NECESSARY EVIL

生まれ変わりました。necessary evilとしての人間になりたいです。百合作品を筆頭に、アクション映画、アニメ、マンガ、ゲーム、野球など雑多に書きますね。

アクション映画、アニメ、マンガ、ラノベ、ゲーム、野球など、とにかく色々。
統一感は無くとも情熱は本物です。
デザインはテーマ流用なので深い意味はないです。。。

結城友奈は勇者である 聖地巡礼2023 in 香川県坂出市,丸亀市,宇多津町,観音寺市

こんにちは、伊吹柚子です。

 

 

結城友奈は勇者である」(ゆゆゆ)シリーズのファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか。

結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」(ゆゆゆい)のサービスも終了し(個人的には、前回の聖地巡礼終了日とサービス終了告知日が同日になるという奇跡もありました)、残る正式展開は、ゆゆゆいのコンシューマ移行と「勇者史異聞 芙蓉友奈は語り部となる」だけとなりましたね。

熱を失うファンの方もちらほらと現れる中、私はと言えば、ボークス秋葉原のゆゆゆ特設ショップに行ったり、成田アニメデッキに行ったり、グッズを度々購入したりと、むしろ熱は高まっていく一方です。

そして、香川への愛も全く衰えておりません!

 

ということで、前回および前々回(初回)の香川旅行から約4ヶ月が経ち、再び香川へ聖地巡礼旅をしてきました!

2日間しか滞在できなかった今までと違って、今回は香川に3日間滞在する3泊4日旅。1月10日~12日の3日間滞在しました。相変わらずマイカー旅行にこだわったので、9日21時に出発して翌日到着、12日午後には香川を出て京都泊、13日に1日かけて帰宅するという旅程です。

 

今回も、ゆゆゆ・香川には関係のない部分はなるべく省いて、ゆゆゆ・香川にスポットを当てて旅行記を書いていこうと思います。

場所別に書こうかとも思いましたが、どのくらいの時間があればどこを巡ることができるのか、という観点で参考にしていただけると思うので、今回も移動順でご紹介します。

前回と同じ場所にもたくさん行っているので、同じような説明文になるのはご愛嬌、ということで...。

いざ参りましょう。

 

※以下、作品名はいずれも略称です(わすゆ=鷲尾須美は勇者である、のわゆ=乃木若葉は勇者である、くめゆ=楠芽吹は勇者である、ふゆゆ=芙蓉友奈は勇者でない)。

※撮影画像、動画ともにオリジナルです。

 

 

 

【1日目(1月10日)】

 

☆与島PA

9日の21時に出発したわけですが、途中仮眠を挟んでなお予定より2時間近く早い8時の到着。

当たり前ですが、与島PAは聖地ではないです。ですが、間近で瀬戸大橋を眺めることのできる場所ですから、ぜひ訪れて欲しいです。

 

 

☆イオン坂出店

銀ちゃんが愛してやまない「イネス」ことイオン坂出店。まだ8時過ぎですが、しっかり開いてますし、お客さんもそこそこいるんです。

わすゆ3人の訪れたテナントはもう無いようです。

あ、あと、このイオン坂出店は駐車場の料金システムが特殊です。帰りに自分の車のナンバーを入力しての自動精算が必須で、それを怠ると、料金を払わずに出庫することになり犯罪扱いになります。お買い物すればサービス券もらえるので、少しでもお金落としていきましょう。

[イオン坂出店:坂出市京町1丁目4-18]

 

 

坂出駅&香風園&坂出市郷土資料館

イオン坂出店の正面に坂出駅があります。

そして坂出駅から予讃線沿いに西へ数分歩くと香風園(こうふうえん)に到着。無料開放されてました。坂出市の旧家別邸の園庭らしいです。わすゆのOPに登場し、園子が軽快に橋を渡ります。実物は渡れません。

さらに西に数分歩き、北へ1つ道を移ると、坂出市郷土資料館にたどり着きます。神樹館のモデルとされてますね。それにしては小さいような...?でも、イネスに寄り道するには距離が近くて良いですね。

讃州中学校のカバンはグッズ化されてますし、神樹館のカバンもグッズ化してほしい。

ちなみにわたしの讃州中カバンはグッズ入れになってます。

[香風園坂出市本町一丁目3489-2]

[坂出市郷土資料館坂出市寿町一丁目3-5]

 

 

☆瀬戸大橋記念公園(瀬戸大橋記念館・マリンドーム)

車で移動し、やってきたのは瀬戸大橋記念公園。

色々施設はありますが、聖地としては瀬戸大橋記念館の展望台とマリンドームですね。

瀬戸大橋記念館は、散華した園子が祀られてた場所、大赦と潰しに行った風とそれを止めに行った夏凜・友奈・樹がぶつかった場所です。なにせ景色の良い場所ですから、こんな変なアングルで撮ってるのは絶対我々のお仲間ですね...(笑)

マリンドームは歴代勇者・巫女らの墓地です。イベントが開催されてちょうどいいと思えるほどたくさんの椅子があり、作品中ではそれが墓碑になってますね。

いずれにしても、瀬戸大橋がよく見えます。壁もよく見えるんでしょうね。

ちなみに、マリンドームの近くに、わすゆコラボ自販機があります。こういうの嬉しいですよね。

[瀬戸大橋記念公園坂出市番の州緑町6-13]

 

 

春日神

わすゆは、ゆゆゆやのわゆ、くめゆと異なり、このような市内の一風景みたいなのが結構多いです。

すべては回りきれないということでピックアップしたのがこの春日神社。休養日に3人で出かけた帰り道、お別れを言う銀に、須美が今生の別れのような恐怖を感じた場面アングルです。その後の遠足を経て、悪い予感が的中してしまうので、やはりここは少し特別な場所です。ここに訪れるだけで少し悲しい気持ちがします。

駐車場があるので訪れやすいですから、ぜひ訪れてみてください。

ちなみに、イオン坂出店から移動する場合は、瀬戸大橋記念公園に行くより先にこちらへ寄った方が良いです。わたしはここへ訪れる予定を忘れてただけです。

[春日神社:坂出市川津町3090]

 

 

丸亀城

さて、丸亀城です。のわゆの本拠地ですね。丸亀城敷地内別にご紹介します。

 

①資料館前

こちらは、丸亀城の資料館前です。のわゆにて、勇者の発表が行われた際のモニターがあった場所ですね。特別広い場所というわけでもないので、こんな場所に生き残った人類の多くが殺到したと考えると、ある意味恐ろしいです。

 

②三の丸

三の丸は、作中にはほとんど出てきません。アニメに出てくるというアングルも、私には見つけられませんでした(無念)。

 

③二の丸

二の丸は、千景が卒業証書を受け取った場所ですね。あれは悲しい回想でした。あんな感じでみんな仲良く勇者として過ごせていれば、少なくとも千景が暴走することはなかったんだろうな...としんみりしながら撮ってます。

訪れる時期を調整できるなら、やっぱり春ですよね。

 

④本丸

本丸は、丸亀城天守を眼前にした重要な場所ではありますが、作中にはほとんど出てきませんね。そもそも、アニメ化に際してノベル2冊を約4話に押し込める必要があり、その結果、戦闘シーンと千景関係、丸亀城内部など重要なシーンを優先的に描くことになったでしょうから、丸亀城敷地内というのはあまり描けなかったのでしょうね。

 

天守

天守は、神事をする際に登場しますね。本編で出てくるのは1階です。

入場料は大人200円なので、ぜひ入場したいところです。2階3階も見れますし。ただ、狭いですし、階段はめちゃくちゃ急です。神事はともかく、ここを大赦の実質的な活動拠点とするのは無理がありますね。

 

ちなみにですが、丸亀城内観光案内所では、グッズの取り扱いもあるみたいですし、高嶋ちゃんの生誕祭ツイートもしてくださっていました。

当のわたしは情弱故に、スルーしてました。次回は必ず行きます。

[丸亀城丸亀市一番丁]

 

 

ゆめタウン丸亀(ホビーゾーン)

実際には、丸亀城の後に「骨付鳥 一鶴 土器川店」に行ったのですが、聖地になっているのは「丸亀本店」ですし、写真もないので割愛します。めちゃくちゃ美味しかったのですが、後日、聖地である丸亀本店にも行き、全く同じメニューを食べたので、そちらで記します。

当初の計画では行く予定はありませんでしたが、時間が余りましたので、ゆめタウン丸亀と、3Fにあるホビーゾーンにも訪れました。

芽吹と亜耶がデートしてた場所ですね。原作ノベルのほうでは、あそこまでハイテンションな芽吹は見れないので、アニメならでは。亜耶にとっては奉火祭の生け贄になる前の最後の思い出だったと思うと、結構切ない場面ですよね。巫女が犠牲にならなくて良かったです。

ホビーゾーンの写真は自重しました。また、この度閉店となるようですね。致し方のないことですが、どんな細かい要素であれ、聖地が失われていくのは残念です。

[ゆめタウン丸亀丸亀市新田町150]

 

 

☆太助灯籠

こちらも当初は行く予定がなかったですが、時間が余ったので訪れました。

のわゆにて、バーテックスが襲来すると火を吹くアレ、太助灯籠(たすけとうろう)です。3基のうちWW2の難を逃れた1基のみが残り、補修・復元・移設を経ているようです。

近くには丸亀駅、更には1時間無料の丸亀市福島駐車場があるので訪れやすいです。

[太助灯籠丸亀市西平山町270]

 

 

☆宇夫階神社

さて、宇多津町へ移り、訪れたのはわたしの大好きな宇夫階(うぶしな)神社。

くめゆにて勇者候補生たちがしのぎを削った場所ですので、非常に象徴的な場所です。

1973年に焼失し、伊勢神宮の一部を拝領して再建したようです。非常に厳かで立派な神社で、静かで、地元の人もちらほら訪れに来ている様子がうかがえます。

写真では本殿しか映っておりませんが、境内末社の塩亀神社も聖地だということに後で気づき、翌々日再訪して撮影しているので、後で載せますね。

少し細い路地に入ったところにあるので、車で訪れる際にはご注意ください。

[宇夫階神社綾歌郡宇多津町1644]

 

 

☆道の駅 恋人の聖地 うたづ臨海公園

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お次は、うたづ臨海公園です。ゴールドタワーが近くにあるため、くめゆ組にもお馴染みの場所ですね。

わたしは夕海子推しということもあり、1枚目のアングル(アルフレッドの紅茶を寒空で飲んでいるシーン)を楽しみにしてたのですが、冬の午後の陽の位置を考慮しておらず、逆光が酷かったです。無念。映っているのは海と空のカフェで、2枚目の通り、瀬戸大橋がよく見えます。

3枚目のアングルは、うたづ海ほたるの西側で、ハート型のオブジェがあったとされる場所ですね。実際にはありませんが、錠前がついた置物は公園内にあります。

ゴールドタワーに限らず、水族館など色々な施設が近くにあるので、結構栄えている場所です。

[道の駅 恋人の聖地 うたづ臨海公園綾歌郡宇多津町浜一番丁4]

 

 

ゴールドタワー

うたづ臨海公園から徒歩数分、くめゆ組が拠点としていた大赦施設、ゴールドタワーです。その位置と大きさから、非常に目立ちますよね。

恐らく、ソラキンと呼ばれる展望塔が千景殿(せんけいでん)だとは思うのですが、いかんせん時間が無く、入場料1200円というのもあって、遠慮しました。

当然ですが、方角的に、またしても逆光の餌食になっています。

[ゴールドタワー綾歌郡宇多津町浜一番丁8-1]

 

 

宇多津駅

ゴールドタワーより北へ徒歩十数分、宇多津駅です。

アニメには出てきませんが、ふゆゆにて、リリ奈(芙蓉友奈)と柚木くんが壁調査に赴くために使ってます。

普通は駅のすぐ周辺が栄えているものですけど、宇多津は駅から若干離れた場所が栄えてますね。

[宇多津駅綾歌郡宇多津町浜五番丁49]

 

 

有明

宇多津町から車で約1時間、観音寺にやってまいりました。

日が暮れる前に、ということで訪れたのが有明浜。伊吹島を臨む、のどかな浜辺です。

日没が17時過ぎだったのですが、かなりギリギリでした。ただ、時間的にはまだそこまで遅くないので、家族連れがそこそこいましたよ。

聖地としては、勇者部が訪れていることが多いですよね。観音寺中(讃州中)や三架橋からも近いので、勇者部が訪れやすいのも納得です。

[有明浜観音寺市有明町]

 

 

☆カラオケまねきねこ観音寺店

観音寺の夜のお楽しみは、まねきねこ観音寺店です。

ゆゆゆの聖地としては、樹の歌の練習などで登場しますね。

ご存じの方も多いと思いますが、この観音寺店には「勇者部ルーム」と呼ばれる部屋があり、ゆゆゆ関係のポスターや、勇者部活動報告の卒業旅行DVDの際に撮影された写真などが飾ってあるんですよね。必ず一度は訪れたい部屋ではあるんですが、勇者部ルームはJOYSOUNDなので、LIVE DAMのようなP'sライブ映像付きの「ホシトハナ」「ハナコトバ」がないんですよね。わたしは前回の香川旅行で勇者部ルームに訪れていますし、香川でP'sライブ映像付きで歌うのが好きなので、普通の部屋に入ってます。

写真が雑ですみません。勇者部ルーム含め、丁寧な写真は前回の記事をご参照くださいね。

[カラオケまねきねこ観音寺店観音寺市栄町1-1-10]

 

 

 

【2日目(1月11日)】

 

☆道の駅とよはま

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2日目はすべて観音寺市です。伊吹島観光に時間を合わせて動きます。

ということで、開店直後の9時過ぎに訪れたのは、道の駅とよはま。

聖地ではないですが、写真や動画の通り、コラボ品やグッズ装飾が多くあり、また店内では、グッズ販売や生誕祭イベントなどを豊富に行っている、ゆゆゆファンなら必ず訪れたい場所です(店内撮影は自重しました)。オリジナルのスタンプカードもあります。また今回は、ゆゆゆグッズを一定額以上購入すると、ゆゆゆの(紙)袋が貰えるサービスがありました。最後に香川旅行での収穫品を載せておくので、どんな紙袋が貰えたかは、そちらをご参照ください。

県境にあるので、車で移動しないと結構遠い感じはありますので、車以外で移動する場合は時間をよく調整してくださいね。また、臨時休館などの情報は公式Twitterを確認するのが良いです。

[道の駅とよはま観音寺市豊浜町箕浦字大西甲2506]

 

 

一の宮公園

道の駅とよはまから観音寺港へ行く道中、一の宮公園に寄りました。こちらは前日とは逆に、午前中故の逆光に悩まされております。

大満開の章で登場した通り、キャンプ場などを備えた公園で、他にもテニスコートや海水浴場といった面もあり、賑わうときにはよく賑わうそうです。

[一の宮公園観音寺市豊浜町姫浜55-2]

 

 

伊吹島

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さて、いよいよ本命の伊吹島です。

聖地としては、4,5枚目の伊吹八幡神社と、6枚目の262号のみ。後は、島の至るところに「三好」さんがいらっしゃるということも楽しめるでしょう(琴弾八幡宮の音声観光案内でも紹介されてます)。このように、ゆゆゆ要素は少ないですが、それでも個人的にとても気に入っている島です。

伊吹島は、小さな離島ながら、いりこ漁業や芸術祭などで有名で、観音寺市の産業を支えています。自然豊かなのはもちろんのこと、琴弾八幡宮同様に猫がたくさん居たり、降船直後に島民や出稼ぎの方々がスクーターで次々と島内の急坂を登っていく様子は、なかなかに興味深いものですよ。

伊吹島を訪れるには、観音寺港と伊吹島真浦港を結ぶ「New IBUKI ll」というフェリーを使います。往復1200円、所要時間25分という点は特に問題ないのですが、問題は船の本数ですね。

観音寺港発 = 6:10 7:50 11:20 15:40 17:50

真浦港 発 = 7:00 9:00 13:30 17:10 18:30

以上のようにかなり限られているので(執筆時現在)、宿泊滞在しない限りは、1時間10分という島を回り切るには短い滞在時間か、逆に時間があまりそうな長時間滞在を選択することになります。長時間滞在でも良いとは思いますが、自転車を持ち込んだところで坂道は登れませんから、歩き続けるか、道端で休みながら島を一周することになりますね。

私は11:20~13:30の1時間滞在を選択し、聖地と生活施設(学校、商店、資料館)を優先して巡っています。その様子を動画にしたので(数十秒の動画数十本をただくっつけただけですが)、どうぞご覧ください。

また、これもゆゆゆとは関係ないのですが、良い思い出だったので、最後の写真について書かせてください。

わたしは13:30の出港に備えて、13:00頃には真浦港付近をフラフラとしていたのですが、その時、ある男性に話しかけられました。その男性は、島に着いた時にも見かけた、まるで仙人のような見た目の方で、ちょっと怖い印象を持っていました。どこから来たのか、島のどこを巡ったかなどを尋ねられ、いくらかお話をしました。すると、伊吹島のアートの1つである「ハートのベンチ」を見せてあげると言って、(出港まで時間がないことから)軽トラで連れて行ってくれました。

わざわざ連れて行ってくれたことと、ハートのベンチまでの豪快な運転だけでも良い思い出ではあるのですが、これだけでは終わらず、帰路の途中で突如、クリーンセンターの横にある、歩道ほどの幅しかない急坂で木の多い茂った道を下り始めたのです。ギリギリぶつからずも木をへし折りながらたどり着いた先が、写真の場所です。そこには、白くて数mの高さがある木の椅子がありました(椅子に座って軽トラを撮ったので、肝心の椅子本体の写真を撮っていないのですが、観音寺市のHPに紹介写真が載っています。「木のいす」と呼ばれています)。男性はその椅子の下に座り、木の椅子やロケーションについて色々教えてくれました。そして最後、衝撃的な言葉が。「こう見えてもアーティストなんだよ」と。

何を隠そう、この方こそがハートのベンチと木のいすの制作者の方だったのです。

短い時間ではありましたが、とても濃い時間でした。男性がおすすめしてくださったように、いつかは伊吹島に泊まってみたいです。

[伊吹島観音寺市伊吹町]

[観音寺港:観音寺市瀬戸町2丁目21]

 

 

☆銭形展望台


伊吹島から戻って早々に車で訪れたのは、聖地巡礼旅ではおなじみの銭形展望台。写真に写っているのは銭形展望台と銭形砂絵(後ろ2枚は、同日日没直後と20時過ぎのライトアップ)。

聖地としては、勇者部が銭形展望台で猫探しなどをしてましたね。

また、正確に言えば、聖地である前述の有明浜、本項の銭形展望台(銭形砂絵)、後述の琴弾八幡宮の3箇所と、こちらも後述する道の駅ことひき(+総合コミュニティーセンター、世界のコイン館)、そして今回の旅行では訪れていませんが四国八十八ヶ所霊場神恵院・観音寺など、これらすべてを包括して「琴弾公園」という観光地なんですよね。

銭形砂絵については、せっかくなので、友奈ちゃんの音声観光案内を参考にしてくださいね(音声は前回の旅行時にYouTubeにアップしたので、リンクをクリック!)。

[銭形砂絵観音寺市有明町14]

(※車で銭形展望台へ向かう際は、三架橋方面から琴弾公園内に入り、看板を元に進んでください)

 

 

☆道の駅ことひき

車での移動は駐車場が必須となり手間なので、道の駅ことひきでレンタサイクルを借りに来ました。

前述の通り、道の駅ことひきは琴弾公園内にあって立地的に便利なので、聖地ではないものの、観音寺観光ではよく使います。敷地内にあって、レンタサイクルやゆゆゆグッズ(DVDやTシャツなどが多い)販売などのサービスと上記写真に写っている展示があるのが総合コミュニティーセンターで、ゆゆゆグッズ(県内企業とのコラボ品が多い)のみならず多くの土産物を取り扱っているのが世界のコイン館です。

[道の駅ことひき観音寺市有明町3-37]

 

 

☆観音寺中学校

レンタサイクルで、まずは琴弾公園のすぐお隣、観音寺中学校へ。

見ればすぐわかる通り、勇者部が通う讃州中学校のモデルですね。内部は当然見れません。子連れで校区に引っ越して授業参観か、あるいは香川県の教師になって配属希望と運に任せるか、とにかく相当困難でしょうね。といっても、外観を撮るのも相当に配慮が必要です。

[観音寺中学校:観音寺市八幡町2丁目10-7]

 

 

☆三架橋

三架橋です。

聖地巡礼するならマストで訪れるべき場所ではありますが、恐らく観音寺に観光に来れば、嫌でも何度も通る場所ですね。というのも、琴弾公園観音寺市街地を結ぶ主要な通りだからです。それゆえ、新琴弾橋と三架橋は交通量が多いですね。

その歴史を見ると、どうやら1829年から存在するらしく、今の形は1935年に作られているそうです。日本百名橋にも選ばれています。流れる川は財田川。時間帯ごとに水位が全然違うので、潮の満ち引きの影響を受けていることがよくわかります。

聖地としての説明はもはや不要。わたしのお気に入りは3枚目のアングルです。アニメで登場したのはもちろんのこと、勇者部活動報告卒業旅行DVDでも、パーソナリティのお三方がここで「阻止せよ!樹海化」というコーナー撮影をしてました。

[三架橋:観音寺市観音寺町(香川県道21号線八幡交差点~三架橋交差点間の財田川上)]

 

 

☆???

逆光がひどいこちらは、夏凜ちゃんのマンション!

名前も住所も自重します(前回の記事には名前書いちゃったんですけど)

 

 

☆フレッシュショップトマト観音寺店

引き続きレンタサイクルで移動。白栄堂(スタンプラリーの協力店。銘菓・観音寺は「結城友奈は勇者部所属!」にもチラッと登場)でお土産を買いつつ、このフレッシュショップトマト観音寺店にも寄りました。

アニメにはチラッとだけ映ります。

品揃えは、大手のスーパーとは一線を画しますね。

[フレッシュショップトマト観音寺店:観音寺市坂本町7丁目11-27]

 

 

☆大正橋プラザ

大正橋プラザは観光案内所です。

聖地とは言っても、1枚目(遠目から)や2枚目(観音寺駅を臨む)のように、大正橋プラザ自体が聖地そのものという感じではないですね。

大正橋プラザ自体は、レンタサイクルのサービスのほか、ゆゆゆコラボのポスターや看板などがあります。

[大正橋プラザ観音寺市観音寺町甲1234-4]

 

 

観音寺駅南口

観音寺駅南口は、樹ちゃんがライブをやっていたところです。

通勤通学用の自転車が結構な台数並べられてます。

あと、南側の通りで、かぴばらの観音寺事務所がありました。

[観音寺駅観音寺市栄町一丁目4-30]

 

 

犬吠埼家のマンション付近

犬吠埼家のマンションは実際には存在しませんが、琴弾公園南側の細い通りを琴弾回廊方面に進んだところがモデルになっているとされています。

写真のアングルは、風が大赦を潰すために飛び出したところを、夏凜が目撃したところです。

[犬吠埼家のマンション付近:観音寺市有明町6~有明町7の辺り]

 

 

☆観音寺小公園

レンタサイクル返却時間(16:30)まで少し時間があったので、観音寺小公園にやってきました。三架橋交差点にひっそり佇む、小さな公園です。

聖地としては、勇者部が活動していた場所ですね。

市のHPにはなんの説明もないので、単に銭形砂絵が有名だから市が作った、くらいのことなんでしょうか?

[観音寺小公園観音寺市観音寺町甲2983-13]

 

 

手打ちうどん つるや

勇者部が何度も足を運び、風の女子力アップ!!に貢献してきた名店、つるやです。

「速い、安い、美味い」の三拍子揃った讃岐うどんを提供されるお店ということもあり、人の少ない時間帯でも必ず他に客がいると言っても過言ではないです。地元の人に愛されてるんだろうなというのが良く伝わってきます。

予めメニューを決めて店に入り、好きな席に座り、店員さんが来たら即注文。店に入ってすぐ右手にあるウォーターサーバーでセルフ冷水をとって2,3分スマホでもイジっていれば、あっという間に来ます。食べるのも速ければ、15分くらいで帰れてしまいますね。

わたしは毎回必ず肉ぶっかけうどんです。

[手打ちうどん つるや:観音寺市坂本町三丁目7-18]

 

 

☆萩の湯

萩の湯は、健康ランド的なスーパー銭湯です。

特に聖地というわけではないですが、スタンプラリーの協力店だったり、写真のような看板が立っているので、時間に余裕があったら訪れたいですね。

今回はこの写真と撮るだけで帰りました。なかなか市民の憩いの場に割って入っていく勇気は無いです。

[萩の湯観音寺市大野原町大野原1509]

 

 

☆新琴弾橋

呼吸器不安でカラオケにも行けず、次の夕食にはまだ早い(つるやのうどんは夕食part1です)ので、新琴弾橋へ。

写真ブレブレでわかりにくいですが、河口のほうを向いて撮っています。

聖地としては、大満開の章にて、友奈が祟られたことに怒った夏凜が、天の神に怒りをぶつけにいく直前のところです。

[新琴弾橋:観音寺市西本町1丁目から有明町2丁目を結ぶ財田川上]

 

 

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夕食part2は、「骨付き鳥 観音寺」にて、骨付鳥のおやです。

骨付き鳥の名店「骨付鳥 一鶴」は、訪問時にはおやどりの提供を中止していたので、おやは初めて食べました。ちょっと小さいのが店の違いなのかおやひなの違いなのかはわかりません。

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【3日目(1月12日)】

 

旅行的にはまだ最終日ではないですが、本日は京都泊ということで、香川とはお別れ。お世話になった観音寺グランドホテルに別れを告げ、香川を出発するまでの時間、行きたい場所を数カ所、再訪します。

新規訪問は、「骨付鳥 一鶴 丸亀本店」のみです。

 

 

まず、一の宮公園に再訪し、アニメアングルに再チャレンジしてみました。

ただ、よくよく考えると、今回も朝方なので、陽の位置が変わらないだろうという。

 

 

前日に「時間がないけど訪れるべきところ他にあるかな?」とTwitterにて呟いたところ、フォロワー様より、大黒屋をオススメしていただいたので、訪問。

販売品然り、ファンの持ち込み然り、想像以上にゆゆゆ色の強いお店でした。

そしてわたしは何を思ったのか、コラボ品を買うことなく、店員さんのオススメ通りに通常通りの寛永通宝を購入させていただきました。次は必ずコラボ品買います。

おまけにみかんを2つ付けてくださいました。親切なお店です。

 

 

朝ということもあり、すぐに撮ってすぐ去りました。逆に怪しいですかね…?

逆光リベンジは成功です。

 

 

展望台だけでなく、琴弾八幡宮のほうにも参拝しました。

祝詞を唱える時間はさすがになかったです。

猫は相変わらず、人に慣れた感じで数匹歩いていました。

 

 

道の駅ことひき内、世界のコイン館にてお土産購入タイム!

うどん、観音寺ステッカー、ゆゆゆグッズを購入しました。

こちらは前述の通り、県内企業とのコラボ品が多いので、ぜひ訪れてみてくださいね。

 

 

つるやでうどんを食べて観音寺市とはお別れしようと思ったのですが、臨時休業でした。

ということで、またしても道の駅とよはまです。

前日の購入品に加え、乾パンと、若葉様のストラップをもう1つ(使う用で)買いました。そして、特典のゆゆゆ紙袋は昨日と同じものを選びました。表裏でデザインが違うので、2枚あると同時に両面楽しめますね。

 

 

観音寺市を離れ、宇夫階神社にやってきました。

前々日に撮りそびれた境内内の塩亀神社も撮影。そして、本社も合わせて参拝。

 

 

☆骨付鳥 一鶴 丸亀本店

お昼は、骨付鳥一鶴の丸亀本店!

骨付鳥一鶴の中でも、丸亀本店こそが、千景の回想に出てくる聖地です。

訪問時には、おやどりの提供を停止していたので、必然的にひなどりを食すことになるわけですが。王道の食べ方を考慮すると、ひなどり+おむすびのセットが一番いいですね。わたしは、鶏(ひとくち目はとても熱い)→キャベツ(タレに浸す)→残りの鶏→むすび(〆、タレに浸す)の順番が一番好きです。

つるやのうどんにせよ一鶴の骨付鳥にせよ、ゆゆゆのキャラが好きだから義務感で食べ始めたわけですが、一度食べてしまえば、もはやキャラ関係なく、その美味しさのとりこになりますね。

 

 

香川の最後は、うたづ臨海公園です。

逆光リベンジに来たわけですが、一の宮公園と同じで、再訪した時間帯が同じなので、陽の位置が同じという。

 

 

グッバイ香川!!!(名残惜しすぎて、坂出市を経由している途中の写真)

 

【収穫品一覧】

・観音寺×3(白栄堂)

・プチケーキ、ふりかけ(道の駅とよはま)

・うどん×4、まちあるきパンフレット(道の駅ことひき)

寛永通宝、頂き物のみかん(大黒屋)

・広報うたづ(うたづ臨海公園)

・夏凜グラス×2(道の駅ことひき)

・アクリルキーホルダー×5、わすゆ乾パン、夏凜マフラータオル、夏凜タペストリー、グッズ購入特典の紙袋×2(道の駅とよはま)

 

 

 

というわけで、帰路の寄り道なども含め、3泊4日、総走行距離1922km、総走行時間30時間44分の聖地巡礼旅でした。

わたしが実際に訪れた旅程ということで、再現可能性はあるものではありますが、高屋神社に行けないなどの難点はありますね。その辺は、伊吹島を省略するなどするしかないのかなと思います。

また、つるやは、定休日の火曜日を避けても、臨時休業の可能性があるので要注意ですね。

香川県内のすべての聖地を踏破するには、一週間は必要です!

 

 

いずれまた、必ず、再訪しますよ香川!!!

 

 

 

 

以上

 

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 香川が京都大阪から2時間圏内なら移住してたかもしれない

リコリス・リコイル Ordinary days 感想

こんにちは、伊吹柚子です。

 

ノベルの感想です。


リコリス・リコイル Ordinary days

dengekibunko.jp

[著者] アサウラ [原案・監修]Spider Lily

[イラスト]いみぎむる

[出版] 電撃文庫

[あらすじ]

「喫茶リコリコへ、ようこそ!」
 あの破壊された旧電波塔をのぞむ東京の東側にあるオシャレでおいしいカフェ――それが、喫茶リコリコである。
 本作はオリジナルテレビアニメーションリコリス・リコイル』では描かれる事がなかった錦木千束や井ノ上たきななど、看板娘たちが織り成すありふれた非日常のちょっとした物語。
 おいしい甘味に、ガンアクションに、ゲームに、人情ドラマ、ゾンビと怪獣にロードムービー……そしてほのかに愛!? もちろんコーヒーに人助けだって!!
「どんなご注文も……おまかせあれ♪」
 そんな日々を積み重ねていくことで彼女たち絆が生まれていく――オマケ付きお菓子のバラエティパックのような何でもありの詰め合わせを原案者自らがスピンオフ小説化!(電撃文庫より)

 

 

リコリス・リコイルといえば、言わずと知れた大人気アニメです。

原作はアサウラ先生。例え著書を読んでいなくとも、ラノベ好きなら自然と名前を知っているレベルのお方で、芸人ラジオ好きなら『爆笑問題カーボーイ』リスナーとしても有名なお方。

イラストレーターはいみぎむる先生。この方も、『この美』などで有名なお方。

 

私は最初、百合要素のある作品として観始めましたけど、実際はさほどって感じですね。百合として二次創作や妄想を広げる方は多いですけど、制作陣(特に声優さん)があまりその方向の解釈を好んでいなさそう…って感じがします(ミカと吉松氏の関係は許容されてるのになぜ...!)。

まあその辺は個人の解釈に任せることにして。

 

今回のノベルは「日常的な非日常」を描いたスピンオフ。

内容的には完全に視聴済みの人向けって感じです。というのも、主要キャラや作品の背景が何も詳細に記述されてないので。

また、多少ネタバレになりますが、アニメ本編の敵は一切出てこず、完全に喫茶リコリコとその関わりの中での物語になります。あと、アニメ本編の前半のほうの話かと思われるので、たきなさんがまだ狂犬です(意味がわかる方は、リコラジリスナーですね)。

 

以下、内容に移ります。本格的なネタバレを伴いますのでご注意ください。

 

 

 

構成としては、1話~5話に、各話イントロダクションがついて、全話の後にアウトロダクションがつくという構成。

明確な時系列はないですが、1話が時系列の全体を覆っていて、2話から5話が間に入っているという感じでしたね。その2話~5話は重複部分があって明確には区切れませんが、物語の核心をもとに並べると、

1話前半~2話~4話~4話終わり・5話の序章~5話~1話後半

となり、3話が1話後半までのどこかしらに相当する感じでした。

 

そして、各話の概要ですが、

1話:たきなが新しく常連となった50代早期リタイアサラリーマンに恋をした!?

2話:ちさたき(千束&たきな)のガンアクション

3話:たきなのまかない飯問題

4話:世界のゾンビ化、ちさたきのゾンビ討伐旅(2話の仕事終わりの夢オチ)

5話:常連客の女子中学生・カナを巡る物語(実質メイン?)

という感じですね。

そもそもリコリスであるという時点で「日常ってなんだ」って感じですが、公式の「日常の非日常」という表現を踏まえると、まさしく2話・4話がそれに当てはまると思います。

読者によっては、5話こそが「日常の非日常」だと捉える方もいるとは思いますが、私は、5話は「わりと、非日常のような日常」だと思います。現実を憂う、悪い意味でも。

 

その5話ですが。

なかなかに重かったですね。

 

事の発端は、アニメでもおなじみの常連客の漫画家・伊藤が発した疑問――「常連客の女子中学生であるカナの様子がおかしい」、具体的には「中学生なのに、交通費も飲食費も毎度数千円単位になる、遠方への喫茶店に頻繁に来れるのはなぜ?」というもの。

これだけなら、1話~4話の流れからしても、面白可笑しい感じになるのかと思いきや、全然そんなことなかったです。話が進んでいくことに明らかになっていくカナの生活が、酷いものでした。

父親が浮気相手と再婚したために母親は蒸発、カナ自身は継母とは一線を引きつつも不仲という家庭。学校では権力者の(孫)娘・溝隠とその取り巻きに性的な嫌がらせをされ、担任・石原は自己満足で有り難迷惑なお節介を焼かれて迷惑しているという有様。そんな苦境を唯一忘れられる瞬間が、「カナ」という偽名を使って訪れる喫茶リコリコでのみんなとのひとときだったわけです。

正直、これだけでもアニメ本編より重い内容だなって感じです。ただ、現実、こういうのってあるんですよねぇ...。非日常という感じはないです。

 

しかもこれだけでは終わらず、溝隠はカナの裸の写真を脅しに使って、彼氏の買春&薬物グループにカナを売り込もうとしたり、石原が実は性犯罪教師だと知っていて、カナを襲わせるように仕向けたり。

ここまで来ると悪い意味で非日常感出てきますけど、実際のところ、これが日常の地域はありますからね。日本にも。

そんな中でも、非日常と言えるのは、カナが『溝隠と取り巻き2人、父親と継母の計5人を銃殺する計画』を立てて拳銃を持ち歩いているということでしたね。

 

このノベルは、時系列を巧く分断しつつ、相互に要素を絡めています。

そもそも、なぜカナが拳銃など持っているのか?

それは、2話の終わりに標的を追いかけていたちさたきを偶然見かけたカナが、2人を追いかけて電車に乗った結果、標的が座席に隠しておいた拳銃を偶然見つけてしまい、拾ったからでした。

本物の拳銃かどうか確かめるために人のいないところで木に1発ぶっ放して、天の助けを得たと言わんばかりに「やったぁ...」と呟くカナの姿は、カナの苦しみを如実に現してます。

 

それからの結末に至る経過は、いくらネタバレといえど、実際に読んで欲しいので詳細には書きません(見所は、カナと石原の対峙と、千束がカナをどのように救うかです)。

結果としては、担任の石原にはミズキからの私刑が下り、カナの裸の写真がクルミによってネットの海から消し去られたことによって、とりあえずの解決を得ました。

こうやって解決まで持って行けるのは、我々にとっては非日常ですけど、リコリコにとっては日常と大差ないんでしょうね。

 

単純な感想としては、「暗い」「重い」「拳銃」「少女の悲劇」なので、「ブラック・ラグーン日本版か?」って感じでした。制作陣はガンスリンガー・ガールみたいな作品を作ろうというところからスタートしてるので、あながち間違いじゃないと思うんですが、どうでしょう(私はガンスリンガー・ガール観たことないです)。

 

あとは、疑問点が2つ。

まず単純な疑問としては、「カナはなぜ溝隠から裸の写真を見せられて驚いたのか」ですね。

最初読んだ時は、写真を撮られたことに驚いたのかと思いましたが、そもそも直接撮られているのだから知らないはずはないですし、さらに、拳銃を手に入れる直前に「写真を撮られたり」と嘆いており、写真を見せられた時には既に拳銃を持っていますから、時系列的には当然写真を撮られたことは知っているはずです。何に驚いたんでしょうか?

また、疑問とはちょっと違うかもしれませんが、カナの処遇がどうなったのか気になります。

クルミ・ミカ・ミズキの会話によれば、「児相・警察に通報して終わりでは千束が満足しない」とのことですので、カナには児相・警察とは違った対応がなされるはずですよね。児相の場合だと、一時保護の後にカナを現在の父親・継母のいる家に戻す可能性はありますが、それだと児相とは違った対応にはなりません。実母のところに送るのも同様です。何より、いずれにしても、カナは父親・継母を殺したいほど憎み、実母には捨てられているから愛情に期待できないという状況なので、千束的にあり得ません。

その他だと、施設や里親がありますけど、必然的に住居が変わる上に金銭や時間の制限が大きくなって、これだとリコリコに通えなくなりますので、児相と違う対応という観点からも、カナの幸せという観点からもナシです。

さてそうなると、他に手段があるのか...ということで、カナの処遇が疑問です。

一番現実的なのは、リコリコの常連に養子縁組できる人がいて、その人の子になるのが一番でしょうね。現実的、といっても、超法規的組織であるDAの力を借りないといけませんが。

引き取り手の問題とは別に、今回敵対した人間たちからの報復対策もどうなったのか知りたいところですね。千束が絡んでいる以上、みんな生きているわけですが、かといってカナを半永久的に保護するのも難しいでしょう。親が権力を持っているだけの溝隠はともかく、反社組織や、社会的に死んでいて失うもののない元担任・石原は、何をしでかすかわかりません。

 

 

 

 

ということで、感想でした。

恐らくリコリス・リコイルの設定は結構細部まで作り込んでいるはずなので、あえて下手な考察はせず、感想と疑問を織り交ぜての紹介をするに留めました。

スピンオフにしては読み応えのある作品でしたが、もうちょっと考察の余地を狭めて、すっきりできる詳細な描写が欲しかったなとも思います。読解力のないわたしの問題でしょうかね。。。

 

 

※追記

メロンブックスの特典ブックカバーにある書き下ろしSSでは、エリカが芸能スカウトに目を付けられていましたね。文字通りの内容で、特に何の変哲もない話ではありますが、エリカにスポットが当てられているのは良きだと思います。「エリカ要素がもっと欲しかったなぁ」という方は、エリカ役の八神結香さんがゲストとして参加したリコラジ第19回をお聴きください。

youtu.be

 

 

 

 

以上

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 狂犬たきなさんも、千束に絆された少女たきなさんも好き

私の推しは悪役令嬢。 5巻 感想[百合作品]

こんにちは、伊吹柚子です。

 

百合作品の感想です。


私の推しは悪役令嬢。(5巻)

[著者] いのり。(原作)、青乃下(漫画)、花ヶ田(キャラクターデザイン原案)

[出版] 百合姫コミックス

[あらすじ] 

平民運動への関与からレーネが追放されて以降、
ふさぎ込みがちなクレアと、どうにか元気づけたいレイ。
そんなある日、クレアが「お姉様」と呼び慕う
隣国の王女・マナリア=スースが王立学院に転校してくる。
最大のライバルの出現に、レイがとった行動とは…。

推し一筋のラブコメ・ファンタジー、第5巻!(Amazonより)

 

 

感想へ入る前に。

アニメ化おめでとうございます!

wataoshi-anime.com

制作会社もクレア役声優さんも目立った実績があるわけではないですし、本作自体が百合界隈で特別有名な作品というわけでもないですが、作品自体は文句無しに良い作品ですから、ぜひ皆さんにも観て欲しいですね。

漫画しか読んでないよ~原作は完結までおあずけ~という私が薦めるのも変な話かもですが...

 

さて。

1~3巻の感想の時点では申し訳程度の設定だと思っていた魔法設定がしっかり活かされ、なかなかストーリー重視だった4巻でしたが、今巻は魔法設定も引き続き活かされつつ、百合要素厚めなストーリー展開となります。

というのも、隣国の第一王女にして『クレアの初恋の人』、マナリア(マナリア=スース)が留学と称して学園にやってくるからです。

 

マナリアはビジュアルだけだと男か女かよくわかんない少女ですけど、その見た目通り、クールで同性を惚れさせるタイプの美人ですね。加えて、茶目っ気や怖さもある感じの。......誰かに例えようとしたのですが、短編はともかく、ヒット作には意外といないタイプかもしれません。

 

このゲーム世界の主人公プレイヤーとしての現世から転生してきたレイは、当然、マナリアが『クレアの初恋の人』であることを知っており、浮かれるクレアを見て早々にヤキモチを焼き始めます。

レイは、男に負けるならともかく同性に負けるわけにはいかないというスタンスのようですね。ちょっと不思議なようですが、『クレアがノンケで、クレアの幸せが一番』という理屈には適っています。

ちなみに、クレアが母親を事故で亡くしたときにクレアの心を救ったのがマナリアで、当時はマナリアを男だと思って惚れたとのこと。しかし女と判明してなお惚れ込んでいる辺り、ノンケで同性愛を否定しつつも、結構いけるクチですよねクレア様(歓喜)。

 

こうしてやってきたマナリアは、「後継者争いから落ちて事実上の国外追放にあった」という爆弾発言をしつつも、見た目に違わず、あっさりと何人もの女の子を落としていきます。

同様に、魔法がとてつもなく強い(レイよりも)とか、レイも落としにかかるとか、まあ見事にこの手の美少女のステレオタイプ的な行動をしたり、属性を持っているわけですね。

ステレオタイプというと悪い印象を与えるかもしれませんが、ストーリー的に面白くなるからそのようなステレオタイプが存在するとも言えます。それに、ステレオタイプのわりには有名作品にあまり出てこないですし、この作品においても、初めての同性ライバルですからね。ありがたい存在です。

 

そんなこんなでマナリアは散々クレアにちょっかい出してはレイをやきもきさせ、ついにはレイの『自分が結ばれなくてもクレアさえ幸せならそれでいい』というスタンスまで真っ向から否定。

 

そして、ここからの流れはある程度読める展開かもしれませんが、読んでいて非常に面白いものでした。

 

ムキになったレイは、マナリアの実力を知っていながら戦いを挑まれ、魔法勝負で見事完敗。そして、心配して声をかけてきたクレアに対し、マナリアへの劣等感と嫉妬心を遺憾なくぶつけ、ついにはメイドを辞すことに。

メイドを辞したレイは廃人も同然。クレアも、母親、メイドのレーネに続いて、レイまで去ってしまったことによって泣きはらす日々(元は憎き平民のレイが、母親やレーネと同列に並んでいるところがポイントですよねぇ)。

 

そんな状況を見かねたのは意外にもマナリア。結末は当然後述するのですが、その結末からしても、ここはマナリアが本心からレイにぶつかってきた場面なんだろうなと思います。

マナリアは、クレアを諦めたレイを糾弾し、諦められるわけがないと主張。なぜそうして糾弾し、そうして主張できるのか。自分語りを始めます。

何を隠そう、自分(マナリア)も同性愛者であると。

従者に長らく片想いしていたが、ある時その想いに蓋をし切れず、彼女を慰み者(時代設定を考えれば、いわば『性奴隷』)にし、彼女が去った後はショックで娼館に入り浸り、ついにはそれがバレて国外追放にあったと。

たくさんの女の子を落とすクール美女にありがちな、「本当の想い人は1人だけ、そしてもうこの場にはいない」パターンですね。そうじゃないと、ただの軽薄なキャラになってしまって魅力がなくなってしまいますから、こういう背景があることで、マナリアは存在する意味があると思います。

 

苦しい過去を語ったマナリアですが、結論どういうことなのかとレイに問われると、まさかの「次はクレアを慰み者に」しようと言い出します。

失意と劣等感と嫉妬心で廃人と化していたレイも、もはやクレアをマナリアに託す選択はないと悟り、再度勝負を提案。すでに決着はついているというマナリアに対し、『アモルの祭式』での勝負をもちかけました。供物を天秤にかけ、その(想いの)重さによって決着をつけるという権威ある勝負です。マナリアは、自分が勝ったらクレアだけでなくレイも慰み者にもらうという条件で引き受けます。

 

そして当日。レイが現れる前にマナリアは早々に供物を提示。マナリアが持ってきた供物は、最も重いと言われている『フロースの花』という供物。もはや誰もが勝ちを疑わず、クレアさえマナリアが本気だと考えてマナリアの勝利宣言のキスを受け取ろうとする...

 

レイ「ちょーっと待った!」

 

そんな『逆』激アツな状況で登場したレイ。誰もがマナリアの勝利を疑わない中でレイが天秤にかけた供物は、木の枝。この時点では未知の、『フロースの花』よりも重い極レアアイテム。

 

よほど重要な場面以外では、特に恋愛絡みでは転生前のゲーム知識を積極的には活用してこなかったレイ。それでも今回は未知のアイテムを使って勝ちに行くくらい、何が何でも勝たなくてはならない勝負であったと考えていましたということです。

レイにとっては、「クレアが幸せならそれでいい」ではなく、「自分がクレアを愛して幸せにする」というスタンスへの転換点になったわけですね。

 

しかしこれでは終わらなかった。

敗北したマナリアは、「レイこそが本命だった」と高らかに白状します。レイの反応が良くてクレアにちょっかいを出していたと。つまりは、勝負のおまけのように言っていたレイの慰み者化こそが本命だったということですよね。未知のアイテムで負けた時には本気で驚いてましたから。ただ、「伴侶として相応しい」と言っているくらいなので、『慰み者』というのは方便でしょうね。

マナリアは白状のままにレイにキスしようとしますが、これをクレアが阻止。

 

クレア「レイはわたくしのものよ!」「わたくしのものをとらないで!」

※見物人たちの前で絶叫

※所有物宣言

※「平民」→「レイ」への一気昇格

 

 

マナリアは降参し、第一王子が暗殺されて後継者争いが振り出しに戻った母国へ呼び戻されていきましたとさ。

一応、その暗殺がレーネの件と関わりがあったりするんですが、今回は百合漫画としての感想ということで、その辺はご容赦をば。

 

 

ということで、総論。

マナリアというクール&タチ系の同性愛者の登場によって、レイはクレアと結ばれる道を志し、クレアの中でレイが『平民の従者』から『レイ』に昇格することになりました。クレアも、マナリアに惹かれて口づけをしそうになる辺り、『ただのストレート』から『好きになった人が女性だったストレート』になる期待を持てます。

特にわたしが好きだったのは、レイが自棄になってメイドをやめるところですね。当初のレイだったらそんなのも大したダメージじゃなかったのでしょうけど、良くも悪くもマナリアによってクレアへの想いを焚きつけられたことで変わりましたね。やっぱライバルがいないと恋も進展がないということでしょうか。

また、レイとクレアで盛り上がるのも良いですが、まだちょっとマナリアにも謎は残りますね。

マナリアはレイの反応が楽しくてクレアにちょっかいを出していたと言ってはいますが、それにしては暗い過去を話して発破をかけるのはちょっと不自然だなと思いますね。発破をかけるだけならともかく、暗い過去の話をする必要があるのかと。なので、マナリアは明るく自然に「レイが本命、レイが可愛いからからかった」なんて言ってますが、結構マジにレイに惚れた部分もありそうです。少なくとも、過去に1人の従者を本気で愛したことはありますからね。

加えて、マナリアがクレアにちょっかいを出そうと思ったのは、ロッドが「レイはクレアにぞっこん」と言ったからで、もしそれがなかったらどうなってたのかは気になりますね。普通に落としに行ってたんですかね。

あと、マナリアの本命がレイだったというオチ、冒頭で『ゲーム内ではマナリアは主人公の味方』という説明があるので、これである程度想定はできたかもしれませんね(百合脳の我々なら)。

 

 

さて次巻はバカンスとのことで。めっちゃ気になりますけど、あえて原作は読まずに漫画版を待ちます。

 

 

以上

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 本作のWikipedia英語版(I'm in Love with the Villainess)も必読

ジェンティルドンナ ~Gentildonna's memorial~

こんにちは、伊吹柚子です。

 

 

今回は、競馬歴10年以上の私が最も愛する馬、ジェンティルドンナの記事です。

ジェラルディーナが悲願の重賞制覇を果たしたタイミングで、以前別ブログにて書いていた記事に、それなりの加筆修正を加えたものをこちらで再投稿します。

どちらかというと、当時を詳しく知らない方向けです(ウマ娘からのご新規方など)。

デビューから引退まで、集められる限りのデータや勝利レースの動画などを掲載しています。

(最終更新 2022/11/13)

 


ジェンティルドンナ -Gentildonna-

(※当時の写真データが残ってないので、当時の自身のツイートから保存しました)

【品種】サラブレッド
【性別】牝
【毛色】鹿毛
【生年月日】2009年2月20日
【登録日】2011年5月4日
【登録抹消日】2014年12月28日
【血統】別欄参照 
【調教師】石坂正栗東
【馬主】サンデーレーシング
【生産者】ノーザンファーム
【出資額】一口85万円(総額3,400万円)
【総賞金】1,726,030,400円
【成績】19戦10勝
【馬名の意味】貴婦人(イタリア語)

 

 

☆血統

近親:ドナウブルー(重賞勝ち鞍は、京都牝馬S関屋記念。産駒にドナウデルタ

ジェンティルドンナのきょうだいについては、netkeiba「ドナブリーニ」を参照のこと。

 

 

POG紹介

www.sundaytc.co.jp

目を閉じても馬体のラインを思い出せるほど、一瞬で人目を引きつける美しい佇まいが本馬の特徴です。…(サンデーTCより)

 

 

☆総合成績

 

 

☆レース備考

シンザン記念

 先行差し切り。1人気4着トウケイヘイローは後に重賞4勝+香港カップ2着。

チューリップ賞

 熱発明けで末脚振わず。勝ったハナズゴールはその末脚と血統、馬主から人気を博し、後に京都牝馬Sと豪州G1を制覇。2歳女王ジョワドヴィーヴル3着。

桜花賞

 2人気ながら実質的な評価は低かったが、4角10番手から差し切り勝ち。2歳女王ジョワドヴィーヴル6着。

優駿牝馬オークス

 桜花賞以上に実質的な評価は低かったが、4角15番手から5馬身差千切って差し切り勝ち。次週のダービーより速い走破タイムを出した(レコード、2着ヴィルシーナはダービーより遅い)。4着アイムユアーズは後にクイーンS連覇。

ローズステークス

 先行逃げ切り。ヴィルシーナ2着。

秋華賞

 先行逃げ切りを図ったヴィルシーナを、4角10番手から差し切り勝ち。5着チェリーメドゥーサが途中でマクって大逃げする波乱の展開だった。ヴィルシーナはこれで4戦連続でジェンティルドンナの2着。次走もエリザベス女王杯で2着となるが、後にヴィクトリアマイルを連覇。3着アロマティコは後に牝馬重賞戦線で活躍。

ジャパンカップ

 直線で垂れてきたビートブラックと内にヨレてきたオルフェーヴルに挟まれて進路が無くなったが、オルフェーヴルを強引に退けて進路を取りに行き、オルフェーヴルと競り合いながらもハナ差差し切り勝ち。3着ルーラーシップはQE2世Cを制覇するなどこの年がピークだった。この年のダービー2着馬で後に天皇賞春を連覇するフェノーメノは5着。凱旋門賞馬ソレミアが14着。

ドバイシーマクラシック

 セントニコラスアビーの2着。セントニコラスアビーは次走コロネーションCを3連覇するなど生涯で欧米G1を6勝。4着ドゥーナデンは香港ヴァーズなど国際G1・3勝、6着シャレータは凱旋門賞2着のほか欧州G1・2勝。

宝塚記念

 宝塚記念特有の馬場に適応できず3着。勝ち馬ゴールドシップは後に宝塚記念を連覇するなどパワーを要するG1を得意とし、G1・6勝の実績を持つ。フェノーメノは4着。

天皇賞

 先行馬総崩れの中で唯一粘ったが、ジャスタウェイの末脚に屈して2着。ジャスタウェイはG3しか勝ち鞍がなかったがこのレースで覚醒し、後にドバイDFドバイターフ)と安田記念を制した。2010年ダービー馬で前年の覇者エイシンフラッシュは3着、シンザン記念以来の対決となったトウケイヘイローは10着。

ジャパンカップ

 史上初のジャパンカップ連覇。逃げ馬不在で勝ちタイムが非常に遅くなったことが話題になった。2着デニムアンドルビーは後に宝塚記念で2着。ヴィルシーナは7着、押し出されて逃げたエイシンフラッシュは10着、ゴールドシップは15着だった。

京都記念

 先行するも全く粘れず6着。勝ったデスペラードは後にステイヤーズS連覇。4着ラキシスは後にエリザベス女王杯を勝ち、産経大阪杯ではダービー馬キズナに完勝した。

ドバイシーマクラシック

 直線進路を失いながらも差し切り完勝。2着シリュスデゼーグルの鞍上C.スミヨンはジェンティルドンナを意識して進路を塞いだが完敗だったと述べた。そのシリュスデゼーグルは生涯で欧州G1・7勝の名馬。次走のG1ガネー賞では、オルフェーヴルに圧勝するなどして凱旋門賞を連覇したことで知られる名牝トレヴに勝利し、3走後のG1コロネーションCでは、トレヴゴールデンホーンを相手に凱旋門賞で2着2回のほか欧米G1・4勝の実績を持つ名馬フリントシャーに勝利した。また、2012年のドバイシーマクラシックでは前述のセントニコラスアビーに勝利している。

宝塚記念

 全く振わず9着。2着カレンミロティックは後に天皇賞春で2度穴を開けた。3着ヴィルシーナはこのレースでジェンティルドンナに生涯唯一先着した。長らくオルフェーヴルのライバルだったウインバリアシオンは7着。11着メイショウマンボは前年の変則三冠牝馬として人気を博したが、このレースから引退するまで19戦して2桁着順18回と苦しんだ(川崎のJpn3で6着になったのが唯一の1桁着順)。

天皇賞

 4角3番手から粘り込むも、スピルバーグに差し切られる。スピルバーグは生涯を通して唯一の重賞勝ち鞍がこのレースになった。3着イスラボニータはこの年の皐月賞馬。前年の菊花賞馬で次走ジャパンカップを制覇するエピファネイアは6着。フェノーメノは14着。

ジャパンカップ

 史上初の同一G1三連覇を狙うも、伸びを欠き4着。2着ジャスタウェイ、3着スピルバーグ。5着ハープスターは異次元の末脚で人気を博し、札幌記念ゴールドシップに勝ったり、凱旋門賞に出走したりした(6着)が、G1タイトルはこの年の桜花賞のみだった。この年のダービー馬ワンアンドオンリーが7着。8着フェノーメノ、9着イスラボニータ、11着デニムアンドルビー

有馬記念

 良績のない右回り、初距離初コースだったが、先行粘り込みで有終の美。2着トゥザワールドはこの年の皐月賞2着馬で、次走豪州G1でも2着。兄トゥザグローリーはこの馬同様に2011年の有馬記念で穴を開けている。3着ゴールドシップは次年の有馬記念で引退(8着)。4着が同じく引退レースのジャスタウェイ。5着エピファネイアは次走ドバイWCに挑戦するも惨敗し引退。6着ラキシス。8着で同じく引退レースのトーセンラーは、マイルCSの勝ち馬で、皐月賞オルフェーヴルの3着。9着デニムアンドルビーは次走フェブラリーSでダート挑戦も惨敗。10着フェノーメノ、12着ウインバリアシオン、13着ワンアンドオンリージェンティルドンナの3歳時のライバル・ヴィルシーナもこのレースが引退レース。逃げてペースを作り14着。結果的にはライバルが有終の美を飾るためのペースメーカーになったという美談にもなってます。15着メイショウマンボ

【現役総評】

 この馬のピークは秋華賞だと思います(少なくとも3歳時です)。同年のジャパンカップでは先行してましたけど、あれは騎手の意志だけでなく、下降による先行型へのチェンジだと思われます。重馬場が苦手で、右回りも性に合わない感じでした。そして何より叩き良化型。前哨戦を使わないレースは悉く負けてます。それゆえ、もしこの馬が早熟ではなく、ぶっつけ本番も行けるタイプの馬だったら、もっと偉大な馬になっていたと思います。

 

☆データ

勝率 0.526
連対率 0.736
複勝率 0.789
東京競馬場 (3,2,0,1)
阪神競馬場 (3,0,1,1)
京都競馬場 (2,1,0,1)
中山競馬場 (1,0,0,0)
メイダン競馬場 (1,1,0,0)
良 (10,3,1,2)
稍重 (0,0,0,1)
不良 (0,1,0,0)
右回り (6,1,1,2)
左回り (3,2,0,1)
岩田康誠 (4,2,1,1)
R.ムーア (2,0,0,1)
戸崎圭太 (1,1,0,0)
他騎手 (2,1,0,1)
上り3F順位 (3,2,6,7)※計測不能含む
最大着差 5馬身(-0.8)

 

 

☆主な達成記録(達成年)

年度代表馬(2012年)
②最優秀3歳牝馬(2012年)
③ワールドサラブレッドランキング122WTR(31位タイ)(2012年)
④WTR3歳芝トップ(2012年)
⑤史上4頭目の3冠牝馬(2012年)
ジャパンカップ初の3歳牝馬勝利(2012年)
ジャパンカップ史上初の連覇(2013年)
⑧最優秀4歳以上牝馬(2013年)
牝馬最多獲得賞金(2013年)
⑩史上最多の国際GⅠ7勝(2014年)
⑪総合獲得賞金歴代2位(2014年)
牝馬初の主要4場GⅠ制覇(2014年)
牝馬初のJC・有馬両制覇(グレード制導入後)(2014年)
⑭史上5頭目牝馬初の「引退レースと明言して」有馬記念を勝利(2014年)
年度代表馬(285票中231票)(2014年)
⑯最優秀4歳以上牝馬(満票)(2014年)
⑰史上2頭目牝馬による2度の年度代表馬(2014年)
平成28年度顕彰馬(198票中149票)(2016年)

 

 

☆レース後のジョッキーコメント

①2歳新馬 2着
M.デムーロ騎手
「こういう馬場なので外の方がいいのではと思いましたが、勝ち馬が内を通っていましたから、そちらを通った方が良かったのかもしれません。力があるのでチャンスはすぐに来るでしょう」

②未勝利 1着
I.メンディザバル騎手
「取りこぼしのないようにいい位置につけて行きました。馬が競馬を分かっていて、直線も自分で抜けて行きました。私は何もしていません」

シンザン記念 1着
C.ルメール騎手
「スタートよく、しっかりとした二の脚もあったので、いいポジションからレースを進めることができました。直線に向いてからうまく前も開きましたし、いい脚を使って抜け出してくれました。能力も高いので、クラシックにも期待を持てる馬だと思います」

チューリップ賞 4着
岩田康誠騎手
「道中の折り合いも気になりませんでしたし、能力のある馬です。今日は、どんな脚を使うのか見たかったのですが、熱発明けでも最後は詰めて来ています。次はもっと反応が良くなるでしょう」

桜花賞 1着
岩田康誠騎手
「本当に具合が良く、自信を持って乗りました。スタート良く、折り合いもバッチリでした。もっと前にも行けましたが、アイムユアーズサウンドオブハートを見ながら最高のレースが出来ました。まだまだ仕上がり途上で、冷静で賢い馬、今後また鍛えていけると思います。素直なところがいいですね。次走も自信を持って挑めます」

優駿牝馬オークス) 1着
川田将雅騎手
「強い馬に乗せていただいて、結果を出せてよかったです。初めての府中でテンションが上がるのではないかと心配しましたが、大丈夫でした。レースではヴィルシーナミッドサマーフェアをマークして2頭のことだけを考えていきました。3番人気だったのは乗り替わったこともあるし、まだ信頼されていないんだなと思いましたが、桜花賞馬でも自分にプレッシャーはなく楽しめました。抜け出すのが早く、突き抜けたのはわかりましたが、また何かに来られたらと思い、最後まで追いました。三冠につながる切符を手に入れることができたので、これからも応援して下さい」

ローズステークス 1着
岩田康誠騎手
「完勝しなければいけないレースで、責任を果たせました。京都内回り2000mは後ろからでは間に合わないケースもあるので、今日のようなレースを教える必要がありました。次はもっと反応がよくなると思いますし、3冠に向けて無事にいって欲しいです」

秋華賞 1着
岩田康誠騎手
「この馬にはいろいろ教えられることが多く、今日は勝たなくてはいけないレースでした。返し馬でワガママしたように、まだ若いところはありますが、まだ先を見据えるところのある馬。次の走りをまた見て欲しいです。1コーナーから外を回った分もありますが、最後きわどくなりました。追い出すときにズブい感じを見せましたが、オークスのときのような脚を使う馬だと信じていました。差し返されたような形になりましたが、抜け出してから遊んだところがありました。これからもっとパワーをつけて古馬に挑みたいですね。ブエナビスタと比較されますが、今日の走りはブエナビスタに匹敵するものがありました。これからこの馬の本来を姿を見せて、力を証明したいと思います」

ジャパンカップ 1着
岩田康誠騎手
オルフェーヴルとの叩き合いを制することが出来たのはすごいことですが、逃げ馬を交わす時に微妙な進路取りになり、接触したことは申し訳ないと思っています。8枠からのレースは腹を括っておかないといけないと考えていました。道中は絶好のポジションで、4コーナーまでは完璧でした。接触がなかったら…と思います。自分の気持ちがレースに出てしまったのかもしれません。悔いが残ります。53キロを生かしたレースをしたいと思っていました。馬場状態を考えるとインコースを取りたい一心でした。前を早めに飲み込む形を想定し、オルフェーヴルも前にはいないレースを想定していました。これで負けたら仕方がないと思っていましたし、この馬が底を見せていないことが証明出来ました。彼女の本気を初めて見せてくれました。オークスの走りは良かったと改めて思いますし、東京の左回り、最高の馬場で結果が出ました。お疲れ様です、と馬には言いたいです。本当にファイトを持っている馬です」

ドバイシーマクラシック 2着
岩田康誠騎手
「悔しいです。日本と違うゲートに戸惑い、出遅れてしまいました。弾むように走っていたので、芝は問題なかった。最後も捕まえられると思ったのですが、道中掛かっていた分、伸び切れませんでした。それでも世界と戦える手応えはつかめましたし、次はもっと強いジェンティルを見せたいです。」

宝塚記念 3着
岩田康誠騎手
「少し力む面があり、ハミを噛んでいました。さらに重い馬場で切れ味を殺がれました。それでも頑張ってくれると思ったのですが...」

天皇賞秋 2着
岩田康誠騎手
「スタートがよすぎたのですが、出たなりで位置取りはどこでもいいと思っていました。道中も力まないでレースができました。強かったですが、勝った馬の脚が違いすぎました。しかし、この馬もさらによくなると思います」

ジャパンカップ 1着
R.ムーア騎手
「この馬に乗せていただき、非常に幸運でした。ジャパンカップを連覇できて嬉しいです。道中、早めに前へ行ってしまい心配でしたが、彼女がよくがんばってくれました。今年になって勝ち星はありませんでしたが、常に悪い結果はなく、率直に彼女の力を信じて乗りました」

京都記念 6着
福永祐一騎手
「ゲートで潜って、戻ったところでゲートが開きました。その影響で、乱れたリズムの修正に時間が掛かりました。道中は2~3番手で抑えの利いたレースが出来ましたが、トゥザグローリーが動いて行った時には余力がありませんでした。前に壁を作った方が良かったのかな...。でも馬は最後までよく頑張ってくれました」

ドバイシーマクラシック 1着
R.ムーア騎手
「楽な競馬になりました。終いにいい脚を残したいと思っていたので、期待通りの競馬をしてくれました。本当にいい牝馬です。」

宝塚記念 9着
川田将雅騎手
「ゲートを上手に出てくれましたし、道中は折り合いもつきました。『前にカベを作って競馬をする』という陣営の指示通りに運べました。向正面で目標をゴールドシップに切り替えたのですが、3コーナーで手応えが怪しくなって、終いはバタバタになってしまいました」

天皇賞秋 2着
戸崎圭太騎手
「返し馬から落ち着いていて、いい雰囲気でした。もう少し広い進路を取れれば良かったのですが、よく頑張っています。まだ衰えはありません」

ジャパンカップ 4着
R.ムーア騎手
「馬場が緩くてつかむことが出来ませんでした。加速が出来ない上に、例年と違うスタミナ比べになってしまったのが残念でした」

有馬記念 1着
戸崎圭太騎手
「今日はジェンティルドンナの最高のパフォーマンスをファンに見せようと思っていました。前回の天皇賞(秋)で賢くて乗りやすい馬だと分かりましたし、枠順も良く、不安なくレースに臨めました。
レースでは先行してしぶとさを生かすことを考えていましたが、前に壁が作れず、初めは多少気負うところはありましたが、我慢してくれていいリズムで行けました。先頭に立ってからは後ろからの馬の足音も聞こえてきましたが、最後の力を振り絞って頑張ってくれました。最高の牝馬だと言っていいと思います。
僕自身は、今年GIを勝てずに悔しい思いをしていましたが、ジェンティルドンナに助けられました。これで引退しますが、今後もこの馬を見守って欲しいと思います」

 

 

☆最終追い切り

①2歳新馬 2着
最終追い切り:不明

②未勝利 1着
最終追い切り:栗坂併せ馬終い一杯52.0-37.9-25.0-12.5

シンザン記念 1着
最終追い切り:栗坂併せ馬終い強め53.5-39.1-26.4-13.6

チューリップ賞 4着
最終追い切り:栗坂併せ馬終い一杯56.3-41.2-26.9-13.5(重)

桜花賞 1着
最終追い切り:栗坂併せ馬終い一杯53.6-39.5-26.6-13.7(不)

優駿牝馬オークス) 1着
最終追い切り:栗坂単走終い強め52.5-38.6-25.1-12.3

ローズステークス 1着
最終追い切り:栗坂単走終い一杯52.4-38.6-25.4-12.5

秋華賞 1着
最終追い切り:栗坂単走終い強め53.7-39.0-25.1-12.1

ジャパンカップ 1着
最終追い切り:栗坂単走終い強め53.0-38.9-25.6-12.8(稍)

ドバイシーマクラシック 2着
最終追い切り:なし

宝塚記念 3着
最終追い切り:栗坂単走終い強め51.8-37.7-24.5-12.3

天皇賞秋 2着
最終追い切り:栗坂単走終い強め53.7-39.2-25.3-12.5(稍)

ジャパンカップ 1着
最終追い切り:栗坂単走終い強め53.8-39.4-25.6-13.0

京都記念 6着
最終追い切り:栗坂単走終いハミ掛け53.5-39.0-25.8-12.9(稍)

ドバイシーマクラシック 1着
最終追い切り:なし

宝塚記念 9着
最終追い切り:栗坂併せ馬川田終い強め51.3-37.3-24.3-12.2

天皇賞秋 2着
最終追い切り:栗坂単走馬なり52.9-38.8-25.1-12.5

ジャパンカップ 4着
最終追い切り:栗坂単走終い気合53.3-39.1-25.7-13.0

有馬記念 1着
最終追い切り:栗坂併せ馬馬なり54.5-39.8-26.1-13.3

 

 

☆引退式の模様(筆者自筆)

 引退式は、有馬記念当日のレース後、とんねるず石橋貴明さんのトークショーの後17時から行われました。

 司会は元JRA騎手の細江純子さんと、フジテレビの福原アナウンサー。登壇したのは、石坂正調教師、サンデーレーシング吉田俊介代表、岩田康誠騎手、川田将雅騎手、戸崎圭太騎手、井上泰平調教助手、日迫真吾厩務員。各登壇者へのインタビューが終わった後、R.ムーア騎手からのビデオメッセージも流れました。また、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏から、初交配相手がキングカメハメハハービンジャーになると発表されました。

 最後は、細江さんの声かけにより、ファンからジェンティルドンナとの別れを惜しむ声が次々と上がり、お別れとなりました。

 

 

☆繁殖成績

モアナアネラ(2016年産・牝馬・父キングカメハメハ)=20戦3勝(3勝クラス在籍)

ジェンティルドンナの2017(牡馬・父キングカメハメハ)=デビューせず

ジェラルディーナ(2018年産・牝馬・父モーリス)=現役(G1エリザベス女王杯ほか)

マリーナドンナ(2019年産・牝馬・父ロードカナロア)=現役(未勝利在籍)

ジェンティルドンナの2021牝馬・父モーリス)=デビュー前

 

 

【繁殖入り初期の当時の記録】

2015/1/26
JRA賞授賞式で、キングカメハメハとの交配が示唆されました。

2015/3/4
キングカメハメハとの交配をしました。

2015/3/20
キングカメハメハの仔を受胎したことが報告されました。

2016/2/15
キングカメハメハの仔を出産したことが明らかになりました。
このまま順調にいけば、母を管理していた石坂厩舎に入厩することになりそうです。

2017/1/16
日本と香港で圧倒的な強さを見せつけたGⅠ6勝馬モーリスの花嫁候補がジェンティルドンナであることが明らかになりました。

 

 

☆その他雑記

2015/1/19
ジェンティルドンナ陣営を代表して石坂調教師が南相馬市役所を訪れ、400万円を寄付しました。これは、ファン投票上位馬の有馬記念特別出走奨励金からなされたものです。

2015/2/26
ジェンティルドンナへの安平町特別栄誉賞授与が決まったことに際し、安平町の早来町民センター大ホールにおいて、ジェンティルドンナの功績を称える、安平町特別栄誉賞贈呈式・祝賀会「感動をありがとう!ジェンティルドンナ~史上最強の貴婦人を称える夕べ~」が開催されました。
競走馬のふるさと案内所・馬産地ニュースより)

2016/9/12
ジェンティルドンナ平成28年度顕彰馬に選出されました。平成7年4月1日から平成27年3月31日の間に競走馬登録を抹消した馬という、かなり多くの馬が対象となる中で、ロードカナロアブエナビスタキングカメハメハといった名馬を上回っての選出。

ジェンティルドンナ:競馬の殿堂 JRA

2017/7/11
ジェンティルドンナの全妹に当たるドナブリーニの2017が新規参入のDMM.comによって3億7000万円という超高額で落札されました。

2017/9/24
某競馬雑誌にて、香港の天才ジョッキーであるJ.モレイラ騎手が、印象的な日本馬として、モーリスとロードカナロア、そしてジェンティルドンナの名前を挙げていました。ドバイでの末脚を観て乗ってみたかったとのこと。

2022/11/13

ついに産駒のジェラルディーナがエリザベス女王杯にて、G1勝利。外枠と馬場が合っていたとの見解が多いですが、それにしても、成長途上で重馬場を大外回してG1を完勝できるのは能力以外の何物でもないと思います。ジェンティルドンナ自身は右回りも重馬場も得意ではなかったので、同じく歴史的名馬である父モーリスの適性も上手く受け継いで、相当なポテンシャルを持っていそうです。

Geraldina Wins QE II Cup in Japan; Magical Lagoon Last - BloodHorse

【エリザベス女王杯結果】ジェンティルドンナの仔ジェラルディーナが差し切ってGI初制覇 - netkeiba

 

 

☆Introduction of GENTILDONNA (In English) ※筆者訳なのでたぶん誤訳あります
GENTILDONNA is a Japanese female throughbred racehorse sired by DEEP IMPACT. When she was 3 years old, she won the Japanese Fillies Triple Crown (the Oka Sho, the Yushun Himba, the Shuka Sho) and the Japan Cup. It was the first time that 3-year-old filly became a winner of the Japan Cup. In 2013, she won the Japan Cup again and became the first horse who won the race 2 years in a row. She couldn't won the next year's Japan Cup, but won the Dubai Sheema Classic and the Arima Kinen (which was her retirement race) in 2014. She was voted Japanese Horse of the Year in 2012 and 2014. After starting her career as a broodmare, she was inducted in the JRA Hall of Fame in 2016.

 

 

☆Introducción sobre GENTILDONNA (En Español) ※筆者訳なのでたぶん誤訳あります
GENTILDONNA es una yegua purasangre inglés de Japón. Su nombre significa "Dama". Su padre es DEEP IMPACT que es muy famoso en Japón. Ella ganó La Triple Corona para unas yeguas (la Oka Sho, Yushun Himba, Shuka Sho) y Japan Cup cuando tuvo 3 años. En 2013, de nuevo ganó la Japan Cup. El siguiente año venció la Dubai Sheema Classic y Arima Kinen. Ella fue elegido al Caballo de Japón del Año (Japanese Horse of the Year / JRA 年度代表馬 (nendo daihyoba)) dos veces. Y fue escogido al JRA Salón de la fama (the JRA Hall of Fame / JRA 顕彰馬 (kenshoba)).

 

 

※参考・出典

JRA

Wikipedia

netkeiba.com

・Racing Post

・Pedigree Online Thoroughbred Database

・ウマニティ

・サンデーサラブレッドクラブ

競走馬のふるさと案内所

優駿達の蹄跡 - 競馬データベース

 

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 嫌われ者の実力者が大好き

結城友奈は勇者である 勇者史外典 上下巻 感想

こんにちは、伊吹柚子です。

 

ノベルの感想です。


結城友奈は勇者である 勇者史外典(上下巻)

www.kadokawa.co.jp

[著者] 朱白あおい [企画原案・構成]タカヒロ

[出版] アスキー・メディアワークス

[あらすじ](上巻)

これまで語られることのなかった初代勇者と巫女たちの姿が描かれる!
結城友奈は勇者である』シリーズ最新ノベル。結城友奈の世代から300年前の初代勇者の時代。過酷な運命のなかで生き抜いた初代勇者とそれを支えた巫女たちの物語。(KADOKAWAより)

 

 

 

本作『結城友奈は勇者である 勇者史外典』は、『上里ひなたは巫女である』、『芙蓉友奈は勇者でない』、『烏丸久美子は巫女でない』の3章から成る作品です。

 

今回も、活字嫌いなどで読むのを躊躇っている方の参考になればと思って書きます。

 

一つ一つが独立した作品というわけではないですが、一応、章別でご紹介します。

 

 

 

1.『上里ひなたは巫女である』

 

時間軸としては、およそ西暦2018年~神世紀2年頃までのお話。

タイトルだけ見ると、ひなたを中心にしたものと思われますが、実際のところは、主要な巫女たちを中心とした巫女側全体の物語です。

 

乃木若葉を見出し、巫女の実質最上位にいる【上里ひなた】

土居球子・伊予島杏を見出し、陽気で年相応な巫女【安芸真鈴】

郡千景を見出し、彼女を崇拝する、クールで淡々とした巫女【花本美佳】

高嶋友奈を見出したとされ、現在は巫女の力を失い、神官かつ巫女の教師をする【烏丸久美子】

 

この4人が、勇者たちが表に立つその裏側で、大社の中でどう過ごしているのかを描きます。

勇者たちが厳しい戦いに身を置き、若葉以外が亡くなっていく一方で、巫女たちも、見出した勇者を失った苦しみに晒されたり、奉火祭があったりと、かなりシリアスな内容になっています。

本章は5話構成で、内容的にもちょうど5分割できるので、1話ごとにご紹介します。

 

第一話は、巫女たちのキャラクターと生活をつかむ、序章のようなものです。

ひなたは相変わらずの性格で、巫女の中でもとにかく慕われている様子。

真鈴は、巫女としての生活に閉塞感を感じていて、年相応の楽しい生活を望む明るい子という感じですね。千景と同い年なので、球子や杏のことはお姉さんらしく見守るけれど、一方でその性格から、美佳にはあまり尊敬されていない様子。

美佳は、比較的クールで、淡々と、時に冷淡なところがあるキャラクター。とにかく千景に心酔していて、千景のことが心配だが、真鈴が球子や杏に気軽に接するのとは真逆で、千景に会いに行く勇気はない。大社にも不信感を抱いている感じですね。

巫女とはいえ、やはり三者三様で、大社に委ねっきりの巫女はほとんどいません。特に、勇者の中でも異端だった千景を見出したのが、巫女の中でも異端な美佳というのも因果ですね(久美子もかなり異端ですけど、彼女の場合は事情が異なるので)。

 

第二話は、美佳目線でのお話。

どのようにして千景と出会ったかに始まり、千景の家庭環境を踏まえて千景の行く末を非常に不安視している姿や、真鈴との関わりの中で、千景への向き合い方を変えていこうとする姿が描かれます。

最終的には、勇者たちと合同で花見をしようという話をし、真鈴に教わりながら、美佳が手料理を作るというところで終わります。

 

第三話は、球子と杏の死を中心としたお話。

本編ではほんの一瞬しか触れられなかった、球子と杏の死を悼む巫女、つまり、真鈴の姿が描かれます。

大まかには、廃人のように落ち込む真鈴が、美佳に発破をかけられたり、天空恐怖症候群の弟の回復した姿を見たり、遺品から球子と杏を感じたりして、前向きに立ち直っていく流れです。

ただ、そのまた裏側では、千景をめぐる大社の動きに反発した美佳が動き始めます。

 

第四話は、千景の暴走と死をめぐる、美佳のお話。

この話が、個人的には一番の見どころと思っています。というのも、やはり千景の暴走と死自体がのわゆ本編でも大きな意味をもつ話ですし、その裏側について描かれているとなれば必読な上、なかなかにシリアスな内容です。恐らくこのシリーズでは、第三章『烏丸久美子は巫女でない』の次に衝撃的です。

詳細はぜひ読んでいただきたいと思うのであまり書きませんが、千景が実家に連れ戻されたり、戦死したり、勇者から追放されて葬儀もされず名も残されずの扱いを受けたりする中で、そのたびに美佳がどう振る舞うかを描いています。千景に心酔し、千景の両親を恨み、大社に不信感を抱いた彼女がどう振る舞うか。相当に思い切ったことをします。後はなにげに、久美子のキャラクターも、よく描かれています。第三章への布石ですね。

 

第五話は、友奈が戦死した後の巫女たちの話。

奉火祭や大社のシステムを巡って、ひなたを中心に描かれます。本編でもある程度は描かれていますが、さらに巫女寄りに、詳細に描かれています。

若葉たちや巫女たちとの接し方を見れば、ひなたが優しい少女であることは明らかですけど、奉火祭以降、大社に対する反抗心を抱いた後のひなたは、ある意味ではゆゆゆシリーズの誰よりも恐ろしい感じがしました。

ひなたが、若葉や巫女、そして四国を守るために、大社にどう立ち向かったのか。必読です。

 

 

 

2.『芙蓉友奈は勇者でない』

 

時間軸としては、神世紀29年頃。

バーテックスの襲来を直接経験した時代から数十年経っており、バーテックスの存在すら陰謀論が唱えられる時代。

 

神世紀の転換期などを中心に疑いを持ち、探求する【芙蓉・リリエンソール・友奈】

自分の名前が特別であることを嫌い、名前に適う力を欲する【柚木友奈】

 

このふたりの少女が織りなす物語です。

基本的には、柚木友奈視点で物語が進みます。

柚木友奈は、「友奈」という名前に反して、自分が凡人であることを嫌っています。そんな時、バーテックス、壁、勇者、大赦といったものの言説を陰謀だと疑い、真実を探求するための非公認部活『勇者部』を立ち上げて活動する、芙蓉友奈と出会います。

一見すると、陰謀論者の残念美少女である芙蓉友奈ですが、なんだかんだで彼女の活動に付き合っていくうちに、彼女が単なる陰謀論者ではないことがわかります。

物語の鍵となるのは、柚木友奈の「友奈」という名前へのコンプレックスと、芙蓉友奈の死別した米国人の母です。この二つが、二人の友奈の物語を作り上げています。

大赦やバーテックスといったものが絡んでくるお話ではありますが、それよりも、この時代を舞台としたふたりの少女の青春物語という感じです。シリアスな部分もありますけれど、このシリーズの中では、くめゆと同じくらいの安心感で観ていられますね。

 

ところで、芙蓉友奈のCVは、結城友奈、高嶋友奈と同じく照井春佳さんですが、芙蓉友奈自身は勇者ではありません。同じく「勇者ではない友奈」なのに、なぜ柚木友奈だけがCV照井春佳さんではないのかについては、恐らくは、二人の名前の由来に起因するのだと思います(柚木友奈の「友奈」は実は...)。

 

 

 

3.『烏丸久美子は勇者でない』

 

西暦2015年、大阪の大学院生【烏丸久美子】が、奈良県御所市にてバーテックス襲来を迎えるところから始まる物語です。

スーパーで買い物をしていた久美子たちのもとに、バーテックスが襲来。店外でバーテックスが人間を食らい尽くす中、店内の客たちは籠城。精神をすり減らす状況を打破するため、久美子は、自分自身がバーテックスを引きつける囮となって、その隙に客たちを逃がす作戦を立てる。上手く囮になったものの、待ちきれない客たちが店外へ。客が食われそうになるところ、【高嶋友奈】と【横手茉莉】が現れ、友奈が敵たちを蹴散らす。3人は協力し、生き残った人たちと共に、バスで被害の少ない四国を目指す。

こんな感じで話が展開していきます。

 

最初の展開だけ見ると、死体の飛び散る最初の惨状以外は結構マトモなお話かと思って読み進めちゃうのですが、展開が進むごとに、この作品の異様さが増していきます。前述の通り、個人的にはこの『結城友奈は勇者である』シリーズの中では一番衝撃的でした。

やはり一番は、この烏丸久美子というキャラクターの特異性。自分が囮となってバーテックスを引きつけるのも、客たちを四国へ逃がそうとするのも、決して単なる善意ではない。究極を言えば、平凡であることを極端に嫌う久美子自身の欲を満たすためだけの行動。久美子は最初のほうで自分の性格を語る際に、「犯罪以外のことは、思いつく限りあらゆることをやった」と回想しますが、今回の物語で結構な数の犯罪を犯します。そして、ただでさえ腕っ節も強いので、主人公でありながら敵か味方かわからない感じがあります。

そして、横手茉莉というキャラクター。この子は一般的に言うところの「普通の子」ですが、烏丸久美子、高嶋友奈、そして一緒に四国へ逃げる他の客たちとの関わりの中で、ひどく苦しめられながらも、彼女たちの運命を左右する存在となります。

 

丸久美子、横手茉莉、高嶋友奈の3人を中心に、彼女たちがどのような運命をたどるのか。そして、なぜ「高嶋友奈を見出した本物の巫女である」横手茉莉ではなく、烏丸久美子が高嶋友奈の巫女として大社に迎えられたのか。これまでの物語から、高嶋友奈は勇者として、烏丸久美子は友奈を見出した元巫女・神官として生き延びることは明らかではありますが、その終着点を知っていながらも、この作品は読む価値があります。

 

個人的には、何度考察を繰り返しても、烏丸久美子というキャラクターを善意の人間として見るのには無理があるなぁと思っています。言ってしまえば、善意もないし悪意もない。人間らしい性格だけど、人間社会に置いておくのは難しい。それこそ、バーテックス襲来によって歪になった世界でこそ生きられるキャラクターです。

 

 

 

 

この勇者史外典は、読まなくても特に困らないけれど、シリーズが好きなら必読という作品ですね。私はとても好きです。なにげに、勇者でも巫女でもない芙蓉友奈、柚木友奈、烏丸久美子が一番味のあるキャラクターなのかもしれません。

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

伊吹柚子(Ibuki Yuzu) ゆゆゆいのストーリーノベルが発売されることを願う

楠芽吹は勇者である 感想

こんにちは、伊吹柚子です。

 

ノベルの感想です。


楠芽吹は勇者である

www.kadokawa.co.jp[著者] 朱白あおい [企画原案・構成]タカヒロ

[出版] アスキー・メディアワークス

[あらすじ]

人気TVアニメ『結城友奈は勇者である』1期と2期の間に起こった、もう1つの物語。かつて三好夏凜と勇者の座を争い敗北した、元勇者候補生・楠芽吹の自らの誇りをかけた戦いの軌跡。(KADOKAWAより)

 

 

 

 

今回も、『乃木若葉は勇者である』のノベル感想記事同様、「アニメは観たけどノベルは読むべきなのかな?」というような人の参考になれば良いと思って書きますね。

 

 

この『楠芽吹は勇者である』は、まさにあらすじの通りで、1期と2期の間を中心とした物語です。ただ、正確には、神世紀298年~神世紀301年のお話です。つまり、今回の主人公芽吹が小学校6年生の時から始まります。

 

ストーリー展開的には、

神世紀298年  芽吹や夕海子、夏凜が勇者候補生として、宇夫階神社に集められる。

神世紀300年春 夏凜が銀の後継者となる。

神世紀300年秋 ゴールドタワーに、芽吹、夕海子、雀、しずくたち32名が招集。

~神世紀301年 亜耶たち巫女以外の32名が防人としてお役目を果たす。

神世紀301年  亜耶たち6名を生け贄にする奉火祭が執り行われることが告げられる。

 

こんな感じです。大まかに書くと、アニメでよく描かれているなと思いますし、ノベル読まなくても良いのではないかと思われるかもしれません。

ですが、本作においても、やはりノベルは読むべきとお勧めします。

 

前回の『乃木若葉は勇者である』の記事とは違って、ノベルを読むべきだと思うポイントは1つだけ。

それは、「キャラクターたちについて知ることができる」ということです。

前回記事のポイント④と同じです。

 

ですが、あちらが「キャラクターたちの生活や戦いを通しての成長」に焦点を当てていた一方で、『楠芽吹は勇者である』については、「キャラクターたちの個性・背景を通してのストーリー」に焦点を当てています。

つまり、私は、『乃木若葉は勇者である』(以下、「のわゆ」)はキャラクターたちの生活や成長を見る作品で、『楠芽吹は勇者である』(以下、「本作」あるいは「くめゆ」)はキャラクターたちの個性・背景が中心の作品であると考えます。

 

ネタバレしすぎない程度で、具体的にアニメで描ききれなかった重要部分を見てみます。

 

①楠芽吹:なぜ勇者にこだわるのか、犠牲を嫌うのか、他のキャラとの関わり方

弥勒夕海子:弥勒家にこだわる理由を含め、ノベルで彼女が目立つ箇所ほぼ全て

③加賀城雀:自尊心の低さなど、ほぼ全て

④山伏しずく:神樹館で銀たちと隣のクラスだったこと、別人格のことなど、ほぼ全て

⑤国土亜耶:他のキャラとの関わり方、生い立ちなど、ほぼ全て

 

ほとんど全てですね。キャラクターについての重要な部分が結構抜け落ちてます。

ですから、のわゆについては、キャラクターたちの大まかな個性はともかく、過程・成長の描写がアニメでは描ききれず、くめゆについては、キャラクターたちの個性・背景がほとんど描かれていないので、もはやストーリーそのものしかわからないという状態です。

従って、いずれにしても、アニメだけでなく、ノベルも読んで頂きたいのです。

 

まあ、これだけ区別しておきながら、千景は家庭環境などの背景を見ることが重要ですし、芽吹の成長はこのストーリーの核ではあるんですけどね。ただ、わかりやすいように区別させていただきました。それに、芽吹の成長はどのみちアニメでは描かれてないので...

 

 

それともう1つ。

これは『結城友奈は勇者である』シリーズ云々とか、作品云々とかとはあまり関係ないのですが、「キャラクターたちを正確に知ってもらいたい」というのがあります。

というのも、「芽吹は、神樹様や大赦、勇者というものに対して、敬意とか妙な特別視は全くしていない」ということが、アニメだけでは伝わりづらいんですよね。

なので、ノベルを読まないと、芽吹のアイデンティティみたいなものが、上手く理解されないのかなと思います。

 

 

あとは、ノベルを読むべきかどうかということではないですが、「なぜ、楠芽吹は『勇者』とされているのか?」という謎も、アニメじゃ全く触れられてないので、ノベル読まないと解決できませんね。

 

 

最後の最後に、単純な感想を。

・シリアスは少ない分、大幅な盛り上がりも少ない。

・亜耶、芽吹はむしろアニメのほうが可愛く見えた。奉火祭前のふたりのおでかけを逆輸入したいくらい。

・夕海子はアニメじゃ全然気になってなかったけど、ノベルで一気に好きになった。アニメでは感じにくかった芯の強さを感じられるし、芯が強いのに、キャラに全く堅苦しさがない。

 

 

ついでに、先月行った、くめゆの聖地の写真残しておきますね。

 

<宇夫階神社>神世紀298年に勇者候補生が集められ、訓練した場所。

 

ゴールドタワー>防人たちの拠点、大赦の特別施設、千景殿

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) のわゆもくめゆもプレミア価格なので早めにご購入を

乃木若葉は勇者である 上下巻 感想

こんにちは、伊吹柚子です。

 

ノベルの感想です。


乃木若葉は勇者である(上下巻)

yushadearu.jp[著者] 朱白あおい [企画原案・構成]タカヒロ

[出版] アスキー・メディアワークス

[あらすじ](上巻)

人気TVアニメ『結城友奈は勇者である』の世界から、300年前。西暦から神世紀へと移行するすべての始まりの時代に生きた初代勇者の物語。『ゆゆゆ』ファン必読の一冊。(KADOKAWAより)

 

 

 

『乃木若葉は勇者である』(のわゆ)は、『結城友奈は勇者である』シリーズの前日譚。

バーテックス襲来のその日、つまりは、この物語の原点とも言えるストーリーを描きます。

 

活字が苦手で、アニメしか観ていない...。そんなものぐさな人、いませんか?

 

かくいう私もそうでした。アニメと、『鷲尾須美は勇者である』ノベルしか読んでいない状態です(それでいて、香川に聖地巡礼しちゃうんですけどね)。

3期でも『楠芽吹は勇者である』と『乃木若葉は勇者である』はある程度映像化されていますから、「別に無理して読まなくても良いんじゃないか?」なんて。

 

ですが、読んでみて思うのは、「読んでみないと、結城友奈は勇者であるの世界観をちゃんと把握するのは難しい」ということです。

結局、のわゆも、くめゆとゆゆゆを合わせての12話ですから、描ける内容には限界がありますよね。

なので、このノベルをしっかり読むことには、「なぜこのような世界が誕生したのか」を正確に十分に理解するには非常に意味があります。

 

今回は、未読の方に、「だったら読んだ方がいいかも?」と思ってもらえるような作品のポイントを書くつもりです。

 

 

 

【ポイント①】物語の起源を知ることができる

 

やはりこれは一番重要ですよね。特にこの手の非現実的作品においては、その起源が読み上げたった数十秒の文章で語られて終わることが多いと思います。

ですが、ゆゆゆにおいては、このわすゆノベルのおかげで、しっかりとその起源が描かれます。

それも、我々が生きた西暦2010年代がスタート地点という、ある種の驚きと親近感を湧かせる設定です。

そして、バーテックス襲来の日、その原因、経過がちゃんと描かれています。

残念ながら、大社(大赦の前身)成立の経緯や、神樹の発現描写などはあまり詳細ではありませんが、そこまで詰めすぎると、逆に神秘性が無くなるのかもしれません。

 

 

【ポイント②】世界観を知ることができる

 

これはポイント①とも重なる部分かもしれませんが、物語の起源だけでなく、そこからゆゆゆの神世紀300年に至るまでの流れが、乃木若葉たちの物語を通して形成され、ちゃんと繋がっていくので、その世界観を理解することができます。

例えば、勇者、勇者システム、神樹、バーテックス、四国とその周辺についてなど、アニメだけでは漠然とした理解しかできなかった部分について、ちゃんと知ることができますね。

言い換えれば、アニメシリーズの補完であるとも言えます。

個人的には、ゆゆゆ時代の「四国の外がウイルスのせいで滅びた」という設定、「四国の外が紅炎に包まれている」という設定がいまいちピンときていなかったので、のわゆを読んで解決できたのが良かったです。

アニメを観ていただけでは知ることの無かった世界観や設定について、知ることができるので、読んで欲しいです。

 

 

【ポイント③】結城友奈たちへの想いを深めることができる

 

わすゆ時代は、人類が初めてバーテックスに襲われた時代。当然、勇者システムは黎明期。皆さんが想像する以上の犠牲が生じます。

乃木若葉は、そういった犠牲と引き換えに、未来に希望を残します。

それゆえ、結城友奈たち(特に、友奈、園子、夏凜)が担うものの大きさを、アニメを観ている以上に実感することができると思います。

 

 

【ポイント④】キャラクターたちについて知ることができる

 

正直、アニメ3期を観ただけじゃ、のわゆのキャラクターを理解できたとは言い難いですよね。

かくいう私も、記憶に残っているのは千景の暴走と死くらいで、球子と杏は誰だかよく分からないまま死んでしまいましたし、若葉、友奈、ひなたもその人格をほとんど理解することができずに終わってしまったという感覚です。

恐らく、ノベルを読まずとも、若葉=勇ましいリーダー、ひなた=若葉の幼なじみの穏やかな巫女、友奈=結城友奈みたい、球子=元気、杏=球子と一緒の穏やかさん、くらいのことはアニメでも伝わってくるかと思われますし、実際、ノベルを読んでも、その通りです。

ですが、この作品において重要なのは、そういったキャラクターたちの個性そのものではなく、彼女たちがそこからどのような生活を送り、どのように戦い、どのように成長してきたかです。そこをしっかりと理解しないことには、のわゆを十分に楽しめたとは言えませんので、ノベルは読むべきだと思います。

現代日本の暗部の被害者みたいな千景の姿はノベルでも相変わらずなのはともかく、球子と杏の死は、アニメだけでは感じることのない悲痛さを味わうことになりますが...

 

 

 

これら4つのポイントから、ゆゆゆファンであれば、活字が苦手でも、耐えて読むべきなのかなと思います。

特に、①ゆゆゆの世界観(設定)を詳しく知りたい人、②大満開の章だけでわすゆを知った気になっている人は、読むべきです。

下巻の怒濤のシリアスに耐え抜いて、読みましょう!

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

伊吹 柚子(Ibuki Yuzu) 描写としては一番淡々としていた杏の死が一番悲痛だった