礼に来る人を拒まない暖かさに感激しました。こんなことなら、観音寺に3泊4日でも良かったなと思います。
ですが、観音寺市以外も含む旅の車中、4日間ひたすらラジオCD「勇者部活動報告」を聞き(ちなみに、観音寺に到着した時にちょうどラジオ1期の最終回で、夕実さんが号泣してました)、観音寺滞在中はわすゆバッグを常に携帯し、観音寺各地を歩き回りながら世界観や地元の方々とふれあう濃密な2日間も、本当に、貴重な時間でした。
すでにアニメは終わっており、ゆゆゆいしかない現状、次回スタンプラリーなどのコラボが開催されるのかはわかりませんが、いずれまた、2期や3期の聖地巡礼もかねて、観音寺市を再訪したいと思います。
Special Thanks for Kan-onji!!!
・観音寺市総合コミュニティセンター
・大正橋プラザ
・コミュニティセンター海の家
・手打ちうどん つるや
・世界のコイン館
・梧桐庵
・ミュージックセンター オオサカヤ
・(有)白栄堂
・クラフトなかつか
・日本郵便(株)観音寺郵便局
・まねきねこ観音寺
・観音寺グランドホテル
・色々教えてくださった地元の女性
・GLASS ART STUDIO 創作工房どい の女性
・ゆゆゆの聖地の数々!!!
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) もはや、観音寺市ロスとも言える寂寥感の中で。
付き合ってあげてもいいかな 5巻 感想[百合作品]
こんにちは、伊吹柚子です。
百合作品の感想です。
付き合ってあげてもいいかな(5巻)
www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる
[出版] 裏少年サンデーコミックス
[あらすじ]
お願い。私を、ひとりにしないで…。
すれ違いを解消できず、
別れることになったみわと冴子。
そのショックを引きずりながらも、
みわは勇気を出して初恋の先輩に連絡をする――。
「志帆先輩、私…後輩じゃなくて、彼女になりたい…」
胸の奥底で温めてきた
積年の想いは実るのか?
心を締め付ける第5巻!(小学館より)
4巻を以て、第一部終結とでも言えるような結果を迎えた二人。
5巻は、第二部の幕開けです。
まあ第二部といっても、第三部への繋ぎのような役割に近いかなとも思います。
繋ぎにしては重く重要な感じですけどね。
ここでは、6巻と合わせて、第二部として捉えます。
さて。
別れた二人は、4巻から続いて、相変わらずなんとなく微妙な雰囲気も漂わせながら、別の道を歩いて行こうとします。
そんな中、冴子は、みわの次の恋、つまりは、志帆への恋心の決着を促します。
促す、と言っても、そんな単純な話ではないですけどね。
冴子にとって、志帆は、みわに愛して貰えなかった原因となった女性。
しかし、志帆への恋心に決着をつけないと、みわは次の恋に動きそうにない。
「フラれてくるなら(会って告白しても)いいよ」と言いつつも、内心では、もし二人が付き合えてしまったら、自分が好きだったみわが本気の恋愛をしている姿を直視しなくてはいけないと葛藤。
どちらが悪い、というわけでもない二人の別れですけど、まあこの状況は冴子には酷ですよね。それでも、「この先、みわ以上に好きになれる女性は現れない」と思ってしまうほど好きだった相手のことですから、先に進んで欲しいという気持ちのほうが強いんでしょうね。
個人的には、なぜ冴子が「フラれる可能性」のほうを評価しているのかは謎です。「過去の恋を成就させることの難しさ」という一般論なのか、「フラれてほしい」という期待の表れなのか。まだ8巻段階では、よくわかりません。その後、一人暮らしをはじめたみわの家にみんなで集まった時にも、「フラれるって身構えてたほうが、フラれた時にショックが減るから、フラれてくるなら(いいよ)って言っただけ」と誤魔化してましたし。
そんなこんなで、ついに、冴子にけしかけられたみわは、告白すべく沖縄へ、連泊で志帆に会いに行きます。
到着して早々、一緒の時を過ごしながら、「これが恋か」「冴子への想いは恋じゃなかった」などと思います。
今更ではありますけど、ようやくみわが、冴子への想いの正体を自覚した瞬間でした。別れた時も、別れた後も、別れた理由は「冴子にフラれたから」だったので、根本的な部分に気づいたのは、今回が初めてです。
1日目夜。志帆の家で、みわは、同性愛者であることをカミングアウト。受け入れる志帆。
2日目、日中。二人で過ごしながら、高校生の頃のみわ、そして今のみわを思い、志帆は、みわから恋心を向けられていることを確信。志帆は、好意は受け入れられるけれど、応えられるのか(付き合えるのか)と自問。
2日目夜、ついに、みわが告白。
3日目。保留にしていた告白の答えが返ってくる。覚悟しながら受け取った答えは、布石に違わぬ、「付き合えない」。
冒頭で、5巻6巻は第三部への繋ぎにすぎない第二部であると言ったのは、こういうことです。
ただ、王道ラブコメにせよ、リアルラブコメディにせよ、こういう状況での告白は、自ずと成立しないことが多いですよね。
それに、志帆の場合は、致し方ないと言えます。
もちろん、志帆の言うとおり、みわのことを恋人にすることそれ自体は、可能。
それでも、本人も語っているように、これまで家族のせいで散々歪められてきた自分の人生(∴3巻)からようやく解放されて、やっと手に入れた「普通だけれど、それが幸せ」な生活を、みわと(女性と)交際することによって崩されるリスクは、大きすぎます。
そんな膨大なリスクを背負ってまでみわと付き合おうとは思わない、と言ってしまえば残酷ですが、それくらい、志帆がこれまでに背負ってきた重く暗い人生というのは、もう味わいたくないものだというわけです。
ただ幸せな百合ラブコメではなく、あくまで女性同性愛が中心なリアリティラブコメにすぎない故の、非情で残酷で現実的な結果です。
特に、同性愛に対する偏見は未だ根強い現代ですから、やはり「致し方ない」のです。
強がりを見せて志帆のもとを去り、帰郷したみわは、覚悟も全く働かず、引きこもりに。
心配して訪れる冴子を冷たく突き放し、死にたいを連呼する、完全闇落ち状態。
そして、闇落ち状態のまま、甲斐甲斐しくしてくれる冴子に一転して甘え、冴子の身体を求めて、感情を潰すようになりました。
フラれて闇落ちするみわを心配する冴子も、身体を求められ、都合の良いアテにされたことで、「みわを依存させて、性欲のはけ口にして、支配しよう」というような、加害的な暗い感情でみわを受け入れます。
フラれて闇落ちなヒロインと、都合よく使われて同じく闇落ちる元カノ。考え得る中でも最悪の展開ですね。
改めて見ると、5巻は、4巻の交際終了同様に、これまでのフラグをちゃんと回収しているなと感じます。
二人の恋愛感情のベクトルとか、二人のセックス観とか、志帆の過去とか、そういったものが諸々しっかり影響を及ぼし合って、今巻のような展開になっているのでしょうね。
物語の展開的にも、どうしてもみわを中心に書くことが多くなってしまいますが、冴子のほうも裏でしっかりとフラグは立てていますね。
もちろん、バイトの後輩、優梨愛のことです。
この二人については、もう少し先にならないとそこまで重要な要素ではないので、さらっと流します。
普通に読んでもらってお解りの通りで、優梨愛が明らかに冴子のことを意識し始めて、影響されて冴子も、優梨愛のことを意識してしまっているという状況だけ理解していただければ十分かと思います。
それよりも、冴子自身も、みわに多くのことを与えていなかったことに気づいた、ということのほうが重要だと思いますね。
前述の通り、次回6巻は第二部の続きです。
みわと冴子、冴子と優梨愛、闇落ちたみわの次なる舞台etc.、第三部に繋がるワクワクな内容ですから、ぜひ読んで欲しいです。
注目ポイントは、なにげに人気な新キャラの登場です。
時系列です。
・冴子のバイトの後輩こと優梨愛に彼女ができる(優梨愛はノンケ)。
・冴子、みわに次なる恋への一歩を促すも、みわは「別れる原因となった人だから」と遠慮。冴子は、「フラれてくるならいいよ」と再度促す。
・冴子、今後、みわ以上に好きな人は現れないと思う。
・みわが、志帆のもとへ遊びに行く(告白しに行く)約束をする。
・みわ、一人暮らしをはじめる。
・みわ、沖縄の志帆のもとへ訪問。
・沖縄1日目。志帆と過ごす中で、「冴子への想いは恋じゃなかった」と自覚。夜、みわが同性愛者であることをカミングアウト。
・沖縄2日目。志帆、みわが自分に恋心を向けていることを確信。夜、みわが志帆に告白。
・沖縄3日目(最終日)。志帆が告白を断る。
・沖縄から帰ったみわは、引きこもる。死にたいと嘆くほどの闇落ち。心配して尋ねてきた冴子を突き放す。
・冴子のバイトの後輩優梨愛が彼女をフったことが明らかに。その流れで、優梨愛は、冴子のことが気になり始める。
・冴子のことを突き放していたみわだったが、自分に甲斐甲斐しくしてくれる冴子に一転して依存するようになり、身体を求める。一方の冴子も、自分を愛してくれなかったみわから都合良く使われていることに暗い感情を抱き、依存するみわを支配しようと考える。
・優梨愛とのやりとりで、冴子自身も、みわに多くを与えていなかったことに気づく。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) ようやく1番好きなキャラを語れる6巻が楽しみ
付き合ってあげてもいいかな 4巻 感想[百合作品]
こんにちは、伊吹柚子です。
百合作品の感想です。
付き合ってあげてもいいかな(4巻)
www.shogakukan.co.jp[著者] たみふる
[出版] 裏少年サンデーコミックス
[あらすじ]
私たち、付き合っていけるよね…?
初恋の先輩との再会で心が揺れるみわ。
その想いを隠しきれないみわの様子に、
冴子は苛立ちを募らせていく…。
「…あたし、みわに一度も好きって言われたことない。」
付き合ってるからって、
幸せで満たされてるなんて限らない。
リアルラブストーリー第4巻!(小学館より)
見事、フラグ回収です!!!(悪い意味で)
さて、その結果ですが。
これまでの感想記事(1巻、2巻、3巻)をご覧になった方、あるいは、この「付き合ってあげてもいいかな」が単なる百合作品ではなくリアルラブコメディであることの強調を意識されていた方であればお解りでしょう。
ズバリ、みわと冴子の交際終了でございます。
今読み返しても、私の書いていた感想記事は、二人が別れることを知っている人ならではの感想記事でしたよねぇ...。
これまでの感想記事に書き記した点や改めて思ったことなどを踏まえつつ、今巻はいつにもまして、展開に沿って詳細に見ていこうと思います。
はじめに、前回の続きですね。
初恋の相手、志帆にオールで二人きりの時間を提案されたみわでしたが、誘いは断り、連絡先交換をしてお別れ。その足で冴子に会いに行く、という展開です。
この場面はズバリ、崩壊の序章です。正確には、二人のパーソナリティ的に崩壊する未来は何となく見えていたので、崩壊の序章は1巻から既に始まっていたわけですが。なので、正確に言えば、二人の関係をダムに例ると、今回は、決壊に直結するヒビが入ったとでも言えましょう。
と言うのも、志帆からの誘いを断った理由にしても、志帆との連絡先交換でのやり取りにしても、明らかに、志帆への恋心が再燃しているからです。
これから更に展開を追って見ていきますが、この「志帆への恋心」が二人の関係を崩壊させる致命的なヒビになったことは間違いありません。
ただ注意すべき点は、この時点では、みわは自分の再燃した恋心を認めようとはしていないという所です。まだ再燃していないと思い込んでいる。だからこそ、再燃する前に冴子に会って、再燃しそうな自分を悟られないようにしながら、なんとか冴子との関係を維持しようと考えたわけです。
この場面でもう一つ重要なところは、みわがなぜ志帆への恋心の再燃を恐れていて、冴子を優先しようとするのか、というところ。
「当然でしょ」と思われるように、一般的にはもちろん、「彼女がいるので、浮気を誤解されるわけにはいかないから」です。
みわ本人もそんな感じのつもりです。でも、これでは正解にはなりません。
正解は、「自分なんかを彼女にしてくれている人(冴子)に不義理をしてはいけないから、浮気をしてはいけない」です。
もっと詳細に言うと、みわの深層心理は、「冴子は、自分を彼女にしてくれた恩人(もっとドライに考えれば、「交際可能な貴重な人材」)だから裏切ることはできないし、失ったらまたひとりぼっちになってしまう。でも、本当に好きなのは志帆だから、ここで志帆と一晩過ごしたら、志帆への恋心からは目を反らせなくなって、本当の浮気になってしまい、冴子を裏切ることになり、冴子にも嘘をつけなくなる。それなら、今のうちに志帆への恋心は無意識のうちに蓋をして、恋をしていないフリをして、冴子をつなぎ止めておこう。」という感じです。冗長な感じがしますけど、恐らく、心の奥底、本能的な感覚は、これに近いと思いますね。
これが、「志帆への恋心の再燃」が二人の関係を崩壊させる致命的なヒビになった原因です。
もしこれが、「志帆のことは好きだけど、冴子のことを本気で愛しているから、やっぱり冴子と添い遂げていきたい」という単純なものだったら、「志帆への恋心の再燃」くらいでは崩壊することもなかったでしょうねぇ。
これまでの1~3巻の感想記事では直接的に触れてこなかったのに、ここでさらっと書いてしまいましたが、この先、二人が別れる場面でも重要になってくるので改めて強調します。
つまり、以上のことからもわかるように、みわと冴子はお互い、特段「好き」という感情を高ぶらせて付き合ったわけではない(cf.1巻感想記事のリアリティポイント①)が、みわに関して言えば、相変わらずその域を抜けておらず、交際を続ける理由がそのままなのです。
もはや結論の多くを語ってしまいましたが、まだ冒頭です。。。
すみません、次。
みわとしては自分も冴子も上手く誤魔化した感じで、冴子は上手く誤魔化されたような感じで、二人は夏休みの終わりを迎えます。二人が部室に行くと、同級生と先輩のノンケ二人がカップルになっていましたね。
まあそれ自体はいつもなら流すところですが、今回ばかりは違います。
冴子は、この二人の恋愛に巻き込まれ(女のほうの先輩が、冴子と自分の彼氏が浮気しているのではないかと疑う)、「浮気相手ではないことの証明」の難しさを通して、「みわが志帆に想いを再燃させていないことの証明」ができないことに苦しみます。
そしてその後、みわと冴子は、以前に約束した通り、海に遊びに行きます。
さて、ここの場面も冒頭同様、たかだか数ページの場面なわけですが、二人の関係に入ったヒビを大きくするには十分な場面でした。
冴子が「来年まで自分たちは付き合っているだろうか」というようなことを言っているので、なんとなく読んでいてもお解りになるとは思いますけど、それより重要なのはその後。
それは、みわの答え。
「別れないよ絶対」
「私が手放したくないから」
「こんな私の彼女でいてくれるの、冴子だけ」
それこそ少女漫画とかであれば及第点な回答なのでしょう。
しかし、冴子が求めているのはそんなことではないわけです。
この答えが、みわの深層心理の現れであるとわかっていれば、尚更。
この答えを聞いた後、冴子はみわと距離を置きます。
自分の気持ちと、みわの気持ちをうやむやにして、当初の「なんとなく幸せな交際」を実現させるために、と自分に言い聞かせて。
しかし、みわはそんな冴子の思いなど知る由もなく、みわは避けられていることに対する不満を漏らします。
冴子「白々しいんだよ。自分は他の女に目移りしといて。」
「あたしが気づいてないとでも思った?」
そんなみわに思わず、本音をぶつけてしまった冴子。
自分で蓋をしたつもり、見ない振りをしたつもりの「志帆への恋心の再燃」を、冴子にハッキリと明らかにされてしまいました。
それでもいつものように、なんとなーく仲直りの機会を得ます。
とりあえず本当のことを言い合ってしまおうと。
みわは、「志帆への恋心が再燃しかけた」と。
冴子は、「みわに好きって言われたこと無い」と。
お互い、本音をぶつけ合って。
いつものように、仲直り。
そんなわけはない。
散々撒かれた、すれ違いの種。関係のヒビ。崩壊の流れ。
突如その時は訪れました。
仲直りしたね、じゃあ、いつもみたにヤろっか?
仲直りのセックス、良かったね。
冴子「たぶんさあ。あたしが耐えればいいんだよなあ......」
冴子「別にあたしじゃなくたっていいんでしょ?」
冴子「もういいよ、無理しなくて」
「自分に言い聞かせてるんでしょ?」
「幸せだって思い込まないとやってられないんでしょ?」
「別れよ。...別れてくんない?」
冴子「恋愛の好きじゃないでしょ」
まさしく、ダムの決壊です。
条件は揃っていたけど、その決壊の時はわからない。
これまでも私は再三にわたってこの作品のリアリティポイントを挙げてきましたが、これは、リアリティポイント④になりますでしょう。
なんとなく自分の中で落としどころをつけたつもりでも、積もり積もったものがあるので、ふとした拍子に、一転して決壊してしまう感情。
こういうの、ありますよね。
冴子も、恐らくはそんなリアルな感情の変化を起こしたのだと思いますね。
冴子の言葉の一つ一つが、これまでの二人の関係が終わるきっかけを物語っていますよね。
これまでと今回の感想記事、1~4巻の内容、そして、みわが志帆に恋心を再燃させたと判明した後の完(部活の先輩)と冴子のやりとりを踏まえれば、はっきりとわかるでしょう。
つまり、
1に、みわと冴子はお互い、特段「好き」という感情を高ぶらせて付き合ったわけではないが、みわは交際を続ける理由が「いい人が、自分と付き合ってくれたから」であるのに対し、冴子は、みわのことを確実に好きになっている
2に、冴子がみわを好きな気持ちは、盲目的なそれではないが、これまでにない感情や感覚を引き起こさせるほどのものであって、間違いなく恋愛感情である
3に、想いのすれ違いや相性のすれ違いがある中でも、お互いの利害で成立させていた
4に、そんな中、みわが志帆に恋心を再燃させてしまった状況は、愛されていない上に、みわに別の想い人ができてしまった冴子にとっては、到底耐えうるものではなかった
こういうことでしょう。
ただ、単純な回答としては、別れた後にバイトの後輩に漏らした冴子の本音で十分でしょう。
冴子「...ちくしょう。愛されたかっ...」
さてその後。
ちゃんと別れ、よりを戻す感じもなし。
お互い、気にしつつも、新しい人を探すんだろうなぁ、という感じです。
冴子の場合は、バイトの後輩、優梨愛の姿がちらつきます。
みわの場合は、志帆ですね(いろんな意味で)。
改めて、この作品は、百合作品ではありません。
リアルラブコメディです。
作者のもとに届いた多くの意見と同様、私も「みわと冴子が別れてこれ以上何を見るの???」と当時は思ったわけですが、この先も百合は続くわけですから、そこを楽しみに読むべきですよ。
ちなみに、8巻時点でよりは戻しておりません。
そういう意味でも、みわと冴子のカップリングガチ勢の皆様にも、まだ期待はあると思いますよ?
あとは、まだこれまでの感想記事で触れた点がすべてフラグ回収されたわけではないので、そういった意味でも、ぜひ続きを読んで欲しいなと思います。
それでは恒例、時系列を書いておきます。
・志帆の誘いを断る。連絡先は交換。みわは社交辞令ではないかと疑ったが、志帆は連絡を取り続けると伝える。
・志帆と別れたその足で冴子に会いに行く。志帆への恋心が再燃しそうになったことは伏せ、異性愛者のフリをして疲れたと誤魔化す。
・冴子、部活のメンバー同士の恋愛に巻き込まれ、浮気相手ではないかと疑われる。
・みわと冴子で海に行く。冴子は来年も付き合っている保証はないと言うが、みわは否定する。
・みわが志帆への恋心の再燃を隠していることに耐えきれず、冴子がキレる。
・本音を話し合って(実際はみわだけが本音)なんとなく仲直りしたが、ピロートークでついに冴子が限界を迎え、別れを切り出す。
・冴子はバイト先の後輩優梨愛との関係を深め、一方、みわは、冴子と向き合ってこなかった自分に気づく。
・二人は、とくに周囲に伝わるギクシャクはなく、友人としての日常を送る。どうやら、ノンケの優梨愛に、彼女ができたようだ。
以上。
伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) まさかのこの記事の執筆に4時間もかかってしまったアホ